何を持つか、と同じくらい、もしかしたらもっと重要かもしれない、投資成果の決定要因



投資のリターンを決めるのは、何を持っているか、その資産の中身

どんな投資であっても、投資のリターン、成果を決めるのは、投資で手に入れた資産です。その資産が価値を生み出し、市場での取引価格が上昇すれば、評価が高まれば評価益を認識することができます。逆に、その資産が価値を生み出せず市場での取引価格が伸び悩む、下落すれば評価損を認識します。

考えるべきは、投資を通じて取得する資産が、価値を創造し続け時間とともに評価を高めていく「素晴らしい資産」であるかどうか、です。

インデックスファンド?アクティブファンド?という問い、実はナンセンス

何に投資するか、どんな資産を保有するか、という問いに対して、インデックスファンドが良い、アクティブファンドはダメ、個別株なら、、、と様々な答えがあちらこちらで喧しく聞かれます。

しかし、この種の問い、実はナンセンスではないか、と最近強く感じます。というのも、自分にとって「素晴らしい」と感じられるかどうか次第だからです。

たとえば全世界の株価指数に連動するように運営されているポートフォリオ、資産を「素晴らしい」と捉えているのであれば、その価値判断を他人がごちゃごちゃ言っても無駄、ナンセンスでしょう。

より大事なことは別のところにあります。

素晴らしい資産も、しっかりと長く保有を続けなければ、その果実を受け取れない

どんなに素晴らしい資産であっても、果実を受け取るには時間がかかります。そして、素晴らしい資産であればあるほど、時間とともに果実がどんどんと大きくなっていきます。

つまり、資産をどう保有するか、どのように持つかは、何を保有するか、何を資産として持つか、と同じくらい、いや、それ以上に重要な要素ではないか、と考えています。

どんなに素晴らしい資産と出会えて、自分の資産に加えることができたとしても、その資産を十分なだけ保有することができずに手放してしまい、その果実にありつけないことも考えられます。

たとえば、市況の急変で価格が大きな下落の際に、その評価損を堪えることができず全て手放してしまう。それから数年経ってみると、株価は3倍、5倍、10倍になっていることも十分起こり得ます(もちろん、そのような経過を辿らない資産もありますが、それは「素晴らしくなかった」資産)。

「ほったらかし」でしっかりと持てるのか、という疑問

「ほったらかし」と称される資産の持ち方があります。完全に一切何も見ないというストロングスタイルもありますが、価格、時価は定期的にチェックするスタイルも「ほったらかし」に含まれそうです。

この「ほったらかし」の場合、資産の時価は注意を向けるかもしれませんが、資産の中身まで関心を寄せることはほぼ皆無でしょう。

たとえば、保有している株式を発行している会社の事業、顧客に提供している価値、業績推移、資本をどう有効に活用としているかの財務状況、それらに多少なりとも関心を寄せると、それはもはや「ほったらかし」とは呼べませんよね。

時価、価格ばかりに注意を払っていると、株価急落(急騰の場合もあてはまります)の場合に、冷静な分析が出来るか、という疑問がうまれます。

というのも、どんなに素晴らしい資産であっても、市況次第ではとんでもなく(その本源的価値との比較で)値下がりすることがあるからです。

そんな状況で必要なことは次の問いです。

自分の保有資産の成果の源である会社、事業の業績面をどう捉えるか、また、市場の評価がどのように付けられているのか。

しかし、普段「ほったらかし」にしていて、こうした状況時にタイムリーに手間をかけずに、自分の保有している資産が「素晴らしい」かどうかを判断できるでしょうか。

ヒステリー、パニックに陥り、「素晴らしい資産」だと思っていたものがそう思えなくなる可能性が十分に考えられます。「素晴らしい」と思えなくなったら、そこで手放してしまう、、、

これ、別に持っている資産がインデックスファンドかアクティブファンドか、個別企業の株式か、そんなことは関係ないでしょう。どんな資産を持っていても「ほったらかし」なら起こり得ることです。

「分散、低コスト」でしっかりと持てるのか、という疑問

「長期、分散、低コスト」。役所も大真面目に強調しているのですが、「分散、低コスト」いずれも注意すべきではないか、と考えています。

「分散」ということは個々の資産に目が届かなくなります。何百社、何千社について、事業、実現している価値、業績推移、資本をどう有効に活用としているかの財務状況をしっかりと捕捉することは不可能でしょう。実際、インデックスファンドのマネジャーはそんな仕事はやってないはずです。

株価を見ながらウエイト調整して株価指数との乖離を少しでも小さくする。これが彼らの仕事です。価格しか見ていません、というか、見ちゃダメなんですよね。

株価指数にどれだけ連動するか、が彼らにとっての生命線。低コストで投資家に訴求するよりほかありません。それが彼らの宿命です。

疑問に思うのは、この「分散、低コスト」でつくられた資産が「素晴らしい」となぜ認識することができるのか、ということです。市場が効率的だから、とか、世界経済は成長を続ける、とか、色々言われますよね。

でも、ホンマかいな、と思いませんか。

ここ数年、世界中、特に先進国がビビって株価を下支えし続けたから、株価指数は右肩上がりになっている?株価調整へのマグマは高まっている?

コストを抑えるだけ抑えた、分散しまくった資産は、本当に「素晴らしい」のか、という疑問です。長く持てば時間とともに果実が大きくなる、そんな資産なのでしょうか。

「厳選」「ちゃんとメンテナンス」の効果、効能

分散しすぎると目が行き届かない、かといって、コストもかけられない。中身がよく分からない、確かめるのも大変。

しかし、どんな資産を「素晴らしい」と認識するかどうか、それは人それぞれでしょう。

僕個人としては「厳選」されて、しっかりと「メンテナンス」されていると評価できる資産を選ぶようにしています。「メンテナンス」するのは、株価ではありません。上述の通り、保有している株式を発行している会社の事業、顧客に提供している価値、業績推移、資本をどう有効に活用としているかの財務状況です。

これらをしっかりと捕捉し、分析したうえで投資判断しているか、これが「メンテナンス」です。こうした「メンテナンス」をファンドマネジャーが為しているか否かを月次レポート等で、僕も「メンテナンス」します。

こうした「メンテナンス」をしっかりと続けていると、株価急落があっても動じにくくなります。むしろ「こんな素晴らしい会社がこの価格なの?!」という感覚を持ちます。ヒステリックに手放すのではなく、買い増したり、資産の入れ替えを図る機会になります。

「メンテナンス」を続けていると、過去が書き換える?に近い効果が得られることもあります。保有し始めた頃に抱いていた印象が大きく変わる投資先がいくつも出てきます。そうした書き換え、アップデートは新しい投資判断、機会に活用できることもあります。

「メンテナンス」を続けていることで、自分の資産の「素晴らしさ」を見つける、感じ取ることも増えていきます。「メンテナンス」は、時間をかけて手間をかけて自分の資産を素晴らしいものにしていく行為、行動なんです。

まとめ

こんなわけで、インデックスファンド?アクティブファンド?という問いを見るにつけ、もっと別のことを考えた方が建設的でしょ、って思うのです。どんなに素晴らしい資産も長く持てなければ、その素晴らしさを享受できないのですから。

「ほったらかし」でいくのか、「メンテナンス」を心がけるのか。どんな風に資産を持つのか、保有するのか。その構えを固めることです。

素晴らしい資産を長期でしっかりと保有し続けられるか。

しっかりと「メンテナンス」していると、資産が時間とともに素晴らしくなっていくこともあるんじゃないか、と僕自身は妄想しています。

おまけ:僕の毎月の「メンテナンス」

このファンドの「メンテナンス」は素晴らしい!と感じているファンド、僕自身も毎月「メンテナンス」しています。

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