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コムジェスト・アセットマネジメント 2020年4-6月期 運用状況アップデートレポート

コムジェスト・アセットマネジメントさんが、2020年4-6月期 運用状況アップデートレポートをリリースされました!

コムジェストさんには、下記のファンドのご縁で長くお世話になっています。

コムジェストさんの↑のレポートのページに掲載されているものは、どれも中身の濃いものばかり。

今回、リリースされた 2020年4-6月期 運用状況アップデートレポート も非常に中身の濃いものでした。

コムジェストさんの投資哲学です。

➢クオリティグロース企業を厳選し、長期投資を行うことで、お預かりしている資産の長期的な成長を目的と して運用を行います。

➢ クオリティグロース企業とは、長期的に高い利益成長が実現できると期待される企業です。競合他社を寄せ付けない参入障壁、技術力、特許、ユニークなビジネス基盤などを持ち、それらの強さを維持向上できるような企業文化や経営陣を有する企業です。

➢ 長期的な視点で投資を行う理由は、株価成長率は長期的には企業のEPS(1株当たり純利益)成 長率に収斂する、と考えているためです。

この投資哲学、方針を基に、どのような行動(調査、分析、投資判断、対話ほか)が為されたか、そのエッセンスがレポートで紹介されていました。

レポートを拝見して感じたことを5つ書いてみます。

1. 中身がしっかり詰まっていれば、四半期のレポートでも良い。ちょっとくらい時間が経っていたって構わない。

コムジェストさんのレポートの対象となったファンドは私募、機関投資家向け(個人投資家が直接、買い付けるものではない)ということもあるので、個人投資家向けとは前提が違っています。個人投資家向けの投資信託であれば通常、月次レポートが発信されています。その月次レポートの多くは、中身に乏しいものがほとんど、というのが実状です。月次単位では中身が乏しいのであれば、四半期単位でちゃんとした、中身の詰まったレポートを発信するなんてことを考える投信会社が出てきたりしないかなあ、ということを感じました。

コムジェストさんの今回のレポート、6月末時点のものが8月の終わりに発信されたわけですが、中身が詰まっていればそれくらいのタイムラグはあってもOKだと思います。

大事なことは中身だと思います。

2. 投資先の固有名詞を明示

ファンドの投資方針に依存する面もありますが、投資先を「厳選」し、「長期」で保有するのであれば、その投資先の固有名詞は明示するのが、あるべき姿だとあらためて思いました。投資家と投資先とは協働するべき場面もあれば、バチバチの真剣勝負の場面も当然あるはずです。

ヨーロッパ株式チーム・ESGチームは、大企業へと急成長を遂げた同社に対して、ガバナンスや情報開示、監査役の役割の拡大についてを2016年からエンゲージメ ントを通じて改善を促してきました。会社からは好意的な反応がありましたが、2018年のシンガポールの事件から改善の遅れが明らかになりました。エンゲージメントを継続したものの、期待するほどの改善が見られないことから2019 年4-6月期に全売却しました。

こうした行動、投資先とのたいたの内容をしっかりと固有名詞を挙げて報告、説明すること、それは投資家の「責任」だと感じます。毅然とした姿勢の裏側に、ファンドの皆さんが投資に至るまで、また投資実行後、徹底した調査、分析、評価を行っていることが窺えると感じます。

投資家と投資先との対話が、新たなポジティブな価値をつくりだす、生み出すためには、「なあなあ」ではダメだと思います。その意味で、投資先の名前をしっかりと明示することは、めちゃくちゃ大事なことだと私は考えています。

3. ”過去3年のパフォーマンス寄与上位下位銘柄の紹介” がユニーク!

個人投資家向けの投資信託の月次レポート。そのほとんどは「月」単位でこの種の情報を伝えています。しかし、「月」単位で何が分かるのか、それはファンドの行動というよりは、市場の評価の変化であることがほとんどです。しかし、過去3年という時間軸になれば、投資先の価値創出、業績の影響が増えるはずです。また、場合によってはファンドとの対話の成果が影響することもあるかもしれません。

この切り口はしっかりと保有するからこそ為せる技で、投資先を取っ替え引っ替えしているファンドにはまるで無理でしょうね。

4. チームメンバーのキャリアが明らかにされている!

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レポートの11ページ。コムジェストさんのメンバーの皆さんが紹介されています。業界でのキャリア、そして、コムジェストさんでのキャリアが明示されています。随分昔のことになりますが、米国のベンチャーキャピタルファンド運営会社を訪ねた際、ほぼ例外なく全ての会社は、この種の情報を、プレゼンの冒頭に持ってきていました。投資先を責任を持って「厳選」することを託される存在である以上、ごく当然のことだと思います。

これが日本のアクティブファンドでも「当たり前」になってもらいたい、と思います。

5. 素晴らしい行動なのでぜひ継続していただきたい!

今回のコムジェストさんのレポート発信。非常に素晴らしい行動だと思います。ですので、是非とも継続していただきたい。レポートを読んで、ファンドに対する理解が深められ、また同時に、コムジェストさんへの信頼も強まりました。

次回があることを信じて楽しみにしたいと思います。

コムジェストの渡邉敬さんの記事です。

コムジェストさんにお邪魔した際の記事です。良かったらご覧ください。


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