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大学院を選んだ理由とNorr誕生まで

せっかく日本から遥々ノルウェーに身を置いているので、現地の状況を発信していきたいと思ってこれまで書いてきたのですが、ブログみたいになって来てる感じがします。手探りですが、できるところまで頑張って見ようと思います。気が向きましたらどうぞお付き合いください。

僕が散々発信しているNorrというメディアなのですが、何で作ることになったのかについて振り返りたいと思います。昨日の投稿では一緒に立ち上げたハヤトと意気投合したからという伝え方でしたが、話のもっと根っこの部分について。


まず間違えなく話の根本的な始まりは3年前のスウェーデンへの留学です。ただ僕がいた学部柄、留学がカリキュラムに含まれていたからであって(これが魅力的でこの学部を志望していました)、当初は北欧に対する特別な想いはなかったです。スウェーデンを選んだ明確な理由はなくて、サイコロを振ったらたまたまスウェーデンのマスに止まったみたいな感じでした。

Norrを作るきっかけになった根っこがこの留学にあるのは間違いないのですが、実際北欧についてちゃんと知ろうと思い始めたのは、留学後です。留学が始まった当初、もうそれは人生初めての一人暮らしで、浮き足立ってる自分がいました。しかも、それが海外だったので尚更。だからこそスウェーデンという非日常を、海外で生活をしているという非日常と取り違えて錯覚していたんだと思います。つまり、スウェーデンの理想的な生活に感動していたのではなく、自分が海外で生活しているということに感動していたということです。それで、いつの間にかその非日常は日常へと変わりました。もちろん、平日の昼間にベビーカーを押しているパパ達をみると、「本当にこんなところまで社会保障が行き届いてるんだな」とか、スウェーデン語(なぜかB2レベルまで授業取ってました)の授業に中東の人がいて、「移民に寛容な国だな」と思ったりはしてました。でもそれを広げたいなあとは強くは思ってませんでした。今でさえ北欧に戻って色々知りたいと思えますが、帰国前は「10年後に遊びに来れればいいか」なんて友達と言っていたのを思い出します。

それで日本に帰国してみると、その生活のギャップに大きなショックを受けました。サマーインターンに行き始める友達が続々と出て来て、北欧での生活は夢だったのか?とわからなくなっていました。周りがせかせかと職探しに勤しむ中、僕は呑気に松浦弥太郎さんの書籍を読み漁ってました(当時はあのismにのめり込んでましたね、何となく北欧と似ているというか、、)

そこから北欧系の書籍を読んでみたり、大学で北欧史を学んでみたり、北欧系のイベントに足を運んでみたりして、「これだ!!この空間を持ってきたい!!」って思うようになりました。でもこれって文化を浸透させるということなのでなかなか難しい。形がないですからね。形のあるものは雑貨や家具という形で日本に来ているけど、それを当時のひねくれた僕はあくまでも飾りのように使っているように見えてしまって、「いやいや、北欧の良さはそこにあるんじゃない。その背景にある考え方なんじゃないかな」とずっとモヤモヤしていました(未だにモヤモヤは解けませんが)。それでも時間は待ってくれず、僕も就職活動をする時期に。北欧のことをやりたいのに、その想いを形にできる場所がなかなかなくて、その想いをグッと心の片隅に押し込んで就活をしていました。もともと自分を表現するのがあまり得意ではなくて、隠してしまうタチなので、周りと同じように大手企業、花形の業界にアプライしていました。結果、売り手市場だったこともあり、数社から内定をいただくことができました。でも、この会社に入ってもすぐ飽きちゃうなと直感的にわかっていたので、「第一志望です!!」と笑顔で言うのがすごく辛かったですね。それにこういう仕事って自分じゃなくても成立するなと思って、自分が胸を張ってできること、自分にしかできないことで社会に貢献していきたいなと思ったんです。

そんな中、たまたま見つけたサイトでノルウェーの大学院の学費が無料であることを知って、「えっ、これは行くしかない」と思いました。同時に、心の片隅で凍りついていた「北欧」というワードが再び解き放たれたかのようにキラキラと輝きを増し、あの時の想いが全て思い返されました。もう一回北欧に戻って、あの時感じたことが本当だったのか自分の眼で確かめたいと思いました。それからコソコソと大学院に行く準備を始めました。

今も少し考えていることですが、当時は大学院在学中に北欧のカフェ(空間)をそのまま持って来ちゃおうとか考えてました。その手前、「今」自分ができることは何か考えた時、発信ならできるぞと思いじゃあウェブかなあと何となく思ったわけです。そこで北欧系のメディアで探してみると、そもそもメディア数が少ない上に、正直自分とベクトルが合いそうなメディアがなかったんです。他の北欧のメディアを批判しているわけではなくて、何かを始める時、何かを前に進める時一に番大切だと思ったのが、仲間との理念の擦り合わせであったり、世界観が一致していることだと思ったんです。そんなことを考えてる時にハヤトと会うことになり、見事に同じようなことを考えていました。今でも鮮明に覚えていますが、代々木八幡のカフェでのことです。そこで「ああ、欲しいものがないんなら自分たちで作ればいいんだ」とパッと思いつきました。考えてみれば当然であり単純で「ないものは作ればいい」という風に思えてきたんです。やっぱり言語化するって大切だなと思いました。あの時、ハヤトと話していなかったら絶対にNorrは生まれていないので。そんなわけでNorrが生まれました。発信の媒体はいくつか候補があって、その中でもウェブが一番初期投資が少なくて済むという理由でウェブメディアになったというわけです。


なんだかんだNorrを作ってから5ヶ月が経ちましたが、振り返ってみると短いようで長い道のりだったなと思います。これから先、日本一の北欧情報メディアを目指していく上で、前に突き進んで行かないとなと身が引き締まる思いです。すみませんー長くなりました。


本日の一枚は何でもないノルウェーの日常。ノルウェーに到着した次の日(たしか金曜日)に街を散策しに行った時の一枚です。本当に何でもない日常の瞬間ですね。こういう画はありふれているので、時々初心に戻ろうと思いました。

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