見出し画像

DAVIGO: VR vs. PCを遊んだ感想

quest版を買うとsteamのカスタマーレビューを書けないのでここに書く。

VRとPC(キーボード&マウス)で対戦できる、ゲームの中も外も非対称な対戦ゲーム。VR側はちょこまかと動く敵プレイヤーを直接叩いたり、PC側は生々しい動きをする敵を翻弄できたりと、このジャンルでやりたいことをきちんと抑えている。

・PC版は無料なので良い

この手のゲームは「非対称VR」というジャンル名でそこそこ数が出ているが、それらの多くは専用のスマホアプリを使用したりとかローカル対戦をリモートプレイでなんとかしたりとか結構手間がかかる。なのでVRユーザーが知り合いを誘ってもまずセットアップに四苦八苦、解散ムードを回避しつつプレイ開始にこぎつけても、非VR側が遊べるのはその労力に見合わないオマケ程度のゲームだったりした。

しかし本作は全人類がインストール済みのSteamからPC版クライアントを無料でDLできる。It Takes Twoのフレンドパスみたいな要領だ。雑談のさなかに唐突にSteamのストアページを送り付け数分後にはプレイ開始できるようなハードルの低さがある。

まあ実際にはVR側がソフト代を負担しているようなものだし、そもそもVR機器を用意する手間やプレイ中の疲労などホストは色々大変なのだが、それはボードゲームやサバゲーの世界でも行われてきた、仲間内でそのジャンルに一番強い奴が義務を負うというオタクのノブレス・オブリージュなのだと思う。

・オンラインロビーのシンプルさが良い

VR側はゲームを開始すれば自動的に部屋が立てられる。そしてPC側は部屋ごとに割り振られる4桁のコードを入力するだけで参加できる。フレンド申請だのパスワードだの野暮なものは不要だ。

この仕様は前述のVRユーザーの呼びかけにPC版が応えるフローに合致していることに加え、さらに二つの利点がある。

一つ目はVRの機種による依存の低さだ。例えば自分はMeta Quest版を購入したがMetaアカウントの公開は不要だし、steamやdiscordのアカウントとの紐づけ等もいらず、ただ目前にある4桁の数字を伝えるだけでいい。
考えてみれば世のVRシェアはQuest一強であり、steamは無料のPC版をDLさせるだけに使われている気がするのでvalveに申し訳ない気もするが、まあ色々大丈夫なんだろうと思いたい。

二つ目は配信との親和性で、DAVIGOの実況配信の視聴者はその映像に映るコードを入力するだけでゲームに参加できる。ゲーム内容もその人実物大を感じ取ることができるのでけっこう配信向きかと。無料ゆえの捨て垢迷惑プレイヤーへの気配りとか、デカめのストリーマーがやったらマッチングサーバーが死ぬんじゃないかとか色々あるけどまあ利点の方が大きいのでは。

・ゲームバランスにはまだ難あり

PVを見ればなんとなくわかると思うががPC側の方がたぶん有利。慣れてくるとVR側の攻撃をほぼ封殺できてしまう。
VR側の動きはリアルフィジカル依存であり、またゲーム内で移動できない(ワープはできる)のでリアルで動き回れる広い部屋が有利なため、現環境では金持ちの家のガキがTier1。子供部屋おじさん最弱。



自分は過去に本作のβ版を遊んだことがあるが、その際の対戦方法はParsec等のリモートPCアプリを使用する・・・すなわち対戦相手にPCの操作権限を明け渡すというやんちゃな方法だった。
実のところゲーム内容はそこからあまり変わってないのだが、対戦環境周りは非対称VRゲームかくあるべしといった合理性に進化している。かなり考え抜いた上でものすごい無理を通していると思うので、きちんとヒットしてこのジャンルの模範となって欲しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?