卒業制作で土偶を作った話 作品小ネタ編①
初めに
卒業制作を提出してから早1ヶ月が過ぎようとしています。時の流れとは本当に怖いですね。
そんな卒業制作で私はタイトルの通り「土偶」を作りました。
ですが、既存の土偶をそのまま模倣した土偶ではなく「教科書に載っているような美術作品」を土偶に翻訳するというテーマで制作したものになります。
詳しい思考の過程が気になる方はこちらのマガジンに日記としてまとめてありますので、ぜひご覧ください。
今回は各作品の解説?というかこだわりポイントを私が話たくて話たくて仕方がないので、話したいと思います。
お時間のある方、お付き合い頂けましたら幸いです。
重要:言いたいことがある土偶だけ言います
1.土偶の叫び
一番初めにできた土偶なので思い入れがあります。形状は縄文中期の出尻型を参考にしました。
横から見るとお尻部分が出ているのがわかりやすいかと。
ただ、人型が溶け出してしまうかのようなムンクの叫びらしく、胸をくっつけたり、腰の位置をずらしたりと人の形状とは少し離したフォルムにしました。
2.縄文のニケ
ニケさんはバンザイ土偶とか参考にしています。翻る衣類の表現は水煙文様で。だいぶ腕曲がってますが
とにかく羽を作るのが大変だったな・・・という印象です。
ちなみに正面から見るとこう。一番土偶らしいフォルムをしているのでは?と個人的に思っています。
3.トリアディックドグウ
まずは一つめ。基礎デザイン学科に所属する学生なら一度は見たことがあるであろう、トリアディックバレエ(バウハウスダンス)の土偶です。
トリアディックバレエとはなんぞ?というかた向けのリンク
マイスターであるオスカーシュレンマーの担当授業は「人間」
トリアディックバレエは人体と空間の関係性を模索した作品。
規模がデカすぎる。
私の作品は実は概念として大きいかどうかで土偶の大きさを決めています。
宇宙という概念から、生物、人間、感情、個人名・・・という順に少しずつ小さくなるようにしているため、オスカーシュレンマーの土偶たちが今回作った中ではもっとも大きい土偶になっています。
宇宙を翻訳するのであれば、もっと大きな土偶になったかもしれません。
土偶は縄文が始まってからしばらくは顔面(頭部)の表現がなく、私の解釈では「人間という概念の抽出であって、『人間』であってはいけない、もっと観念に近い存在だったのかな」と考えているのと(学術的に問題あったらすみません)
九州地方でも顔面表現のない土偶が出土していることから、地域の信仰?的にもあえて顔は表現しないなんてことがあるのだ!と驚いたことが個人的に印象的で、
この土偶も人間という概念を表した土偶なら、顔面表現はいらないよな〜と思いあえてお顔は真っ白です。
なんでこの造形かというと・・・・
トリアディックバレエ「黄色」の幕に出てくる頭が丸くてぴょんぴょんしている子と、この中空土が似てるからです。
割と適当に決めているものもあります。
4.四季より 土偶
全面見てください!!!!!涙涙涙
ちなみにこの土偶さんには、アルチンボルドの絵画だけでなく土偶のモデルがいます。
私の大好きな釈迦堂遺跡博物館のしゃかちゃんさんです。かわい〜!!
お顔部分には同じく山梨県の遺跡から出土した土器から引用しているものもあります。
参考にさせていただいた資料の中から特にお気に入りの文様部分を紹介させてください。
好きだ〜〜〜〜!!!!!!!!!(コール)
ある一定の規則性を持ちながらも、場所によって若干装飾が異なる人間味が好きです。展示されている土器の周りをくるくるしながらそういった箇所を見つける時間が、本当に幸。
あと半分くらいあるのですが、それはまたいつかお話できたらいいなと思っております。
こうやって全体を見返すと縄文中期や中部高地の土器・土偶が元になっているのがほとんどですね・・・
山梨県・長野県には定期的に遊びに行っていたのですが、東北や近畿地方にはあまり行っていなかったのが結構響いているな、と思います。
これからゆっくり時間をかけて実際に自分の足で調査していきたいですね。
ではまた・・・
卒業制作・普段の制作物はインスタグラムに載せております。
追記
続きが出来ました
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