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言霊と思念。

思ったこと、思った通りになってしまう。
そんなことを考えてしまうことがある。
もちろん、そんなことは無いのだけれど。

日本には『言霊』という言葉がある。
言葉には魂が宿るという意味の言葉である。
忌み言葉などもこの流れを汲んで生まれた言葉で、良い事を口に出せば吉事となり、悪い事を口に出せば凶事となる。
とてもシンプルで、でも趣深い考えだと思う。
私はこの『言霊』という言葉にどれくらいの魂が宿るかは分からないけれど、少なくともこの考えはとても好きだ。

そして、特に私は大事にしている言葉がある。
それは『いってらっしゃい。気を付けて』という一言である。
どこで見かけたのかは分からないけれど『気を付けて』と言うだけで、多少なりとも言霊によって守られる、らしい。
もちろんそこに気持ちが無ければ何の意味も成さない。
極力生活を今まで共にしてきた人には、自分の意識がある限りは言うように心掛けてきている。
そして、自分が言われる時も、しっかりと受け取ることにしている。
私が言う『いってらっしゃい。気を付けて』はどうか何事もなく無事に私のところに帰ってきて欲しい、そんな気持ちを込めている。
フルーツバスケットで主人公である透が、その日だけ『いってらっしゃい』を言えなかったことを後悔しているのと同じように、きっと自分もその人に何かあれば言えなかったことを後悔するだろう。
そういう意味では、自分の心の安全にも繋がっているのかもしれない。

そうやって考えて行くと、最初の「思った通りになるような気がする」という考えもあながち間違いではないように思う。
自分が「こうでありたい、こうしたい」と思うならそのように口に出せば良いのだろう。
有言実行という言葉がこの考えには近いというか、そういうところから来ていたりして…。恐らくは明確なビジョンを周りに示すことで、周りの目や共感、協力を得て目標を成し遂げる、ということだと思うけど。
でも、きっと、1人で居る時だって、やりたいことを口に出すのは悪いことじゃないと思うから1人でだって、きっと頑張れる。

そうなると気になるのは凶事の方で。
最近はギスギスしているというか、荒れやすいご時世だからか言葉の端々にトゲがあったりだとか、明らかな罵詈雑言を目にすることも増えた。
そして、実際に『悪い事』を行動に起こしてしまう人も。
悪いことを口にすることは決して悪い事では無いと、私は思ってる。
ただ、言い方、伝え方、そして自分の気持ちの落ち着け方が伴っていれば、の話ではあって。
人間誰しもが、良い感情も悪い感情も抱く物で良い感情だけを口に出して生きていくのは結構難しい。できれば口にしたくない、でも口にしてしまうことだってある。それが自分の心を落ち着けることに繋がるのであれば、それも良いと思うけど、ただ周りの人を不快にするような言葉を使うのは良くないと思う。
言霊の話で言えば、悪い事が起こる。悪い言葉は悪い事を引き寄せる。だから忌み言葉という考え方があるのだろう。

このご時世、良い事だけを口にするのは難しい。でも、そんな中でも人への『言霊』の力を忘れないように私は生きていきたい。

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