見出し画像

短編 『望郷の夜』

超 短編です
あとソフトなSFです


「ほら、見上げてごらん。今、光っている星はね、実はもう死んでしまった星たちなんだよ。」

「星も死んじゃうの?人間みたいに?」

「そうだよ。」

  子供の質問に教師は答え、微笑んだ。

「けど、光がここまで届くには時間がかかるから、あれはずうっと昔に死んでしまった星の光なんだよ。それこそ、何百光年も前にね。」

「へえ.......。」

  子供たちは嘆息し、宝石を散りばめたような星空をもう一度見上げた。
彼らが見つめているのは数多の星の残像。その中でも目を凝らさなければ見えないほどの小さな小さな青い光。

  今日は年に一度の、故郷の星に想いを馳せる「望郷の夜」の日。
  あの小さな光は古来、「地球」と呼ばれていたかつての水と緑の惑星なのであった。

〈完〉

どうでしょう。お楽しみ頂けたでしょうか?
これはたしか、今年の8月頃に書いた短編で、宵の明星を眺めながら煙草を吸っていたときに着想を得るという何とも小説家っぽいシチュエーションで書けてウキウキだった思い出とともにある作品です笑。
星は永遠のモチーフですね🌠
また書きたいなぁ。


お粗末様でした!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?