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Free Smileに込めた想い    わたしのこと

 私はバドミントン歴はなく、スポーツ経験といえば中高、6年間のバスケットボールだった。
 私たちの時代は上下関係は当たり前、もちろん指導者の暴言や暴力も当たり前だった。さすがに叩かれた記憶はないが、スリッパ、灰皿は暴言と共に普通に飛んできた時代だった。
 センスで考えると結構、期待はされていたんだろうと思う。しかし、そういった環境に違和感を覚えていた私の体調は日に日に悪くなっていった。
 練習が激しさを増すと同時に走っていると目の前が真っ白になり、呼吸が荒くなり、耳は何かに塞がれたように周りの音が聞きづらくなった。
 その度に、私は胃が痛いなどといい、その場から離脱した。
 先輩方が引退して、私はレギュラーナンバーをもらったがその症状は改善されず、一度もレギュラーで出たことはなかった。
 
 その頃の私はそういう症状が出ることは私の「サボり癖」のせいだ、と思っていた。

また、下級生に対しては今まで先輩にされたことで嫌だと思ったことは絶対にしたくないと思っていた。
 ディスカッションと称した理不尽な説教、先輩の買い物。中には「たてかえといて」といい、そのままお金を払ってくれない先輩もいた。先輩の話を聞く時は常に爪先立ち等々。
 私が嫌だと思ったことをなぜ後輩たちにさせなければいけないのか。
 「私たちもしてきたことだから」という理由でそれは肯定されていた。
 
そして、私は1人孤立していった。

私のスポーツ経験は、楽しいものではなかった。辛くて苦しいものだった。
 
そんな体験で、嫌だったはずのものでもその環境に身を置けばなんとなくそれに染まっている自分がいた。
指導者が一番、そして先輩の言うことは聞かなければいけない。雑用は一年生の仕事。
それがスポーツの世界だと。
環境が人を育てていく。しかし、環境が人を変えてしまうこともある。
 
 息子の高校選びは、バドミントン中心だった。息子にはインターハイ出場という目標があった。そのために選択した某高校。今でもそんな子はいるのだと思う。息子の選んだ高校は公立高校だがバドミントンでは名の知れた高校だ。小学校、中学校で活躍した先輩がたくさんいた。そしてもちろん、インターハイを目指していた。
 体育会系で当然のように上下関係があった。練習中はもちろんのこと、部活外でも後輩は先輩の言うことを聞かなければいけない。
 どんなことをやられたとしても、反抗せずに先輩の言うことは1番なのだ。
 ある時、プロレスの技をかけられた息子は頸動脈を絞められて、意識朦朧で泡を吹いたらしい。しかしその場には顧問はおらず、いたのは外部コーチのみ。意識朦朧の中で聞こえてきたのが
「なにやってんだ!◯◯は明日試合に出るんだぞ!」
だったらしい。

 さすがに私は学校へ行こうと思った。しかし、息子の目標も先輩の目標もインターハイに出場することで今、コトを荒げたらインターハイどころか県予選を出ることも危ぶまれるのではないか…と考えた私は、男の子の悪ふざけが過ぎたのだろうと言い聞かせて言うのをやめた。
おそらくこれも、高校の時に自分に染み込んだ上下関係のある環境からの考え方で自動思考になっていたのだろうと今になって恐ろしくなる。
息子の命が1番大事なのに…。

 息子を通して、人的環境がメンタルにどれだけの影響を与えるのかということを思い知らされた。そして、その人的環境に翻弄されて生きてきたのは紛れもない私自身である。
 
 環境整備。特に人的環境はメンタルに与える影響は大きいのだ。
 
 しかし、残念なことにスポーツの世界では体罰的だったり暴言的だったりはなくならない。

 精神的に安全が保たれ、純粋にバドミントンを楽しめる場所を作りたい。
 その想いは息子と私の共通なものだった。
純粋にバドミントンが楽しめた時、もっとバドミントンの奥深くを知りたいと思えるようになってくれる子がいるかもしれない。そう言った子のサポートもできたらいいな、という想いもある。
 そのために、コーチングアシスタントを取得した。息子は指導ができるようにとコーチ1を取った。
 子どもたちのメンタルをサポートしたい。子どもたちの未来の邪魔はしたくない。

 そして、大人も純粋にスポーツを楽しめる場所を提供したいと思った。


(基本理念)
第二条 スポーツは、これを通じて幸福で豊かな生活を営むことが人々の権利であることに鑑み、国民が生涯にわたりあらゆる機会とあらゆる場所において、自主的かつ自律的にその適性及び健康状態に応じて行うことができるようにすることを旨として、推進されなければならない。 (スポーツ基本法から)

🏸バドミントンで笑顔に🏸

  「Free Smile」

   集った人で笑い合える場所作りを
   そして、それぞれが自分自身で
   いられる居場所であるように

 そんな想いを込めて。

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