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オタクではないけどパソコンは自作がおすすめ

前回の投稿「パソコン好きだけどオタクではない」の後編です。

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ASUSのK53SD-SXBLACKをそれから使い倒していく僕でしたが、スペック面では特段不満はありませんでした。
イラレもフォトショもそこそこちゃんと動くし、Premiere Elementsくらいの動画編集ソフトも書きだしこそ遅いもののきちんと編集出来てました。
不満点は重い、ダサい、くらい。

2013年から、居住している八王子にて「レンゲライブ」という主催イベントを始めます。
50名くらいの客席で、ステージのある飲食店さんをお借りして、ゲストを一組招いてのイベント。
僕らのネタは3~4本くらいでしたが、吉本の劇場でやるライブではないので、スタッフのお願いは友達に頼んでいるし、釣銭の用意も自分たちでしていました。
困ったのはネタとネタの間でした。
漫才もやるしバルーンアートもやるし、たまにコントもやるし。
着替えや準備で空く時間をブリッジVTRで繋がなきゃいけませんでした。
お笑いライブのあるあるではあるんですが、作家さんも入れていないので、このVTRも自分たちで撮影・編集をしていました。
一ライブでオープニングVTR、映像コント1(ブリッジV)、映像コント2(ブリッジV)と3本の動画編集をしなければいけません。
この時に活躍したのがASUS。
ちなみに僕が購入したときはみんな「エーサス」って呼んでました。
使ってる途中でASUSがオフィシャルリリースで「呼び方エイスースだから」って発表したのを覚えているので。
たくさんのVTRをASUS×Adobe Premiere Elementsで作っていきました。
思い出深い時間。

そんな中レンゲライブは2015年の冬に第10回目を迎えます。
10回目だから大きなところでやろうということで200人くらいの中ホールを押さえてのイベント。
初めてのチケットぴあ、チケットよしもとでの発券。
もちろん当日券の釣銭は自分たちで用意しました。
そんな準備と集客に追われている中、ASUSが突然息を引き取ります。
ライブの10日程前のことでした。
原因は不明でしたが電源がつかない。
いろいろ調べているとマザーボードの電源付近にありそうな雰囲気。
すぐに修理してくれるところもなく、何より動画データがすべて吹っ飛び、ライブは迫っている。
5分くらいの検討を脳内で巡らせた結果、僕は中古パソコンショップのホームページを開き、一つのノートパソコンをポチってました。

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acerのAspire V3 V3-571-H58D/Kです。
使っていたASUSと同程度のスペックで、とにかく中古でいいから動くパソコンをと思い、25000円ほどで購入しました。
そもそもコスパ抜群のASUSを2万も3万もかけて修理するのは馬鹿らしいし、翌日には自宅に届くので即決でした。
もしかしたらライブ準備の疲れを散財で癒したかったのかもしれないけど。

このacerは安いだけあって、最初から提示されている不具合がありました。
テンキーの「1」だけ反応しないという何とも言えない不具合。
そんなイライラはしないけど、せめて「9」とかだったらよかった。
「1」はよく使うことを自覚させられるプロ仕様パソコン。

結局このacerも2年と少しくらいメインで使います。
ASUSと同スペックであったので(「1」は反応しないけど)そこまで不満もなく。
ただ例えばDTPで言えば、写真の高解像度化が進み、やっぱりAdobe関係の操作がもっさりになってきたり、マシンの劣化というより時代に取り残されてる感を感じるようになっていきます。
そして物理的にも損傷が見られるようになります。
ASUSと同じく電源ジャックのあたりです。
そもそもこれらのノートPCって、電源ジャックがL字形の19Vアダプタなんですけど、この形状が否が応でもジャックへの負担になっている気がしてならない。

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ストレートジャックとかならもっと負担が少ないのかも。
まぁMacbookのMagsafeですら壊してた僕なので関係ないのかもですが。
(Magsafeはマグネット式だから本体への負担が極端に少ない)

acerは突然の旅立ちではなく、徐々に弱っていく姿を見守りながらの運用になっていきました。
電源ジャックのところのねじがいつの間にか無くなっており、ノートの筐体自体がカパカパ開くようになってきました。
ASUSが事故死なら、acerは介護のような状況。
そして2018年夏、電源の接触不良で急なシャットダウンとブルースクリーンを交互に繰り返す、人間ならAEDを当ててあげたいくらいの状況に陥り、僕はそっとノートパソコンを画面を閉じるのでした。
亡くなった方のご尊顔に白い布をそっとかぶせてあげるように

しかしパソコンは死んでも制作仕事は抱えております。
前回と違いデータのバックアップには余念がなかった僕。
データ消失という最悪の状況は回避し、とにかく新パソコンの調達に乗り出したのでした。
またASUSみたいな安価なパソコンでも買うかなんて、久しぶりにネットを覗いていると、それまでリサーチをさぼっていたツケが回ってきました。

「パソコン高ぇ・・・」
僕のイメージではA4ノートが5~6万円でそこそこのスペックで買えるイメージだったのですが、そんな時代はとうの昔に終わっていました。
パソコンパーツの値上がりなどで、僕が必要としているスペックのパソコンはだいたい10万円弱程度。
パソコンが高くなったとは聞いていましたが、実際に買おうとするともっと高く感じるものです。
10万はきついな。どうするかな。

そんな折、とてもお世話になっている芸人の先輩が、話の流れで僕のそんな悩みを聞いてくれました。
そうするとその先輩は「とりあえず仕事があるんだから、買っとけ。ゆっくり返してくれりゃいいから」と15万円をその場で貸してくれました。
神はいました。

そうして購入したのがApple MacBook Pro 15インチ Retina 2.7GHz ME665J/A (Early 2013)。

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ついに真打、MacbookProです。5年落ちです。
AdobeCCもこのタイミングで契約したため(それまでは古いパッケージ版を細々使ってた)、先輩から借りた15万を少しオーバーしながらの購入でした。
もうね、すごいの。
スペックとかきれいさとかじゃないの。
所有感の満たされ具合がすごいの。

状態のいい中古で、もちろん5年落ちではありますが、腐ってもCore i7のメモリ16GB。
ちゃんとインテル入ってる。
Adobeアプリの同時起動は少しもっさりしますが、単独操作ではかなりのノーストレス。
acer介護からの解放感もあったかもしれない。

中古MacbookPro購入から2年。
先輩へは1年で返済を終え、様々な仕事もこなしていく中で迎えた2020年。
ご存じの通り、芸人としての仕事は失い、それまで携わってきたイベントチラシなどの制作仕事も激減しました。
バルーン装飾のデザイン案なんかも作ってたけど、そういう仕事も無くなっていきました。

そしてついに僕も大動画制作時代へ出航することになったのです。
2020年の夏ごろからYouTubeへの投稿を再開し、動画編集に張り付きになる日々。
そうなった時にこのMacbookProでは圧倒的にパワー不足だということを否が応でも実感させられるのです。
撮影用に一眼レフカメラを購入したのですが、4Kなんてとんでもない、FullHD素材のレビューでもスムーズにはいかない。
そもそもPremiere Proがかなり重たいソフトです。
Premiere Elementsとは何もかも違うじゃねぇか。

このMacbookProでもたいていのことは出来るんです。
ただ動画編集については時間がかかる、もっさりしている、すごいストレス。
高いスペックのパソコンは金額も高い。
でもそれらの時間やストレスは一気に解決できる。
結局時間を金で買うというのは動画編集のためにあるような言葉

というわけで決意をしたのです。
動画編集のためにパソコンを用意しようじゃないかと。
どうせ自宅作業だ。デスクトップだ。
ただもちろん予算に限界はある。
でも大丈夫だ、なぜなら俺は今バイトをしているっ!
というわけで、予算やスペックとのバランスを考えて、10年ぶりくらいにWindowsパソコンを自作で組むことにしたのでした。Macは高ぇ
ここまでがプロローグ、そして一気にエピローグ

僕が自作したPC構成

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CPU : Core i7-10700K
近年はAMDのRyzenが超コスパよく、僕も最初はRyzen7 3700あたりで構成を検討していましたが、まず前提としてAdobe Premiere Proを快適に使うことがあります。
多くの問題は既に解決済みではありましたが、それでも僕はPremiereにはintelという相性の良さを信じている部分があります。(実際に相性がいい)
そしてグラフィックボードのことも考えると、NVIDIA GeForceのPremiereとの相性の良さ。
intelCPU×GeForce×Premiereのトライアングルこそ、まさに黄金
何年の時を経てもやっぱり僕の中にはインテル入ってる
というわけでCore i7-10700Kを選択しました。
Core i9-9900Kで考えていましたが、同程度のスペックで安価なのと、熱問題のこともあり(僕は空冷がいいのです)、i7に落ち着きました。
i9への憧れもあったんだけどね。

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CPUクーラー : Scythe 忍者 五
巷じゃ簡易水冷、本格水冷と、水冷が人気みたいなんですけど、やっぱり空冷がいい。古い人間なんだろうなぁ。水冷恐い。水漏れしないの?
Core i9を避けたのもあるんですけど、i7の10700Kなら純正クーラーでも冷やせるみたいですけどね。
オーバークロックするわけじゃないので、そこそこのクーラーであればいいだろうと。じゃあ忍者でしょ。だって忍者だよ、忍者。
ちなみにCPUグリスは熊グリスにしました。だって熊だよ、熊。

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マザーボード : GIGABYTE Z490 AORUS ELITE
マザボはそこまでこだわりなかったです。
メーカーもどこでもよかったし、基本的にケースも中が見えないものを選びたかったので。
BIOS画面の使いやすさっていうのも、そんなに気にしてなかったです。
とにかく第10世代intelCPUが乗っかればよかった。

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メモリ : CORSAIR DDR4 VENGEANCE LPX Series 16GB×4枚(計64GB)
メモリだけはとにかく馬鹿みたいに積みたかった。
過去、メモリ不足でほんと苦しんできたので。
だから実際に馬鹿みたいに積みました。
64GBも使う瞬間無い。
でもAdobeアプリ常時3つとブラウザ(イラレ、フォトショ、プレミア、クローム)立ち上げてると、32GBだとちょっとしんどかったかなっていう瞬間があるので、64GBで良かったかなと思います。メモリスロット全部埋めたかったし。

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グラフィックボード : 玄人志向 NVIDIA GeForce GTX 1660Super
とにかくNVIDIA GeForce。
ただゲームをやるわけじゃなかったので、2080とかはいらないし、2070でもオーバースペックのような気がして。
ただ実際にPremiereでハードウェアエンコードを使うことを考えると、もう少しいいもの積んでも良かったなって思います。
実際にハードウェアエンコードは早いし、それがさらに短縮されるなら投資する価値はあるなと思ってます。
というわけでコスパでRTX3070に近々換装する予定です。
今グラボ値上がりしてるんだよね、つらい

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ストレージ : 
1、Western Digital WD Blue SN550 NVMe SSD 500GB
2、Western Digital WD Blue SN550 NVMe SSD 1TB
3、Western Digital WD40EZRZ-RT2 HDD 4TB [SATA600 5400]
1はシステム用、2は作業用、3は保存用って感じです。
WDは以前ポータブルHDDでちょっと痛い目にあってるので、避けようかなと思ったんですけど、やっぱりコスパいいので揃えました。
保存用のHDDもありますが、クラウド上にもバックアップとるようにしてます。
動画編集の場合はきりがないので、元動画をどこまで残すか悩みどころ。
M.2 SSDを2枚刺しはシステムに圧迫されないので良かったかなと。スロット全部埋めたかったし。
欲を言えばシステム用のSSDも1TBで良かったかな。
M.2 SSDは別に数値出してるわけじゃないですが、体感は爆速です、体感は

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電源 : Antec NE750 GOLD 750W
拡張性も考えると750Wは欲しかった。
あとは口コミとかですね。質感は大変いいです。
電源って不具合なければ基本不満なくない?
W数とか配線のしやすさとかなのかな。どっちも良かったですよ。

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PCケース : Fractal Design Define C
ケースはやっぱり毎日見るものだからきちんと選びました。
Fractal Designのケースは落ち着きがあって気になってて、Define Cはその中でもサイズ感も質感も上品だなと思ってチョイスしました。
LEDピカピカしてるのは苦手でおとなしめのやつがいいですね。
Define Cは内面に吸音材が貼り付けてあるので静穏性にも優れてるんですよね。
昔作った自作PCと比べても仕方ないけど、静かです。
唯一の残念なところは電源のLEDが青いんですよねぇ。
白が良かったなぁ。改造しようかな。いや面倒だな。

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モニタ : BenQ GW2780 27インチ ×2枚(仮)
安いモニターアームに2枚並行に取り付けて使用しています。
今は昔使ってた24インチのLGのFHDモニタを3枚目にサブモニタとして置いてるけど、近々撤去予定。やっぱサイズ違いやメーカーとか型番違いを一緒に使うのしんどい。
(仮)な理由は、やっぱりFullHDで27インチのモニタが目線から40cmくらいのところにあると、粗が目立つんですよね。文字ちょっとぼけてたり。
なので今回DellのS2721Q 27インチを2枚買いました。4Kモニタ2枚にします。
現状グラボも換装前なので、HDMI×2とDP×1、DVI-D×1の出力しかないんですが、グラボ換装したら4枚パネルも出来るなと思ってます。
FullHDと4Kの混在はさらにカオスだと思うんですけど、メインをDellにして、サブモニタ縦置きでBenQ使おうかなと検討中です。コクピットみたい。
男はいつもコクピットにあこがれるのさ。
エルゴトロンのモニターアームも導入したいところ。

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マウス : Logicool MX Master 3
まじでおすすめのこのマウス。
とにかく手になじむし使いやすい。
Logiのアプリを使って、Adobeアプリでの個別設定もできる。
動画編集の速度を倍速するんだよ、まじで。

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キーボード : Logicool KX1000s CRAFT
左上についているジョグダイヤルがまじで秀逸。
動画編集のために生まれてきたんじゃないかっていうキーボード。
こちらもLogiのアプリで制御可能。
MX Masterと一緒に使うとさらにオリジナルの設定も出来る。
動画編集倍速キーボード。
マウスと合わせて4倍速。

というわけでPC構成でした。
あとはOSはWin10homeだとか、光学ドライブはつけてないとか(外付で対処)、ヘッドホンはSONYのMDR-CD900STだとか、いろいろこだわりはあるんだけど、結局何が言いたいかっていうと、機材にこだわってばかりで動画更新が全く追いついていないってことです。
4倍速じゃねぇのかよと。
それは機材じゃなくて、僕のモチベーションとスケジューリングのマネージメントが良くないだけです(無理やり横文字多め)。

ただやっぱり自作PC楽しいね。
久々に組んだけど、考えている間、ずっと楽しかった。
組むのは面倒だし、少なくとも自己責任だから人の組むとかはやりたくないんだけど。
最近はM1チップ搭載のMacの評判もすこぶるよくて、果たしてこのマシンがいつまで現役でいられるかは分からないんだけど、せっかくこんな時期に組んだ思い入れのあるマシンなので、長く使っていきたいもんです。

というわけで自作パソコンのお話でした。
ちなみにこのマシンの名前は「ちゃんだいスペシャル2020」です。
嘘です。
ごきげんよう。

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