Week10: 気候変動から地球を守るビジネスは可能なのか?〜社会人17年目のイギリス留学🇬🇧
今日の写真は、ロンドン観光でのウエストミンスター寺院です。
大英帝国への富と権力の集中は荘厳な文化を創ったんだなと感じた1日でした。
今の世界でも、Global NorthとGlobal Southといった不均衡が存在し、Global Northに資源が集中していると言われます。
そんな不均衡を是正し、気候変動にも対応してサステナブルな世界を実現していくことってできるのか?
ビジネスは世界を救えるのか?
課題を通じて考えたことを書いてみたいと思います。
期末レポート:任意の企業へNet-zeroに向けた取り組みを提案せよ
中間レポートまでは、金融を中心に扱っていましたが、期末は金融機関から借りたお金などを使ってどうビジネスを変革していくのか、というお話が中心でした。
その学びのまとめとして、任意の企業に向けて、2035年までにNet-zero(実質的な二酸化炭素排出量をゼロにする)の取り組みを提案しなさい。
ついては、お金の面でもどんなインパクトがあるのかも分析せよ、という課題が出ています。
金融機関ではなく、実際にモクモク二酸化炭素を排出するビジネスとしていくつか業界の指定があり、私は海運業界トップのマースクというデンマークの会社を選ぶことにしました。
理由は、ネットゼロを実現するためには、国や地域の間で必要な物資やグリーンエネルギーの燃料をやり取りする必要があるはずで、モノの動きのダイナミクスを知ることで自分の世界が広がると思ったからです。
Net-zeroのためのエネルギー技術開発競争
海運業での二酸化炭素排出削減のためには、船舶の運航にかかる燃料を化石燃料から排出量の少ない燃料に置き換えることとが一番のミソになります。
今は化石燃料が主力ですが、この置き換え燃料の技術開発は、さながら戦国時代です。
可能性がある燃料は、概ね以下3種類で、マースクはカーボンニュートラル燃料であるメタノールを次世代燃料として投資を始めています。
一方、日本郵船はカーボンフリーのアンモニアを燃料とするの船舶の開発に投資しているようです。かと思えば、商船三井はメタノールも活用するようです。
①ブリッジ燃料(LNGなど、化石燃料の中でも排出量が少ないもの)
②カーボンニュートラル燃料(メタノール、バイオディーゼルなど。燃焼時にCO2は排出するものの、①に比べると少ない)
③カーボンフリー燃料(主に水素、アンモニア。燃焼時にCO2が排出されない)
005_202307.pdf (classnk.or.jp)より。
ただ、どちらもいいとこ悪いとこがあり、次世代船舶燃料といえばこれ!という状況にはなっていません。
例えば、②は比較的少ないものの炭素を含むため、完全には排出ゼロにはならないということ、中でもバイオディーゼルは供給面で原料が航空機用のSAFという燃料と競合するなど安定供給に課題があることが欠点としてあげられます。一方、船舶エンジンの技術としては既に確立している技術の応用なので、比較的早くに実現可能という点と、生成方法によっては空気中の二酸化炭素から作ることも理論上は可能なので、差し引き排出量ゼロになることもある、というメリットがあります。
一方のアンモニアは排出がゼロになるというメリットがありますが、毒性があることと、船舶への適用は技術開発の途上であること、供給量としても現在の用途は農業用途が中心で船舶用として十分にあるわけではありません。なので少し時間がかかります。
水素は、船舶に限らず注目の燃料で、日本のエネルギー政策の中でも次世代の注目エネルギーとされていますが、まだ船舶用エンジンの技術開発は途上なのと、供給も限定的であり、現時点では夢のエネルギー感が他の燃料に比べるとあります。
このゲームどうなるのでしょう。
どこか遠い世界の話?そんなことありません。
日本の海運も世界で活躍しています。
例えば、大手である日本郵船を調べると、燃料や鉄鉱石などの原料を輸入したり、海外への自動車の輸出など、日本の産業の基盤を担う事業を展開しています(小学校で習った加工貿易そのもの!)
化石燃料を用いた海運で運ばれた自動車などの製品は、選んでもらえなくなり、世界での競争力が落ちる時代は現実になりつつあります。
また、船舶の技術開発や燃料確保に遅れをとると、想定していた形での燃料供給ができず、これまでのように多くの港を使った輸出入ができなくなるかもしれません。
これは、シンプルに、国内の就職、雇用を生み出せるか、に繋がります。
一方で、サステナビリティというのは脱炭素だけではありません。人権、生物多様性といったテーマも重要であり、むやみに私たちの利益のために搾取することもあってはならないことです。
例えば、排出量が0になるからといって、アンモニアを独占することは、現在のアンモニアの主要用途である肥料供給に影響を与え、飢餓の増加に繋がりかねなかったり、飢餓を引き起こさずとも、価格高騰に繋がるリスクがあると言えると思います。
負の側面がないかを慎重に見極めて搾取にならないようにする仕組みを会社の中に埋め込むこと(ガバナンスと言います)がめちゃくちゃ大切で、テクノロジーの開発とその社会実装のための取り組みを行うことを企業には期待したいところ。
この脱炭素の動きは、まさに私たちの生活を脅かすテーマで、その方法をめぐって戦国時代、あるいはオリンピックやワールドカップのような熾烈な、そして熱き戦いが繰り広げられています。
どうやってどこのチームが勝つか、どんなサポーターが何をサポートをしていくのか、私は何ができるのか、引き続き、考えていきたいなぁと思います。
私がまだ高校生なら、グリーンエネルギーの開発のために、理系を目指したに違いない。。なんて思ったり、、😅
はたまたちょっと前は金融向けのコンサルやりたいとか思ったし、毎回の授業で、この年齢になっても自分の夢のかけらに出会えるのは本当に楽しいです。
おまけ: iPhoneを盗まれたけど取り返した話。
ロンドン観光のホテルに向かうバスに乗るときに、iPhoneをすられました。
人混みで危ないなーと思っていたので気をつけていたのですが、ほんの一瞬、バスのfeeを払うためにポッケに入れた瞬間に取られましたね。。
乗ってすぐ気づき、すぐホテルだったので、手元に残っていたiPadからホテルのWi-Fiにつなぎしだい、遠隔ロックをかけてiPhoneを探す、で場所を突き止めました(ここまで15-20分くらい)
駅すぐの怪しげなケータイショップにあることがわかったので、ダッシュして戻ったところ、いままさに販売用にリフレッシュしようとしていたところで取り押さえ(?)、ものすごい剣幕で、それ私のだから返せ!っと怒鳴りつけて取り返しました(ここまでで30分)
でも、カンカン😡になっていたせいでsimを抜き取られていたことに気づかず、、
お気に入りのケースがなくなってたのがショックで、ケース返せって怒鳴ったのに、sim確認はしないって、アホですよね(ケースも結局、なくした)。。。
きっと店員もあいつアホだなと思ってたと思う。。
ホテルに戻ってから、simのブロックなど面倒くさい手続きをやる羽目に。。
友達にこの話をしたら、ロンドンで何人もケータイをすられているのに取り戻せたのは本当にラッキーだ、なんてbrave(勇敢)なんだ、どうやって見つけたのか教えて!、と人気者になりました。
ということで、
①iPhoneを探す機能は必ずオン
②気づいたらすぐ紛失としてiPhoneをマーク
(ロックがかかって中の情報を保護できます)
③位置情報を確認して追跡
日本でもなくすことはあると思うので、①は今すぐ、設定することをオススメします!
あと、追跡中に気付いたのですが、③はWi-Fiがなくても、どこからでも確認できます(衛星通信データを使っているんだそう)。
紛失に気づいたら即、別端末から位置を確認しましょう!
それでは今日はこの辺で。
みなさま、ごきげんよう。
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