ラオス挑戦記。2015年7月から2018年まで4シーズン過ごしたラオスでの日々を綴っていきます。
第2話 はこちらからどうぞ。
ラオス挑戦記 第3話 - 役割 -
2015年9月
開幕戦以降、先発出場はなく、試合残り15分から出場するというのがここ数試合の現状であった。
そんな中ついにチャンスがまわってきた。同じポジションの選手が累積警告で出場停止となり、先発出場のチャンスが巡ってきたのだ。
久々の先発出場にワクワクしていた。
相手はローカル選手だけのチームだが、代表選手も数多く在籍する前年度のリーグ王者。
試合は前半こそ苦戦するも、得点を機に一気にたたみかけ、終わってみれば圧勝。僕自身も相手のキープレーヤーを抑えるという役割を果たし、初めてチームに貢献できたという実感が湧いた。
それでも僕自身のチームでの立ち位置が変わることはなかった。
僕が試合に出るときは、代表ウィーク明けの選手を休ませるための交代か累積警告での出場停止選手に替わっての先発。
このシーズンは最後までこれを変えることができなかった。
それでもチームは勝ち続け、2位との天王山も制し、絶好調。優勝まであと一歩のところまで迫っていた。
そんなある時、マネージャーがこんな言葉をかけてくれた。
競争力をあげることも大事な役割
僕が加入した当初、同じポジションにいた外国人は不動の中心選手。そこに新たに外国人が来たのだから、気分は良くなかっただろう。
でも結果的に僕が入ったことによってチーム内での競争力が上がったと。出場停止、疲労、怪我。不測の事態を補う選択肢としての役割は理解していたけれど、競争力をあげることが狙いとは正直思ってもいなかった。
役割とは何か
外国人として、試合に出て目に見える結果を出すこと。それが全てであることに変わりはないだろう。
でももしかしたらそれだけではないことも結果に大きく影響しているのかもしれないと僕は思っている。
求められることと自分がやりたい事は必ずしも一致しない
悔しい気持ちは当然ある。納得しているわけでもない。
でも感情に任せ苛立ったり、自分さえ良ければいいという考えを持てば、より状況を難しくしてしまうと僕は思う。
適切な状況判断。適切な努力。そして人間性。
技術を磨くのと同じくらい大事なことだと僕は学ぶことができた。
2015年10月。
ついにリーグは最終節を迎える。勝てば優勝の大一番。
つづく。
ではまた。
“ It’s up to you “
Renshi
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