見出し画像

そこにいること

9月便り

ここ最近はなかなか調子が上がらず、監督交代や度重なる怪我にも苦しんでいますが、もう這い上がるしかないというこの状況で逆に腹が決まり、割り切ることができたのでここからまた巻き返していこうと思っています。

そこにいられる事も能力だよなと思ったここ最近の話。

ある日の朝練のこと。
グラウンドに行くと練習着を着た地元の少年が1人立っていました。
スタッフが来て、監督が来て、選手が来て。
気がつくと少年は練習前のミーティングに参加し、一緒にお祈りをして、円陣を組んで、一緒にウォームアップをしています。

途中からは周りで練習を見ていましたが、最後にはまたミーティングに加わり、お祈りをして、終わりの円陣にも参加。ちゃっかりアイスバスにも浸かって、颯爽と自転車に乗って帰って行きました。
帰り際に自転車に乗る少年の顔を見ると、練習前のモジモジしていた感じとは打って変わって、満面の笑みで目をキラキラ輝かせて自転車に乗っていました。

たった数時間前の少年とは全く違った姿。
そんな姿を見た時、「わかるよその気持ち」と共感。


自分がこれまで身ひとつで海外に出てきた時や、移籍などで新しい土地に行った時など、一歩踏み出した後に感じた自信に満ちた心地よい感覚。
そこから次はこうしてみよう、ああしてみようと考え出すとワクワクしたり。

ほんの小さな一歩でも踏み出した先に結果以上に得るものがあって、今度はもっと上の景色をみたいと基準があがる。そんな感覚がまた次の一歩を後押ししてくれてを繰り返しきたなと。

そこにいること

これが何よりも大きな一歩だと僕は思います。結果が出せるかどうか、契約を掴めるかどうか、期待したものを得られるかどうかはわかりません。
でもそこにいなければチャンスに気がつくことすらできず、勝つことも負けることも、成功することも失敗することすらできないと僕は思っています。

僕自身もこれまで、東南アジア4カ国で契約を掴んだきっかけは”そこにいたから”に他なりません。

時にラッキーだねと言われることもありますが、僕自身はそれは偶然ではなくて必然で、そこにいたからこそ起こったことだと。

少年が早起きして、グラウンドにどんな気持ちで向かったかはわかりませんが、結果として彼はプロ選手の1日を体験する機会を掴んだのは事実。

今日というタイミングは今日しかなくて、そのタイミングでここにいた事は紛れもなく彼の実力なのだとは思います。

逆も然りでここにいるということは、別のところにはいないということで、もしかしたらそっちに縁があったかもしれないと考えることも正直に言えばありますが。そんな時はここには縁がなかったな、今日は俺の日じゃなかったなと割り切ることも。

でも人生ってそういうものなのかなと。
縁ある場所に行くようになっているんだと僕は思っています。

僕自身も明日はどこにいるかもわからない東南アジアサッカーに身を置いていますが、どんな状況でも受け身ではなく、自分から攻めて掴み取っていけるような選択ができるように、そして縁あった場所で全力で行動し続けたいと少年の行動力を見て刺激を受けました。

ではまた。



“ It’s up to you “

Renshi

サポートは、サッカーを通じての挑戦に使わせていただきたいと思っています。