夢幻鉄道 5 転ぶ自由
ある日、誰かが見ている夢に、迷いこむ。
それが、夢幻鉄道の、エピソードとなる。
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「人には、転ぶ自由もあるんです!」
「転ぶと分かっていても、見守ってあげませんか?」
「親御さんの心配は、共感します。でも、お子さんご本人が決めたことを、どうか尊重してあげて下さい。」
私は夢の中で、職場の部下の親御さんに、会って、必死のパッチ(必死のパッチってどんな状況よ。。。)で説得していた。
さかのぼること1日前、福岡への日帰り出張に、部下と二人で行くことになった。
すると、部下が私に折り入って話があると、切り出したのが、事のきっかけだ。
部下「実はフィリピンの方と結婚したい。両親には反対されているが、自分達は本気だ。行政への届け先は、福岡でしか出来ない(我々の住んでいる田舎では無理)。出張の際に少しだけ、時間を下さい。」
私「話は分かった。彼女の写真はなかとや?」
部下(待ち受け画面を見せてくれる)
私は一目みて、この女性に良い印象を持った。
私は部下に言う「わかっとっとか。外国の人を妻にする、ということは、回覧板から何から何まで、お前が対応するちことやぞ。その日々の細々した覚悟はできとるとか」
部下「(しかと私の目を見据え)出来とります」
私は、九州の中でも田舎に住んでいる。これくらいの人口だと、大抵顔見知りだ。部下の親御さんだって、勿論知り合いだ。
つまり、出張中に手続きを許した時点で、親御さんの反感をかうことは決定した訳だ。
私「分かった。時間をやるけん、手続きに行ったらよか」
実際の所、部下がその彼女と、末永く幸せに暮らせるかは、分からない。
国際結婚は、離婚率30%、3組に1組は別れる。田舎では、離婚はまだまだネガティブなイメージだ。
それでも、部下の決意の目を見てしまったら、【人生は一度きり、後悔のないように、自分の人生を生きろ】と思ってしまう。
それは、私が人生の折り返し地点を過ぎたから。親の反対から、何かを諦めてしまったら、何年後かは分からないが、後々、親を恨んでしまうことになる。
もし、親の心配した通りの結果になろうとも、少なくとも、子は自分の意思を尊重してくれた親に感謝こそすれ、恨みはしない。
後日、部下は無事、親御さんの祝福を受け、二世帯住宅で、新婚生活を開始した。
私の夢の中での、必死のパッチ(だから、必死のパッチって何や?)の説得が、きいたのかは知らんけど。
部下の背中をそっと押せたことで、
自分の親へのわだかまりも、融解した気がした。
救われたのは、私の方だったな。
~おわり~
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