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夢幻鉄道 4 子宮

ある日、誰かが見ている夢に、迷いこむ。

それが、夢幻鉄道の、エピソードとなる。

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軽い気持ちで、自治体の子宮がん検診を受けに行った私は、馬鹿だった。

検診なのだから、色々チェックされるわけで、過去に虐待された記憶がしっかりとよみがえってしまった。

現実的な痛みが過去の悲しみを今に連れてくる。

体が、ずっしりと重い。

大柄の男性が、私の背中に張りついているのでは?と思うくらい、重い。

シンプルに息がしづらい。息苦しい。

生きていくのが苦しい。

魂を殺した超本人は、今も能天気に自分勝手に生きている。

その者が見ている世界と、私が見ている世界は違いすぎて、眩暈がしてしまう。

そして、自宅にやっとこさ戻ると、疲れと安堵で、泥のように寝てしまった。

夢のなかで、12年後の私が、同じように傷ついた子の傍らに寄り添っている姿がみえた。

その子の服は、かわいそうに破れている。

未来の私は、その子にやわらかな毛布をかけてあげる。震える手をそっとあたためてあげる。言葉は痛すぎて、届かないだろう。

大丈夫だよ、1人じゃないよ、おばさんがいるよ、と添えた手から伝える。

服は着替えれば良いだけだが、肉体はそうはいかない。

安全ではない、と強く思ってしまったその肉体とともに、彼女はこの後の人生を生きていく。

その痛みや苦しみは、時間をかけて、きちんと癒し、同じ苦しさの中にいる後輩の手を握り、一人じゃないよと、背中をさすれる人になれた時、あなたをも救うから、生き抜く意味があるから、生き抜いて、とそっと願う。

そこで、目が覚めた。

子宮や骨盤、内腿に痛みがあるが、心の空虚さは和らいでいた。

同じ痛みを抱えたもの同士でしか、わかりあえないことがある、と夢は教えてくれた。

後輩を抱きしめて立ち上がるお手伝いができたなら、私もこの苦しさを終わらせることができるかもしれないな。

いまは、あまりに無力で、気力もないけれど、死の方が近づいてきて絶望することがあっても、自殺は、最後の手段としてとっておこう。

だって、こんな私でも、こんな私だからこそ救える人がいる気がするから。

きっといつかお花畑のようなキレイ場所で、目が合うよ。

そしたらお互いを誇りに思おう。

私たちは、なにも間違ってない。大丈夫。

壊されたと感じても、また作り直せばいい。

何度だって立ち上がろう。

夢が教えてくれたことに、しっかりと感謝してをあわせた。有難う。

~おわり~




















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