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介護保険申請をした

前回、ここ3年を振り返って、次は何を書こうかと思ってるうちにまた時が経ち・・。書きたいことはあるのに、どういう順番で書くのが効果的かとか考えてたら、迷って迷って、書けないまま、また三日坊主になってしまうとの危機感から、とりあえず、順番とか考えず、思いついたことを書くことにした。順番考えるのは、本にする時でいいよね、、って、もう本を出す気でおります。と、そんな前振りはこれくらいにして、今日は、先日、介護保険申請したことについて書こうと思います。


介護が必要になった場合に使える介護保険。これが使えるのは基本的に65歳以上の高齢者なのですが、厚生労働省が定めた16種類の特定疾病のどれかを罹患している場合は40歳〜64歳でも申請して、要介護認定を受ければ、介護保険を利用することができます。がんもその一つで、症状が治療困難なほどに進行している場合にのみ、40〜64歳でも介護保険が適用されます。
※16種類の特定疾病については厚生労働省のサイトに説明があるのでご参照ください。https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html


私の場合、私自身はまだまだ寛解を目指していますが、医師が客観的に状態を診ると、末期で延命治療しか適用できない状態であると判断するのが普通でしょう。命の先がどうなるかは神のみぞ知るで、私が今後どうなるかは、医師がどう判断したところで、それが100%正しいわけではない。けれど、同様に私が目論んでいることも100%叶うかどうかもわからない。
昨年の11月から通い始めたクリニックの医師は、私の乳がんの状態と紹介状に書かれたこれまでの経緯を見て、かつ、私が一人暮らしで、頼れる親族がいないこと、経済的にも厳しいことなどを知り、ならば、まだ元気な今のうちに申請できるものは申請しておいたほうがいいとアドバイスしてくれました。


私の現状はそんなに良いものでもなく、つるべ落としのように病状が進んでしまう可能性だってある。だから、今、介護申請しておいたほうがいいし、頼れる家族もなく、仕事も家事も自分でやって、一人で病気と向き合っている私の場合、公的サービスではあっても、いざという時に頼れる場所と人を作っておくことは心の安定にもつながり、病気にも良い影響を与えるのではないかとその医師はおっしゃいました。たしかにその通りかもしれません。


今のところ、私は、体幹が動かしづらくなっているとはいえ、簡単な家事や楽な仕事はまだこなせますし、とぼとぼ歩幅が小さいことを除けば、知らない人は末期癌だなんて気づかないでしょう。なので、自分が要介護者だと認定されることで、気持ちが急に病人になってしまわないかとも思いました。
けれど、そういう気持ちの問題は気持ちの問題として、やはり全ての可能性を考えて、動いておくことが必要だとも思いました。いくら介護認定を受けたとしても、それ以上進まず、介護保険を使う機会がないままに終わることを目指せばいいわけですし、逆にもし急に具合が悪くなった時には、そこから申請しようとしても、その時には体が動かなくて、困ってしまうでしょうから。


それに、今回、その医師の言葉によって、私自身、64歳以下でも介護保険を使えることを初めて知りました。世の中には私のように、頼る人もなく病気と向き合っている現役世代の方で、自分が介護保険を使えることを知らない方が結構いるんじゃないかと思います。私が実際に申請をして、制度を詳しく知り、ここに書くことで、そういう方に、使える制度があることを知ってもらえたら、私がこうして申請することに別の意味も生まれます。そう思って、ちょっと自分を奮い立たせました。


私も以前、報道の仕事とかしてた割には、介護保険制度のことはあまりちゃんと把握していなくて、当初、どこに申請に行くのかも知らず、区役所の健康保険課かなあくらいに思っていたのですが、いざ、申請しようと、インターネットで調べると、その最初の窓口は住んでいる地域の「地域包括支援センター」というところでした。


地域包括支援センターは介護保険を扱っているくらいですから、基本的には地域の高齢者の相談窓口で、介護や生活支援を手助けする施設です。保健師や看護師、社会福祉士、主任介護支援専門員などが所属し、職務にあたっています。調べれば、私が住んでいる区にも7カ所の地域包括支援センターがありました。


最寄りの地域包括支援センターを訪れ、事情を話すと、すぐに申請書をくれました。必要なのは健康保険証のみ。特定疾病を証明する診断書のようなものを一緒に添付する必要はなく、現在、かかっている病院名と担当医師名を申請書に書くだけです。後日、その医師の方に区役所から確認の連絡があるそうなので、申請書に病院と医師の名前を書く前に、その担当医に、名前を書く旨を伝え、自分の現状を説明してもらえるようお願いしておく必要はあります。


そして、私は去年の年末ぎりぎりに地域包括支援センターに申請書を提出しました。そして、年明け、介護保険申請にあたって、私の現場確認のため家庭訪問したいと電話がありました。当初、11日に約束していましたが、私がその日、仕事が入ったため、翌週18日に変更しましたが、思ったよりスムーズに手続きが進んでいく印象でした。


そして、1月18日に地域包括支援センターの調査員の方が家に来ました。私よりも年上の女性の方でした。片付いてない狭い部屋。テーブルに広げっぱなしのパソコン。病人の部屋とは思えない環境です。驚かれるかなって思ったけれど、担当の方は、面白い部屋ですねという反応。こんな狭い部屋なのに、ギターやキーボードが鎮座しているのも、面白かったのかもしれません。弾けもしないのにね(笑)思わず、人生後半に入って、死ぬまでにやってないこと何かなって考えたら音楽だって思って、楽器買っちゃったんですよね・・なんてことまでその人に話していました。


調査員の方はこういう訪問をこれまでに何度もされているのでしょう。患者(普通は高齢者)を刺激しないよう、でも、必要なことは聞かねばなりませんから、相手の尊厳を傷つけないよう、注意深く言葉を選ばれている印象でした。


私の場合、一見、健康に見えるので、どのくらい体が動きにくくなっているのか、腕はどこまで上がるか、体はどのくらい捻れるか、しゃがんで靴下は履けるか、ズボンは履けるか、ちゃんと起き上がれるか等、いろんな動作確認をされました。


そして、仕事の話になり、「体が動きにくくなってくるかもしれないから、やはり、youtuberにならないとダメですよね」と冗談めかして語る私に、「ぜひやってください。」と真顔で言ってくれました。youtubeなんていうと、ふざけていると思われるかと思ってましたが、全くそんなことなく、ふざけてると思われるなんて想像してた私の方が恥ずかしくなりました。


標準治療もやらないで、末期癌からの奇跡の生還をめざすというのは、普通に考えたら賭けみたいなものです。なので、私自身、「奇跡の生還目指してます」なんて言うと、世の中の人は表向きは「そうだね。がんばって」と言いながらも、「無理に決まってるよ・・」と心の中では思っているのだろうと勝手に思い込み、「奇跡の生還をめざしてる」とか「youtuberになる」なんてことは、本気じゃないよって装いながら、冗談めかして言っていたところがあります。本当は本気なのに・・・。


でも、この介護保険認定の調査員の方は、私に「あなたかっこいいわよ。もっと、その思いをyoutubeでたくさんの人に伝えて欲しい」と言ってくれました。本心から言ってくれているようでした。
介護が必要な人をたくさん見てきている調査員の人にこう言ってもらえたことは私の背中をちょっと押しました。


私がガンと向き合いながら考えてること、普通とはちょっと違うけど、世の中に向かって語ってもいいかもな・・。


介護保険申請のテクニカルな話からは、ずれちゃいましたね(汗)すいません。そっちに戻します。


調査員の家庭訪問から数日して、区役所の介護保険課から、「介護保険資格者証」が送られてきました。この資格者証は、要介護認定の結果が出るまでの間の中継ぎで、要介護認定の結果が出るまでの間に何か体に不調があった時に必要であれば使えるものです。要介護認定の結果が出るのは申請から1ヶ月後くらいとのことで、正式な保険証が出たら、この資格者証は用済みになります。


また、余談ですが、この調査員の方は数日後、私のところにヘルプマークを届けてくれました。電車に乗る時など、やはり荷物を持って立ちっぱなしというのは今の私には結構しんどく、できることなら座りたい。しかし、私は見た目が健康そうなので、混んでいると、私に席を譲ろうなんて人は皆無です。そういう話をしたら、ヘルプマーク、今度もらってきてあげると言って、翌々日にはポストに入れておいてくれました。


「私って見た目元気そうなんで、なかなか座りづらいんですよね」と言う私に「そんなことないない。ヘルプマークつけて、座っていいんですよ。ぜひマークつけといて。」と言ってくれたことも心強かった。ちょっとしたことではありますが、こういうことが本当に助けになります。今のうちに介護保険申請しておけばと言ってくれた医師の真意も伝わってきました。


今、ヘルプマークはいつも使っているバッグの内側にぶら下げていて、まだ、表に出したことはありません。今のところ、比較的すいた時間に電車を利用しているので、大抵座れているからですが、いずれ、長時間座れないことがあったら、思い切って使ってみようと思います。もちろん、その前に身体の状況が改善すればそれに越したことはなく、体が動かしやすくなってきて、座らなくても大丈夫になることを目指すのが一番ですが・・。
介護保険についてはまた、要介護認定が出たら、お話ししようと思います。
今日はこのくらいにしときます。


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