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がん患者のシネマカルテ③米国の刑務所にひとり収監された元ヤクザの心境

▶「HOMIE KEI~チカーノになった日本人~」

(初)
 かつて違法なクスリの売買で米連邦捜査局(FBI)に逮捕され、米国の劣悪な刑務所に収監された日本人の元ヤクザ・KEI(けい)の半生を追ったドキュメンタリー。
 タイトルは、KEIが刑務所内のメキシコ系のグループ「チカーノ」に溶け込み、「ホーミー」と呼ばれる仲間として認められたことに由来する。経緯はさておき、絶体絶命のピンチを生き抜いた人物の心境を知りたくて鑑賞した。以下は、印象に残った彼の発言の要旨。

「(他の囚人とのやりとりで)仮に自分が100%悪くても相手に文句を言われて、『あー、悪かった。ごめんね』って言うと、それでオカマ(まま)をほられちゃうわけ。相手からケンカを売られたら買わないと、刑期が5年残ってたら、5年間下向いて歩かなくちゃいけないわけですよ。その下向いて歩く生活をできるかと言ったら、多分できないし、時間も長く感じるし、楽しくもないと思う」

「(刑務所内の食堂でチカーノのボスの指定席に座ってしまい、ボスに連れ出された場面を回想しながら)でかい刑務所だから、食堂を出て野球場まで距離がある。若いホーミーがぞろぞろ付いてくる。謝るなら死んじゃった方がいいというのがある。だからどうしても最後まで突っ張っていないと。それで野球場に行って殺されちゃうのも自分の運。それはそれでしょうがない、って

※太字はいずれも筆者による。

「HOMIE KEI~チカーノになった日本人~」

 あえて病身の私に重ねるなら、「命の危険にさらされているからと言って下を向いてたら、死ぬまでずっと下を向いていかなくちゃいけない」という言葉に聞こえました。結局、最後は腹をくくって突っ張るのみ、なんですね。
 なお、彼自身はボスにこびなかった姿勢が買われ、結果的に生き抜けたそう。特にオススメするドキュメンタリーではありませんが、学びがありました。

▶「デッドプール」

 運命の恋人に出会った途端に末期がんと診断された男が、「延命治療」と称して自分を醜いミュータント(変異体)に変えた悪の組織に仕返しをするコメディ映画。2回目の鑑賞でも腹を抱えて笑いましたが、特にコメントはありませんw 
 下品でグロい描写にも耐えられる方は、「デッドプール2」と合わせてぜひお楽しみください。


※(初)は初めて見たことを意味します。

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