乃木坂の将来の可能性について考える
乃木坂のファンをほとんど辞めてから早数ヶ月……
これまで幾度となく思い、考えてきた乃木坂の将来性について様々な観点から述べていく。
※この記事は多分に個人の見解を含むため、気分を害される可能性があります。ブラウザバックされる方はしてください。
俺が乃木坂の選抜制度に疑問を抱くようになったのは24枚目シングル『夜明けまで強がらなくてもいい』の頃だったと思う。
自分自身が山崎怜奈さんをはじめ、2期生のファンだったからということもあるが、長年『選抜』というものに疑問を持っていた。その疑問の最たるものが
「運営は『選抜』という言葉の意味を本当に分かっているのか」
というところであった。
そもそも、『選抜』というのは
わけである。
とりわけ、イメージ的には高校野球などスポーツなどで用いられるわけだが、何かしらの能力など他者より抜きん出ているものがあるために、選ばれているような感覚である。
では、今の乃木坂はどうかというと、選抜という枠数の限られた場所が言葉の意味を度外視して、人材育成の場として捉えているようにしか見えないのである。
実際問題、その系譜は7枚目シングル『バレッタ』の頃から続いている。そのシングルは当時加入して間もなかった2期生の堀未央奈が突如としてセンターに抜擢された。その当時はメンバー間にもファンの間でも衝撃が走った。その人選に苦言を呈したメンバーもいたという……
但し、それは当時のグループの知名度の観点から考えると致し方ない要素が多分にある。1番はAKB48の公式ライバルと銘打ってデビューしたことである。当時、AKBは言わずもがな全盛期であり、そこに追いつけ追い越せの状態だった。それを考えると、1期生からすれば「これから!!」という時に後輩がセンターになれば納得のいかないことがあるのも当然のように思えるし、グループの今後のことを考慮して経験を積ませるという点においても、いきなり2期生をセンターに抜擢するというのは致し方ないようにも思える。
しかし、18枚目シングル『逃げ水』の頃はどうだったであろうか。この頃は17枚目シングル『インフルエンサー』でグループ初のレコード大賞を受賞し、各メンバーの知名度も格段に上がっていき、グループとしてうなぎ登りのような状況であった。言ってしまえば、名実共にグループとしては盤石とも言える状況なのである。
そのような、段階においてもなお新たに加入したメンバーをいきなりセンターに抜擢するというのはグループの状況を考えると少々不釣り合いなわけである。
メンバーの外仕事も徐々に増えていき、世間的にも認知されるようになってきたメンバーも増えていき、人気もライバルであったAKB48とひっくり返ったと言えるようなところまで来たわけである。(こんなことを言うのもあれだが…)
そうなると、ふと考えてしまうのは『アンダーの存在意義』である。選抜発表をするたびにアンダーメンバーも自ずと決まるわけだが、そのアンダーメンバーも選抜に入ることを夢見て日々努力をしているわけである。しかし、いつの日からか選抜メンバーの顔ぶれはあまり変わらなくなっていき、挙句の果てには新たに入ってきたメンバー数人がいきなりセンターや選抜メンバーに入って固定化していく…
ともなれば、1度も選抜に入ったことないor選抜に選ばれなくなってからしばらく経つメンバーからすればやる気を削がれる要因にもなるわけである。もちろんメンバー全員が努力をしていることに違いはないわけだが、選抜メンバーと呼べるほどの技量を選抜に入る全員が有しているのかということを考えると、その人選への疑問が幾許か残ってしまう。
それが具現化したのが『Route246』なのではないだろうか。この楽曲はかの小室哲哉さんが作曲・編曲を担当したものである。小室さんが約2年3ヶ月ぶりに楽曲提供をするということで、そこにかかる期待というのは凄まじいものであった。しかし、その楽曲はwowだらけのなんとも言えないものと感じた人もいたのではないだろうか。(言わずもがなあの方の創る楽曲は素晴らしいものではあるが…)
しかし、音楽番組での披露を見てそのパフォーマンスに少し苦言を呈した人がいる。カフェテリア氏である。この人は乃木坂の運営内部に居たと言われており、グループのことを俯瞰的に見ている人である。そんな人が755というアプリにて少々パフォーマンスについて苦言を呈したのである。ただ、それは数多くの名曲を世に生み出しているTKスタイルをメンバーが若いがためにあまり理解できていなかったからなのではないかとも推測できる。
ましてや、この楽曲を披露するメンバーを直近の選抜メンバーと同じにしてしまったこともよろしくなかったのではないかと思う。実力があるにもかかわらず、選抜に入ることが出来ていないメンバーが多く存在しているわけである。音楽番組においても、出演するのは選抜メンバーのみ。欠員が出た時のみ、代打要因として数人が送り込まれる。その代打の機会を逃すまいとパフォーマンスを頑張っても、その頑張りがなかなか生かされない。このように出演機会に大きな差が存在し、圧倒的な宝の持ち腐れ状態になっているわけである。この楽曲が配信シングルであったならば、いつもとは一線を画す実力のあるメンバー構成で挑んでもよかったのではないのかと感じる。
また、メンバーの認知度もグループの今後においては大きな意味を成してくるのではないだろうか。ファンではない人からすれば、大所帯のグループのメンバーは全員同じ顔に見えると言うことはよく聞いたりするわけだが、現代においては尚のこと認知度は重要だと感じる。
長いこと乃木坂の選抜について書いてきたが、認知度的に見ればどうなのだろうか。そのひとつの判断基準になると言えるのが、『タレントパワーランキング』である。タレントパワーランキングとは、株式会社アーキテクトが実施しているタレント調査史上、業界最大規模、最多頻度で定量調査を実施し、番組やCMのキャスティングに役立てることを目的に、テレビ・メディアで活躍するタレント・有名人の認知度・誘引率を調査しているものである。
このランキングでは様々なジャンルでランキングが作成されているわけだが、坂道アイドルだけに限定して作られているランキングも存在している。そのランキングを元に見てみると、乃木坂メンバーのランキングは卒業生も含んでいるとはいえ、現役メンバーでランクインしているメンバーはごく僅かなわけである。ましてや、それが坂道全体のランキングともなれば現在の選抜メンバーの中でランクインしているメンバーはさらに限られてくるのである。
このタレントパワーランキングがどのような年齢層、どのような人たちを対象にアンケートをとってランキングにしているのかは分かりかねるが、これを当該グループのファンという視点を抜きにした世間一般の感じ方という捉え方をするならば、運営がどのような目的・意味合いを持って選抜メンバーを決めているのかは分からないが、これまでのやり方はおおよそ失敗だったのではないかともとれるわけである。
選抜が全てではないのだろうが、やはりこのような制度がある以上は1度でも選抜メンバーに入って音楽番組に出て表題曲を歌いたい。よりテレビに出たい。そう思うのは至極当然なわけである。にもかかわらず、これまでの努力が報われることがなく、新たに入ってきたメンバーがすぐに選抜に入る、挙句の果てにはアルバムを出すが新曲の歌唱メンバーとして自分が何一つも入っていない。このような事態が発生しては、正直なところはグループに居る意味が無くなってくるのではないだろうか。
個人的には極論ではあるが、いっそのことアンダー経験の無いメンバーはとりあえず全員アンダーを経験させるということをした方がいいのではないかとも思ったほどである。乃木坂は様々なライブを行ってはいるが、実際のところ真夏の全国ツアーは全メンバーが出るため、多くのファンが見に行き、メディアでも取り上げられ、多くの人の目に付いて新規ファン獲得の可能性は大いにあると思うが、それに対してアンダーライブは実力や人気は全くもって遜色無いものの、楽曲のマイナー具合によってファンしか行かないのではないだろうか。ともなれば、どれだけメンバーが変わろうともそれほど動員人数に差が出ることはなく、恒常的に動員は見込めるはずである。なのに、運営は何を恐れているのか。恐らくそれは『アンダーライブの質の低下』なのではないかと感じる。オタクである以上、自分の推しメンが出るライブは見に行くのだろうが、アンダラはアンダラ特有の雰囲気があり、アンダラとしての確固たる地位を築いているのである。ましてや、「アンダーメンバーと選抜メンバーで別グループにした方がいいのではないか」という意見が散見したほどである。そのアンダラに今までに経験の無いメンバーを入れた場合、アンダー楽曲を常日頃から歌っていないなどの要因はあれど、高い人気を誇る「アンダラの熱量や雰囲気」を出すことができなくなるのではないか。そのような事態が起きかねないがために、選抜メンバーの新陳代謝がなかなか起きないのではないだろうか。
選抜メンバーの選考基準も何をもって決めているのかは分からない。挙句の果てには、メンバー選考に関して誰か裏から糸でも引いているのではないかとも俺は感じてしまう。各シングルの選抜メンバー発表毎にその選抜メンバーの選考理由などを明らかにすればまだマシなのかもしれないが、それが無い以上は何を目標に努力をすればよいのかがメンバーは分からない。
ファンもそうなのではないだろうか。大所帯のグループだからこそ嫌いなメンバーの一人や二人はいるだろうが、推しメンが所属しているから見ている・応援している。しかし、推しメンが選抜になかなか入れないとなると、推しメンはともかくグループそのものを応援するということもしづらくなってくるのではないだろうか。
『お客様は神様』なんて表現がこの世には存在する。自分としてはこの言葉は好きではないが、ある一定その言葉は真理を突いているのではないかと思う。商売である以上、何においても贔屓にしてくれる客は非常に重要であり、逃すことはできない。そういった客の意見は非常に重要なものであり、商売におけるターニングポイントにもなりうる。言ってしまえば、商売をする側はそういった客からの期待を一心に背負っているわけである。何でもかんでも取り入れることはよろしくないが、蔑ろにすることも信頼を失ってしまうためにできない。
それはアイドルグループにおいても同じことが言えるのではないか。ファンからの応援があってこそ、グループの人気や知名度、売り上げなどがあるわけである。グループとファンとの間に上下関係があるわけではないが、応援してくれているファンのニーズに応えなければ、不満が噴出してそこから離れる人が出てくる。
現に、シングルの売上としてそれは非情にも形に表れている。主要メンバーの卒業シングルの際は一時的に上がってはいるものの、その後は下り坂傾向になってきているのである。この先どのような手を打ってくるかは分からないが、これまでのようなことがこの先も続くようなことがあれば、その先のグループのそれは恐らく自明であろう……
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