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48.Kaname

2015年4月1日
鳥居れなのターニングポイント
放送日はエイプリルフールだった。
私はこの目でテレビに映っている自分を確かめるまで
もしかしたら神様による大掛かりな嘘か、
たいへん長い夢かと疑っていたようだった。

例えばあの時、これはいい経験になったなあ。と、
人生の記念品で終わらせていたら。

もしもあの時、現実的じゃない。と、半分大人の脳で
尊い希望を見て見ぬふりしていたら。

例えばあの時、担任教師から配られた進路希望表に
国際関係学部。とだけ書いていたら。

もしもあの時、わたしはこの家に生まれたのだから
こうあるべきだと真面目正統派な道を意思無しに歩いていたら。

今の私は居ない。

人生は常に選択の連続。
いま、この人差し指一つで、未来が変わる。
鳥居れなという人間の操縦は私が担当している。
ここまで歩いてきて、私は間違いだらけの、失敗の達人だったと思う。
振り返っても恥ずかしいことばかり。今もそう……
だけどその間違いだらけの選択の末に
とんでもない幸せや、本当に大切な出会いや、
宝物のような時間を手にすることができた。
なにがどうとか、過ぎた出来事に関しては
その後の行動次第でいくらでも変わっていくものなんだな。

人生はへたくそだけど、鳥居れなって最高に運が良いんです。
超進学校から国際関係学部ではなく、音楽の専門学校に進んだ私は
バットを振り続けるということを学んだ。
とにかく、とにかく、いずれ訪れるであろう
ミラクルを打ち当てるその時まで、バットを振り続ける。
私だって、きっとそのチャンスを空振りしてしまうときも多いのだろうけど
やがて来るミラクルボールに、
バットをかすめ当てる確率を上げる為には、
きっとこれが一番私に合ったやり方なのだと思う。

間違えて、間違えて、間違えても
手放さなかったのは歌を歌うこと。
タイムリミットを決めた私がそのリミットまで走ったとき
その先でどういう形に代わるかは、自分でもわからない
誰にもわからないのだ。
もしかすると音楽だけが、それを知っているかもしれない。

これが私のかなめ。
歌うことを手放さずに居られたことが
私にとってのかなめ。
歌い続けることを認めてくれたみんなのおかげ。
涙が出ちゃう…
ありがたい、ありがとうありがとう。

あなたにとっての〝 かなめ 〟は何だろう。
きっと心にひとつ燃える灯火があるだろう
希望の光や、あなただけの灯火は誰にも奪わせてはいけない。


最後にかなり欲張りな希望を言うと、

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