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脇役の決めゼリフが、心に響く。

ドラマ『レンアイ漫画家』第5話を観ました。脚本視点での学びメモを残します。

ドラマ『レンアイ漫画家』あらすじ
鈴木亮平演じる漫画一筋で恋愛が超苦手な少女漫画家・刈部清一郎(かりべ・せいいちろう)と吉岡里帆演じるダメ男ホイホイと呼ばれる崖っぷち女子・久遠あいこ(くおん・あいこ)。そんな恋に不器用な二人が繰り広げる、笑えて、ほろっとくるコミック・ラブストーリー。(Filmarksより抜粋)

第5話は、あいこの姉・るりこが刈部邸を訪れる。対人関係に厳格な姉の目をはぐらかすため、刈部とあいこが疑似恋愛をする話。
※以下よりネタバレ含みますのでご注意ください。

記憶に残ったシーン

人それぞれだと思いますが、私は下記が強く印象に残っています。
●恋愛下手な刈部が、銀天のキャラクター”さかい”になりきった時の鈴木亮平さんの笑顔。
●夜の歩道橋、刈部が愛子を抱き寄せるシーン
●バス停、お姉があいこに告げるセリフ
●お姉が刈部に「愛子を甘えさせてくれてありがとう」と告げるシーン
・・・etc
いやぁ、鈴木亮平さんの表情の多さに驚かされた回でした。
無骨で鬼瓦顔の漫画家”刈部”を演じた上で、その刈部が演じる、優しくてイケメンなキャラクター"さかい"を演じる、という。
"さかい"の笑顔にキュンキュンしておりました。
ストーリー後半に連れ、刈部自身、"さかい"の反応なのか"刈部"の反応なのか混乱していく様子も見えて、素晴らしかったですね!かわいいい!

…と、役者さんについても語ると止まらなくなりそうなのですが、
「話作り」を学ぶためにまとめているので、今回は「バス停、お姉があいこに告げるセリフ」に焦点を当てたいと思います。

観ている「私」に響くセリフ

映画でもドラマでも小説でも、作者が一番伝えたいメッセージ、というのがあるものだと思います。
どこをどういう風に受け取るか、というも人それぞれですが、アラサー女的にグサッと来たのがこのシーン。

第5話の最後、あいこがお姉をバス停まで送り、お姉がバスへ乗り際であいこへ言うセリフ:
『人生の相方って見つけるものじゃなくて、一緒にいるうちに、なってるものなのかも』

グサグサグサーーッ
からの
拍手喝采!!でした。笑

物語の中で感動する時、主人公の気持ちに入り込み、同じ気持ちになるから感動する、というパターンが多いと思うのですが、
ふと、観ている「私」に向けられたセリフがいいタイミングで来ると、
それまで主人公の気持ちで観ていたのに
いつのまにか スッと「私」目線で感動している時があります。

そして「私」として受け取ったセリフは、日常生活のどこかで思い出したりもする、記憶に残るセリフでもあります。

こういうのって「誰が」「どういうタイミングで言うか」も大事で、
今回の場合は主人公の姉が言うことで、主人公目線で、自然と受け入れやすさがあったのかもしれません。

加えて、そのキャラが持つ「過去/背景」がセリフを増強していますね。
お姉の場合は、長年連れ添ったパートナーと死別して9年、今は一人暮らしでも、妹のあいこには幸せになってほしい、という背景です。
逆に、そういう背景を持ったキャラだからこそ出てくるセリフ、とも言えますね。

まとめ

・話の中で一番伝えたいメッセージは、主人公が受け入れやすい人物がセリフで言うと自然
・「過去/背景」がセリフに重みを増強する

う~む、私も刺さる決めゼリフを書けるようになりたい!
まだまだ浅いですが、こういった分析も何か今後の糧になると信じて、記録を残していきたいと思います。
もっとこういう見方がある!というご意見などありましたらぜひ教えてください。

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