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4.ラップランド 2022 / Day4: Between The Great Fells (40.2km)


4日目。
まさかこの日に今レース最大のピンチが訪れるとは夢にも思っていたなかった。



今日もきっかり8時スタート。
とにかくひたすら林道を突き進む。今日はCP3までほぼほぼ林道で、レース前に渡されたコースノートにも、

Dust road through mixed vegetation.(雑木林の中の砂埃の道)
Dust road continues(砂埃の道が続く)
Some more dust road…(さらに砂埃の道が続く)
と、もはやポエムのような説明になっている。


その雑木林の中を進む。

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ちょっと小腹が空いたら、道の脇に無造作に生い茂っているブルーベリーを摘んで口の中に放り込む。森と湖のラップランドは、いつでも補給・給水ができる天国のような場所である(笑)



最後のチェックポイント(CP3)を抜けると、緩やかな上り基調となる。

Photo Credit: Racing The Planet



そして気がついたら、またこんな素晴らしい景色と遭遇したよ。

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果てしなく広がる地平線、ではなく森。砂漠とはまた違った景色、こういう思いもよらない景色に出会うためにステージレースに出ているのかもしれないなぁ。




本日も特に大きなトラブルはなくゴールした…..

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….かに思えたのだが、テントに戻ると何だかただならぬ雰囲気だ。


私のテントはアメリカ人夫婦2人、イギリス在住のアイルランド人と香港人のカップル、そして彼らの親友のアメリカ在住スイス人の6人だ。私がゴールした時には既にみんないたのだが、イギリス在住のカップルが慌ただしくパッキングをしていて、その作業をしている間はテントに入らないでほしいと言われた。

なんでも香港人女性の体調が悪く、念の為、簡易キットでコロナ抗原検査をしたら「陽性」だったと、彼氏の方は陰性だったが濃厚接触者でもあるし、一緒にレースを離脱するとのこと。


えーっ、マジかー。
確かに彼女は夜中にコホコホ咳き込んでいたから、あれ?って思ったんだよな。


と、アメリカ人夫婦が「私たちも念の為、簡易キットで検査しましょう。」なんて曰うではないか。うわぁー、私、今のところ自覚症状ないんだけれども、陽性判定出たら、ここで即リタイアってこと?もうあと少しで終わりなんだよ?


うわ…これ、マジで終わったかも。
4 Deserts Grand Slam+ 達成するはずが、こんなところで頓挫か?



今回のラップランドのレースは、レース前の抗原検査である選手が陽性となり、DNSとなっている。そして、ホテルでその人と一緒の部屋だった人は濃厚接触者として、レースは参加できたがその人用にテントを設営・隔離して様子見の対応をしていた。が、別の人が症状が出て陽性になりレースから離脱し、同じテントだった人達も隔離して様子見とか、レース開始1−2日でもう色々わけがわからないことになっていた。


4日目ともなると、さすがに同じテントにいた濃厚接触者ってだけで、自覚症状が全くない人の検査を行うのもどうかってことになったのか、自覚症状がある人のみ自主的に検査を行うという方針に切り替わっていた。

が、テントメイトのアメリカ人夫婦は熱い、正義感に満ち溢れておる。
「この際だから、みんなで検査して、白黒はっきりしてスッキリしましょう。」
で、彼らの親友のスイス人も(自覚症状ないが)陽性判定となり、ここで終了。毎日、彼のすぐ横で寝ていた私、絶体絶命である。


持参した簡易キットで検査を試みるが、こういう時に限って「測定不能」になる。
「じゃあ、メディカルテントで検査してもらったら?」と、何がなんでも検査しろ的な圧をかけてくる夫婦。


ちょうどその時、大会側のサプライズで、ゴール脇にあるログハウスはカフェなのだが、そこでトナカイのスープを提供するという。

Photo Credit: Racing The Planet
Photo Credit: Racing The Planet

美味しいトナカイのスープで心を落ち着けてから、メディカルテントで検査してもらうことにした。


その後、メディカルテントで、結果が出るまでの間の悪夢のような15分を過ごす。
結果は陰性。


首の皮一枚繋がったわ。


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●第4ステージ
[開催]2022年8月17日(水)
[距離]40.2km
[スタート] 現地時間 8:00

ガーミンの記録
果てしなく続く森と湖

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