見出し画像

2. Stage2 - 55km 踵の痛みに耐えきれず・・ /Wadi Rum Ultra2018


本日は6時と7時のウェーブスタートで、私は6時スタート組です。

「今日も同じキャンプ地に戻ってくるから、荷物は必要なものだけ背負って走ればいいんだよ(笑)」と大会スタッフや仲間たちに早速イジられてしまいます。


6時になってもまだ暗い状態だったので、15分ずらして、6時15分にスタートです。

昨日、途中から足の違和感を感じていたのですが、やはり足にマメができていました。しかも、よりによって両踵です。歩みを進める度に激しい痛みが襲います。痛み止めのロキソニンを服用するか否か、悩む所です。

画像1

歩みを進める度に痛みが激しさを増し、とてもではないですが、ワディ・ラムの絶景を楽しむ心のゆとりはありません。しかし、なぜ、今年のサハラマラソンで履いた同じシューズなのに、初日からよりによって踵にマメを作ってしまったのか、後日要検証です。


CP1(10km地点)にもうすぐたどり着こうとする所で、後ろから、「ハロー、ジャパン!ジャパン!」と叫ぶ声が聞こえます。振り向くと、昨日1位でゴールした地元選手のサラマーが追いついてきました。相変わらず、こんな足場の悪い砂場をロードかのように走っています。

CP1に到着すると、足の痛みに耐えきれず、大会スタッフのロザンナに「絶対走らないから、スリッパで行かせてくれない?」とお願いをしてみます。

画像2

やはり「それはちょっと・・・」と戸惑っています。 ちょうどそばにいたドクターを説得した方が良さそうなので、足の状態を見せて、この後45kmはスリッパで行かせて欲しいと必死にお願いしてみました。

「まあいいんじゃない?」とドクターが快諾したので、ロザンナも渋々OKする形に。ちょうどその場にいたメディア担当のスタッフ達で、その様子をちょうどビデオカメラで回していたので、いい絵が撮れたと喜んでいます。

シューズを脱いでみると、靴下にまで出血の跡がありました。スリッパに履き替えると、踵の痛みはかなり緩和され、楽になりました。これなら行けそうです。

CP1からは重たいシューズ、そして歩みを進める度にシューズとの摩擦で踵に激痛が走っていたのですが、それからは解放され、気分的にも楽になりました。

景色を楽しむ余裕も出てきました。

画像3

そして後ろからは続々と1時間遅れでスタートした選手達が声をかけながら私を抜いていきます。私はこのレースは最初から最後まで歩くつもりで参加しているのですが、私以外は完全にガチランナーです。制限時間がないのでウォーカーでも参加できると思っていたのですが、「なんか、出場する大会を間違えたかしら?」と思いながら黙々と歩きます。

画像4

緊急事態でスリッパで挑むことになったわけですが、砂場とダイソー100均スリッパとの相性はあまり良くないことがわかりました。 砂が入ってくるのはいいのですが、綺麗に吐き出すような作りにはなっていないので、定期的につま先トントンして、砂を排除しないといけません。でないと、ヤスリのようになって足の裏をじわじわと傷つけていきます。それでもランニングシューズを履くよりはマシですが・・。


1時間遅れでスタートした選手達全員に抜いて行かれ、本日は私が最後尾となり、後ろにはスイーパーの役割を果たしている救急車が、絶妙な距離感で私の後ろをついてきます。そして、コースの目印であるピンクの旗を回収する現地スタッフも後から車でついてきています。

最後の10km切ったあたりから、このコースマーキングを回収する現地スタッフと一緒に歩くという奇妙な展開となりました。彼は普段はワディラム観光案内をしている旅行会社のスタッフで、主にワディ・ラムのロッククライミングのガイドをしていると言います。

「えっ?!ワディラムでロッククライミングできるの?!」というか、こんな民族衣装を身にまとった華奢な彼がロッククライミングをやっているというのも驚きです。他にもハイキングのガイドをしているというので、足場の悪い砂地でもスイスイと歩いています。

彼はこのワディ・ラムの敷地内(?)に住んでいて、広大な700㎢くらいあるワディ・ラムは庭みたいなもんだと言います。似たような岩山ばかりで迷うことはないの?という愚問をぶつけてみるも、「俺の頭ん中にGPSが入っているようなもので、どこにいるのかはわかるんだ。」と自信たっぷりに答えます。

結局、彼とはゴール手前まで一緒に歩き、色々おしゃべりができて楽しい散歩となりました。


画像5

※本日のコースは55kmのはずなのですが、私のガーミンの記録では約50km・・・。


サポートして頂けると単純なのでものすごく喜びます。サハラ砂漠の子供達のために使います。