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4. Stage4 - 50km レース復帰/ Wadi Rum Ultra2018


昨日は納得の行かない強制終了で悔し涙を流し、スタッフのみんなが「明日も走れるから大丈夫よ。」という1ミリも気休めにもならないことを言っていたわけですが、今朝「今日は走るよね?」と再確認されます。


公式記録上は「DNF (Did Not Finish)」で完走ではありません。リタイアになった時点で観光に切り替えて、レースを離脱したかったのですがそうも行かないようです。

今日レース復帰しない場合、一日中キャンプ場にいることになりますが、それも何か嫌。

ということで、レース復帰です。本日もウェーブスタートで、先に6時半にスタートします。朝焼けのワディ・ラムは美しい。

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今日は早めにロキソニンを服用したので、足の痛みが緩和されています。本当は100均スリッパで行きたかったのですが、安物だけあって底に穴が開きはじめてしまいました。なので、仕方なく、トレランシューズです。

ロキソニンで足の痛みが和らいだためか、歩くペースが昨日より上がった気がします。その証拠に、いつもはCP1に着く前に地元選手のサラマーに抜かれていたのですが、今日はCP1で休んでいる時にサラマーはやってきました。


CP1を抜けてからはアレヨアレヨという間に、後からスタートした選手たちにいつものように声をかけられながら、鮮やかに抜かされてしまいます。そして気がついたら、スイーパーの役割を兼ねている救急車が絶妙な距離感で私を見守っています。

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「もうリタイア扱いなのに、わざわざレースに復帰しなくても良かったのではないか?」

「何でまたわざわざこんな辛い思いをしているのだろうか?」

例のごとく、自分の中での葛藤の時間がやってまいります。これは気候的にも、コース的にも、体力的にもきつく、精神的に少し追い込まれた状態の時にやってくるもので、このようなレースに毎年のように出ていると、だんだん分かってくるんですよね。


本日のコースの目玉はハザリ峡谷(Khazali Canyon)です。岩山が切り裂かれたかのような峡谷で、中はひんやり涼しく、気分的にリフレッシュできました。見上げれば迫力のある岩肌が目の前に迫ってくるかのようです。ちょうど誰もいなかったので、この景勝地をしばらくの間、独り占めすることができました。

後ろから人の気配がすると思ったら、コースマーキングの旗を回収する男の子がひょいひょいっとやってきました。この子は急ぐあまりか私を抜いて、目の前のコースマーキングを次々に回収していくではありませんか。ちょ、ちょ!


峡谷を抜けたところで、主催者のジェイミーやカメラマンたちが待ち構えていました。私が生きているかどうか気になったようです(笑)

最後尾をのんびりと歩く私をスタッフの方々はコースの途中で車を止めて待っていたり、チェックポイントでもないのに水は足りているか?とか、とにかく気を使ってくれます。というか、多分、昨日の件があるのからかもしれませんが・・。

「もう少しで最後のチェックポイントだよ!」と大会スタッフのサイモンが声をかけてくれ、軽く頷いて、歩みを進めて、ふと「ん?今、最後って言った?」と思わず振り返り、サイモンに確認します。「そうだよ、最後のチェックポイントだよ」「え?チェックポイントは5つじゃないの?」というやりとりで、私は本日の距離を勘違いしていたことに気がつきました。

今日は55kmかと思っていたら、50kmでした。嬉しい誤算ですね。

とはいえ、のんびり歩いていたのでゴールに着いたのは夕方でした。
今晩のキャンプ地は、キャンプ地というよりも砂漠の中のオアシスのような宿泊施設でちゃんとした小屋にベッドがついているし、バーやレストランも併設されています。そ、そして、つ、ついに電波が通じるところにやってきました。

最初からこんな宿泊施設だとわかっていたら、レースには復帰せずに1日ここでのんびりしてましたよ!

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