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5.ラップランド 2022 / Day5: The Long March Though The Land of Reindeer (81.2km)


5日目。
今日はロングマーチ、81.2kmと今までの倍以上の距離となる。


レース前のブリーフィングで、現時点で女子総合1位だったドイツ人選手がコロナ陽性のためロングマーチには出走せず、リタイアとなったことを知る。悔しそうに涙を浮かべていた姿が印象的だった。私も、昨日の検査結果によっては、もしかしたらリタイアになっていたかもしれないと思うと、運の良さに感謝するしかない。


総合順位は変わらず、日本人選手が1位と2位で、3位に地元フィンランド選手が付けている。このロングステージでどうなるのか。

Photo Credit: Racing The Planet
総合1位、2位を譲らない2人。


8時スタート。
コースはお馴染みになった林道、雑木林の組み合わせで、ただ距離が伸びただけで山登りはなさそうだ。


いつも通り、自分のペースで楽しみながら歩くだけだ。

雑木林の中から突如現れた建物。別荘かな?それにしても変わった形のログハウスだなあ。

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Photo Credit: Racing The Planet
グランドスラム仲間、UAEからやってきたアメちゃん



CP1を抜けてしばらくすると、ボランティアスタッフがコース誘導をしていた。私の姿を確認すると「レナ!レナ!レナ!」とひたすら私の名前を連呼して応援してくれているのは、南アフリカからやってきたアメリアだ。

同じグランドスラム仲間のアニムに密着して、ドキュメンタリービデオの撮影をしているのだが、レースのボランティアもやっている。ナミブレースで知り合い、ジョージア、そしてここラップランドとやってきた。



CP2は何とも風光明媚な場所に置かれていた。

Photo Credit: Racing The Planet
Photo Credit: Racing The Planet


写真撮影するのを忘れたが、CP2の裏側には大きな川が流れている。ちょうどビデオジャーナリストのマイケルがいて、めざとく私を見つけると、
「ちょっとだけ撮影いいかな。」とコースを少し外れた、川の流れがよく見える岩場に連れて行かれて、インタビューが始まった。

後から見たら、レース中にコース外れて、気前よく、時間を割いてインタビュー受けたのに、ここ全部カットされてましたわ(涙)


気を取り直して、雑木林の中を黙々と歩く。
すると、遠くから人の声が聞こえてくる。何事かな?と思いながら、その声がする方向に近づいていくと、川渡りだ。

ボランティアスタッフが小船での川渡りを手伝ってくれていたのだ。良かった、ジャングルマラソンみたいに、自力で川渡りしなくて良いのね(笑)



CP3、CP4を抜けて、CP5に向かう林道を歩いていると、前方から大会車両がやってきて、スタッフにこう告げられた。

「この先に怒り狂ったトナカイ(Mad Reindeer)がいるから気をつけてね。」

え?怒り狂ったトナカイ?気をつけてねって、どう気をつければいいの?ここからCP5までは、狂ったトナカイが私の頭の中を占拠する。

こういう時には必須装備のホイッスルで威嚇するとか?あー、ストック持ってないから、なんか武器になるような木の枝が必要かな?


と、そうこう考えているうちにCP5に到着する。

Photo Credit: Racing The Planet

韓国からやってきたボランティアスタッフ、ジューが待ち構えていた。ジューは、ジョージアでは一緒に走った仲間で、今回はボランティアとして、そして次のアタカマ砂漠では選手として参加するとのことだ。

CP5で続々と日本人選手が集結して、ワイワイと楽しいひとときを過ごす。


重い腰を上げてCP6へ向かう。
日暮れまでまだまだ時間はあるが、少しずつ冷え込んできている。なんの変わり映えもしない林道をひたすらテクテク歩く。


CP6に着いた時には少しずつ日が傾き始めていた。そういえば、レース中は疲労回復のためになるべく早く寝ようと、21時には既に就寝していたので、日没は何時なんだろ?と焚き火のそばで暖をとりながら考える。

そこにちょうど日本人選手のTさんがやってきた。ステージレースが初めてとは思えないほど、安定したペースで距離を刻んでいくパワーウォーカーだ。私はまだ火のそばから離れることができず、ダラダラしていたら、Tさんが先にCP6を出発した。


私も重い腰を上げて、CP6を出発する。
遥か前を歩くTさんを見失わないように、歩みを進めるが、どうもお腹の調子が芳しくなく、前後すぐそばにランナーがいないことを確認して、ひっそりとコースをちょい外れておトイレに….(汗)


CP7に到着した頃にはもう辺りが真っ暗になっていた。CP2にいたトナカイコスプレをしていたドクターが、CP6に移動していたのだが、なんか1人テクニカルパレードみたいな状態になっている。写真を撮っていなかったのが残念。


ザックの背後には後方選手の道標となる点滅ライトをつけなければならないが、私の点滅ライトはあまり発光状態がよろしくないと、蛍光スティックをブスッとザックに刺される。次のアタカマ砂漠では新しいもの用意しないとなぁ


ここからはゴールまで9kmくらいなのだが、辺りが真っ暗なこともあって、1番長く感じた区間だ。途中、林道から舗装された道路に変わり、脇道を歩く。

ゴールはもうすぐのはずなのに、なぜか遠回りさせられているのではないかと思うほどにゴールが近づかない。


深夜1時すぎだったと思うが、静まったキャンプ地にゴール。疲れたー。


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●第5ステージ
[開催]2022年8月18日(木)
[距離]81.2km
[スタート] 現地時間 8:00

ガーミンの記録、途中でバッテリー切れ
途中でバッテリー切れちゃいました

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