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4.アタカマクロッシング 2022 / Day4: 休息日


3日目のレース後に連れてこられた「避難所」は、町のイベントを行う集会所みたいなところだった。そこに選手とスタッフ150名近くが雑魚寝して一晩を過ごすことになった。

こんな大人数が同じ建物の中で寝ていると、あちこちからいびきや物音が聞こえてきて、夜中にちょいちょい目が覚めてしまう。

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私の隣で寝ていたイギリス人選手はものすごいいびきだったわ。元々は私の隣には日本人選手のモリモリが寝る予定だったのだが、彼はコロナ感染予防対策でマイテントを持参していたので、外にテント張って寝ちゃった。

そこに「ここ空いているかい?」とやってきたのが例のいびきの彼だ。
「今から僕が(外に行っていなくなったモリモリに代わって)友達だ。」と言っていたフレンドリーな彼なので憎めない(笑)



4日目の今日は44.3kmの距離をこなす予定が、急遽、休息日となった。


前日の砂嵐は風速7-80km出ていたらしく、かなりヤバイやつだった。しかも、私がコース上で苦しんでいる間に、キャンプ地では砂嵐で飛んできた木製のテーブル(結構重いよ!)が足に当たって負傷したランナーがいた。

今年のナミブレースで総合優勝したスイス人選手だ。キャンプ地が砂嵐に見舞われ、テントなどの撤収を手伝っている時に起きた不幸な事故だった。手伝っていたなんて何とも紳士の彼らしい。本人は走れると言っていたらしいのだが、ドクターストップがかかったとのこと。もう何と言っていいのか、かける言葉が見つからなかった。


で、4日目の今日もコース上では砂嵐の予報が出ているらしく、急遽、休息日になったというわけだ。これがサハラマラソンだったら、そのまま続行となるだろうが、主催が変わると対応も変わる。選手やスタッフの安全を考えての判断だ。



休息日と言っても、食べるか、仲間達と喋ってるくらいしかない。

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ロングマーチの後の休息日に消費する予定だった食料を飲み食いしながら、ダラダラと「明日はレース再開になるかなあ?」なんて、くっちゃべって過ごす。



昼過ぎ頃に、レースディレクターから今後についての説明があった。

Photo Credit: Racing The Planet


避難所のすぐ近くにキャンプ地を設営したので、これからすぐに移動開始する。翌日はステージ4から再開するが、コースを一部変更する。そして、ロングマーチ後の休息日はおかずに、すぐに最終日のランを行うとのこと。

総距離が当初のものより短くなるが、まあ仕方ない。あと、ロングマーチの後に休息日がなく、そのままラストランに突入するので、体力回復が間に合うかがちょっと心配だが、ラストランは10kmとか短いのでまあ何とかなるっしょ。

これだけの決定をすぐに下す運営は素晴らしい。


ということで、すぐそばのキャンプ地に民族大移動だ。

Photo Credit: Racing The Planet
Photo Credit: Racing The Planet

コロナ感染対策でシングルテントを持参していた選手はそのままテント持って移動していた(笑)



たった一晩なんだけど、テントメイトと離れて過ごしたのがとても寂しくて、みんなと再会できた時は嬉しかった。ホッとした。

テントメイトはポーランド人(女性)、台湾系アメリカ人(男性)、デンマーク人(男性)の4人なんだが、みんながみんな同じことを思っていたようだ。

ジョージアのレースの時から「テントメイトの国籍は問わないが、日本人だけで固めないでほしい」旨を伝えているので、多国籍メンバーになっている。今回のレースでのテントメイトは大当たりなんだよな。



そして、キャンプ地に落ち着いてからのサプライズ。

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なんと、ピザ2切れずつの配給だ💖
ありがたく頂きました。ピザを片手にボロボロの姿で写真撮ったのはご愛嬌。


さて、明日はレース再開しますよー。



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