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6.アタカマクロッシング 2022 / Day6: The Long March (68km)


朝、フラスクに水を補給しようと、水タンクの蛇口を見てみると、ゲゲっ!凍ってつららができてるではないか。

なんと昨晩は、マイナス7度まで気温が下がっていたとのこと。

レースディレクターのサムいわく、ここ10年くらいで1番の冷え込みとのことだ。なので、みんな、「昨晩は無茶苦茶寒かったねー」なんて言っていたのだが、実は、私、気がつかなかったんだよねえ…..。

というのも、コロナ感染予防対策でテントの風通しを良くするため、今年はドロップバッグにもう1つの寝袋か毛布を預けていいことになっている。で、今回は、南極で使う予定の極寒用の寝袋を預けていて、ザックに背負っているやつと2枚重ねで寝ているもんだから、ポカポカ温かいのよ。



さて、本日はロングマーチ。
コースブックには73.8kmとあるが、若干のコース変更で68kmになる。制限時間は確か20時間とかだったけな?


まずは湖畔のふかふか、ズボズボな足場からスタートだ。

Photo Credit: Racing The Planet
Photo Credit: Racing The Planet
総合2位、3位争いをしているグランドスラム仲間のモリモリとマット



なんか臭い水溜りはあるわ、つまづきやすいブロッコリー的な土の塊がぼこぼこしているわ、柔らかくて足がズボッとはまる場所はあるわ、とにかく走りづらい。

トップランナーのモリモリに足場をどう見極めているか、キャンプ地でくつろいでいる時に聞いたら、とにかく気にせずにガンガン行っているとのこと。なるほど。


朝のブリーフィングでは6-7km地点にCP1があると言っていたはずなのに、6-7km地点にきても、それらしき影も形もない。おかしいな、聞き間違えたかな、とどんどん歩みを進めていくと、14kmあたりのところでようやくCPを発見した。

が、CP2ってなってる!!
えっ?CP1を飛ばしてしもたん?そんなわけない!と思っていたら、なぜかCP1は廃止になっていたらしい。おー、そういうことね。



そして足場が変わり、硬い地面になり、少しは走りやすくなった。

Photo Credit: Racing The Planet

元々、海だった場所が干上がってこうなったのか、白い石っぽいやつは塩である。記念に岩塩持って帰るかと思いつつも、なんかちょっと汚い感じ。まあ、またどこかで現れたら拾っておくか、と思ったら、もうその機会は来なかった。



CP4でサプライズで、冷えたコカコーラを頂いたらご機嫌モードになる。



道のりはほぼほぼ平坦で楽勝じゃん、と思ったところにこれですか、、。

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3日目の大砂丘と負けじ劣らずの急勾配だったわ。



…….からの、砂丘下りである。下った先にはCP5が見える。

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ちょっと小走り始めたら止まらない。

先行しているノルウェー人選手、ガブリエラに追いついた。彼女は避難所で私の隣に寝ていて、怪我でリタイアとなったスイス人選手と同じテントだ。彼が怪我していた時ずっと付き添っていて、彼のことが好きなのかな?同じファンとして、キャッキャキャッキャその彼の話で盛り上がった仲間だ(笑)

CP5ではお湯が支給されるので、スープを飲むと言っていたガブリエラとはここで別れる。


そして、アタカマ砂漠の観光名所、見どころの1つでもある「月の谷」へ入る。

通常はビジターセンターで入場料を支払っての見学になるが、レースのエントリー費用にそれも含まれている。

この月の谷はロングマーチで、夜間に走行するから何も見えないと過去参加者に聞いていたのだが、コース変更で少し短縮されたおかげか日が暮れて、真っ暗になる前に通過することができた。



月の谷に沈む夕陽が、岩肌を燃えるような真っ赤な色に変えていく。

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その美しさに目を奪われ、ずっと見つめていた。


ゴールしたのは20時頃で日が暮れてすぐで、なんとか完全に真っ暗になる前にゴールできてホッとした。ゴールそばには現時点で圧倒的な強さで総合1位のイギリス人選手、ロブがいた。

気になったので、いつゴールしたか聞いたら、
「うーん、14時くらいかな。」
って、聞くんじゃなかった….速すぎるわ!



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●第5ステージ
[開催]2022年9月30日(金)
[距離]68km
[スタート] 現地時間 8:00

ガーミンの記録
当初より約6kmほど短縮された


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