5.ジョージア 2022 / Day5: The Long March (73.6km)
ロングマーチの日。
朝のブリーフィングでコースを短縮する旨が伝えられた。短縮されるのは「Very Difficult」とコースノートに記載があるアブリ要塞(Abuli fortress)がある山の頂上までの道だ。その距離10kmが短縮される。
頂上の天候がよろしくないというのがその理由だ。
この日は避難所からのスタート
8時スタート。
トップ選手が一斉に村の道路をひた走る。
村を抜けると、草原に出る。
お馴染みの風景だ。
今日は長い１日になるのだから、焦ることはない。自分のペースでゆっくりと進むだけだ。
と言いながら、また村に入るとカメラマン達が待ち構えていたので、ちょっと走ってカッコつけてみたりする。
とにかく調子が良いし、今のところいい天気でご機嫌なので、歩きながらブツブツ言って動画撮影してみる。
CP4に向かう途中、草原を抜けると、なんとも趣のある石橋がある村に入った。
いやぁ、ここも美しい村だったな。
天気が良いと村から村へ渡り歩くのが楽しい。
天気が悪いと、村の道路がぐちょぐちょで、しかも家畜の糞尿が混じっているのかなんとも素敵な匂いがするので、気分もダダ下がる。
畑の中の畦道を通る。何を栽培しているんだろう、、じゃがいも？
その畑の中にCP4があった。
ここでサプライズでコカコーラが配られた。って、何となーく、今日この辺りでコーラもらえたりして、と思っていたんだよね、実は。
冷たいコーラで糖分チャージしたら、再び、コースに戻る。
ジョージアはほんと野花が可愛らしいよなあ。メルヘンチック。
そして、線路に沿って歩く。
線路は続くよ、どこまでも。
途中で、ずっと私の前を歩いてたテントメイトの中国系スイス人選手、アイジンが立ち止まり靴を脱いで足の様子を見始める。彼女はナミブレースで初めて会って、このレースでテントメイトとして再会した。
いつもは先を歩いていて、コース上で見かけることがなかったんだけど、足にマメができちゃったのね。
声をかけて、抜いたのだが、しばらくしたら追いつかれて、抜かれてしまった。強い。やはり強いよ。
CP5を抜けて、ゴールまであと12kmってこれが1番辛かった。舗装路をずっと歩かされるのだ。
私の前に見覚えのある後ろ姿の日本人男性が歩いている。あ、S君だ。ちょうどそこに大会車両が止まって、車の中から誰が出てきてS君と話して、ハグ？しているように見える。
あ、昨日リタイアした韓国人選手か。
彼はザックを２つ前後に携えてゆっくりと後方から歩いていたのだが、残念ながら、昨日リタイアしたのだ。
そのS君に後から驚かさないように声をかけてから抜いた。しばらくすると、背後からリズム良く走ってくる音が聞こえた。あ、S君かな？と振り向くと、、
えっ！？アメリカ人選手のウォーレンおじさんだった。嘘でしょ？あの時、完全に叩きのめした(？)と思ったのに、この最後の最後でそれだけ走れる力が残っていたことに驚いた。
このウォーレンおじさん、なぜだか知らないが私をライバル視していて、
「今日はお前が速かったな。」
「今日は俺が勝ったな。」
と毎日話しかけてきて、勝手に私を勝負の土俵に引きずり上げてくるのだ。
なので、今日は決定的な差をつけて黙らせてやると思って、序盤から引き離しにかかり、CP4の時点で完全に引き離したと思ったのに、、。
もう彼を走って追いかける元気はない….。
追い打ちをかけるように、ラストスパートの林道に入ると、天気が崩れ始めた。
雨が降り始めたが、もうゴールまであと少しだし、せっかくしまったレインジャケットを再び出すのが面倒なのでそのまま歩くことにした。
そして、また、ビデオジャーナリストのマイケルに捕まり、インタビューを受ける。（これも無事に採用された。）
そして、ついに、、、
ゴール！！！長い１日が終わった。日が暮れる前にゴールできて良かった。
少し前にゴールしていたアイジンのお出迎えがめちゃくちゃ嬉しかった。
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●第5ステージ
[開催]2022年6月23日(木)
[距離]73.6km
[スタート] 現地時間 8:00
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