やさしい魔法

８月の終わりに
考えをめぐらせていたら
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ふと
なんだか言葉にしがたい感情が
胸を覆った
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賑やかなまちを歩いているのに
ふっと淋しさに絡め取られてしまう
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そんな孤独なきもち
ひとりぼっちで泣けてきそうで
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なんだこれはと顔をあげると
小さな赤ちゃんと目が合った
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お父さんの肩越しに
うしろを見ていた赤ちゃん
首が座ったばかりだろうか
かなり小さい
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思わず見とれてしまったら
赤ちゃんもじっと食い入る
ほほえみとまがおの間の
なんとも独特な表情
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笑ってくれたらいいな
そんな想いで見つめるうちに
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声を出して私は笑顔になっていた
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あの時ね
赤ちゃんが目をそらしていたら
私もしかしたら
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また得体の知れない孤独感に
舞い戻っていた
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あなたがじっと見つめてくれたのは
偶然じゃないんだね
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ありがとう
笑わせてくれて
ありがとう
笑顔の私を見届けてくれて