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学生時代の「部室」のような、音楽を楽しむきっかけの空間をつくりたい

「 『魅せる』ではなく、そこに『ある』ような演奏 」

中学から大学まで約10年間、吹奏楽を続けてきて、
大学の頃、あまりにも演奏できる場所が少なく、見つけられても高価で困惑した経験をした時、もっと日常で身近な演奏場所が欲しいと感じました。

そう思った時から、将来、音楽ができる空間をつくろうと思いました。


自由な音楽が、どこか不自由だと感じてしまう日常

学生時代、吹奏楽部に入っていました。
当時、楽器を吹く場所は「学校の音楽室」か「教室」など、学校内でした。もしかしたらもっと色んな練習場所はあったのかもしれないけど、
演奏するには、時間も場所も限られていたな、と今振り返って思います。

大学生の頃に、新しい演奏会をする場所を探していた時期がありました。
検索しても、借りるのに高すぎて断念したところが多かった。その時に、気軽に演奏ができる場所って少ないのかもしれない、と感じました。

ここ数年前に、ストリートピアノをよく見かけるようになったけど、
私の周辺だけかもしれないけど、最近は全く見かけなくなった。

演奏するのは楽しいし、何歳になっても楽しいと感じる「自由」が感じられるものと思っていますが、音楽をするにはどこか制約があって、なぜか不自由さを感じてしまう矛盾を痛感する場面があります。


「どこか敷居が高く感じて、踏み切れない」の言葉

上記のような言葉を会話の中で聞いたことがあります。

「大人になって、サックスやってみたいなーと思ったんだけど、楽器やったことないしなんとなくハードルが高く感じちゃって踏み込めないんだよね」

会話の中で、このようなニュアンスの言葉を聞いたとき、なぜか寂しさを感じました。
演奏することが楽しかった学生時代の記憶が自分の中にあって、それは学生の頃に楽器を始めたことがきっかけで。わたしの場合は、そのきっかけが部活だった。

大人になってからだとなんとなくハードルが高く感じてしまい、
かつ、学生時代の「部活」のようなきっかけの場所がない。これが「どこか敷居が高く感じてしまい、踏み込めない」理由なんだと痛感しました。


日常に「部活」のようなきっかけの場所を。日常に「教室」のような演奏場所を。そこに「ある」ような演奏を。

このイメージが、わたしが将来実現したい空間です。

少し遠くから演奏。
いいなーちょっとわたしもやってみたいなーと思いながらも一定の距離感で眺めるだけの音楽を、

近くで演奏を聴けたり、
演奏者とたわいもない即興の会話ができたり、
楽器に触れて、ちょっとやってみることができたり。

これは、わたしが楽器を始めた中学生の頃の部室の様子と同じでした。
初めてみる楽器。こう吹くんだよって教えてくれた先輩。自由に奏でることができた空間。

あの瞬間と空間があったから、今でも音楽が好きな自分でいられているんだと気づきました。

大人になってみると、そういう空間があまりにも少ないと感じ始めて、
だけど、年齢関係なく、いつでも音楽に触れて好きになる「部室」のようなきっかけの場所と「教室」のような演奏場所があってもいいんじゃないかと思っています。


音楽を「聴く」「演奏する」「練習する」が全てできる空間をつくりたい

理想の空間は音楽を「聴く」「演奏する」「練習する」が全てできる場所です。
イメージだと、学校の部室・教室と小さなコンサートホールが一体となったような空間です。

コンサートホールも、かっちり舞台と客席が分かれて整列しているわけではなく、
例えば路上演奏のような、お祭りの盆踊りの舞台のような、広い公園に即席で設置した舞台のような、施設の一角のスペースのような、そんな空間をイメージしています。

これらは全て、わたしがこれまでで楽しかった、記憶に残っている演奏会の場所です。
演奏している時、聴いてくださっている方の笑顔、手拍子を本当に近くで感じられて、本当に楽しかった記憶が今でも残っています。
大きなホールでの演奏ももちろん好きだったけど、わたしが特に好きな演奏会は上記のような場所でした。


小さな演奏会ができて、そこで演奏を聴いた方が「自分もやってみたいな」と思った時、実際に楽器に触れて奏でてみることができる場所。
昔楽器をやっていた方、今も現役で楽器をしている方、趣味で楽器を続けている方が、新しく楽器をやってみたいと思った方に教える(レッスン)ことができる場所。
ここに来れば楽器を自由に練習できる、と思ってもらえるような場所。

そんな小さなプラットフォームをつくりたいと思っています。


どんなところであれば実現できるのか。
どうすれば実現できるのか。
まだまだわからないことも多いし、だからこそ、小さく試していきたいと思っている段階です。


自分が音楽を好きになった、演奏って楽しいって純粋に感じるきっかけとなったような中学時代の「部活」のような機会を、これからつくれるようにしていきたいと思います。

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