大人になって春が好きになった
春が嫌いだった。
環境の変化にめっぽう弱いから。
学生時代はクラス替えが苦痛でしかなかった。仲の良い子と違うクラスになって、心細くて、緊張して、人の輪に入れなくて、でもお弁当1人で食べるのはつらくて、また新しい友達をつくらなきゃいけないのか、と途方に暮れた。
同時に桜も苦手だった。
クラス替えで最悪な気分の私には満開に咲く桜がこたえた。
その鬱鬱とした気持ちが沈静化していったのは、社会人になってから。
多分、友達がいないと人生おわりみたいな価値観から解放されたからだと思う。
群れたり、大勢の人の輪に入るのが苦手な私にとって、「社会人」は結構ラクだ。
会社は仕事をする場でいい、会社で友達をつくろうとしなくていい、というスタンスが許されるから。
こういう人なんだな、って思われておわるある意味ドライな感じがちょうどいい。
桜も素直にきれいと思えるようになった。
大人になるってわるくないよね。
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