見出し画像

FP1級・学科試験概要|受験資格、出題方式(基礎・応用)、受験者数、合格率

近年、急速に受験者数が増加しているFP1級。2000万円問題などがブームとなったためか、需要が激増しています。

今回は、FP 1級の学科試験の特徴について、解説をしていきたいと思います。

受験資格(学科試験)

  1. 2級技能検定合格者で、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者

  2. FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者

  3. 厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者

きんざいホームページ参照(http://www.kinzai.or.jp/ginou/fp/sikaku.html

受験資格を有するのは、上記の3パターンのいずれかに該当する人物である必要があるありますが、現実的に考えれば、1番目のパターン以外には事実上存在しません。仮に2番目のケースに該当する場合でも、いきなりFP1級から受験するのは知識的な面から無謀と言わざるをえませんので、3級→2級→1級と段階を踏んで受験することをお勧めします。

さて、ここで問題になってくるのは、「実務経験って、何を指しているの??」という点だと思います。一応、こちらもきんざいが出している例があります。(http://www.kinzai.or.jp/ginou/fp/jitsumu_keiken.html

金融機関や不動産会社、会社の経理担当、各種士業の方及びそれらの業務に従事している方などは、全く問題ありません。では、そうした業務に従事していない方はどうかというと、線引きはかなり曖昧なようですね。会社内で、ほんの少しだけ経理っぽいことをしている人や、インターネットサイトを作成してコンサルっぽいこと(メール相談とか)をしている人なども、問題ないようです。

実務があるかどうかというのは、証明不要の自己申告です。金融機関に勤めているからといって、全員がFP業務らしいことをしているかといえばそうではありません。自分で本やセミナーで勉強したり、友人のお金周りの相談に乗っている方などの方が、ずっとFP業務について詳しいかもしれません。

ですので、サイト主の個人的な見解ですが、「実務経験」については、それほど悩む必要なないのではないかと思います。面接等で聞かれたとしても、「会社で過去に経理を行っていたことがあります」くらいのことを発言しておけば問題ないと思います。

受験日程

5月、9月、1月

FPに関しては、受験募集の締切が結構早いです。試験日の2ヶ月半〜2ヶ月前くらいに設定されている為、忘れずに申込みましょう。また、申込みに当たっては、自分にプレッシャーを与える意味でも、団体申込を利用し、会社に合否が通知されるようにすることをお勧めします。

試験料金

8900円(消費税非課税扱い)

学科試験プロセス

午前:基礎問題 四肢択一問題50問 150分 100点満点
午後:応用問題 記述試験大問5問 150分 100点満点

午前試験、午後試験の合算で判断し、120点/200点(得点率60%)以上で合格。

たかが正答率60%、されど正答率60%。試験時間も比較的長いですし、60%くらい簡単に得点出来そうな気がするのですが、これが全くそうではありません。

まず、試験は基礎・応用という区分がある訳ですが、基礎問題の方が簡単ということは一切ありません。基礎問題は、FP試験が対象としている非常に広い試験範囲の中から、重箱の隅をつつくような問題や最新の法改正・制度についての突っ込んだ問題が数多く出題されます。

また、試験範囲が広いゆえに、他の試験と比較すると過去問の類問出題が非常に少ないです(過去問演習が重要でないということではありません)。ですので、四肢択一問題であるにもかかわらず、基礎編の試験難易度は非常に高いです。

応用問題に関しては、出題傾向がある程度決まっているので対策がしやすいため、多くの参考書や勉強サイトでは、「まずは簡単な応用問題から勉強するべし」といったことが記載されているほどです。

ただ近年は、「応用問題は簡単」という傾向が若干変わってきている印象があります。

というのは、以前は過去問踏襲率が100%近い水準だった訳ですが、最近はそれが低下しつつあり、それまでの過去問とは全く異なった出題がなされることも結構増えてきています。実際、H29/9の試験においては、基礎問題が比較的難しかったということに加え、応用問題において出題傾向に著変があったことから、合格率は5%を切る水準(!!)でした。

ですので、応用問題においても広く対策を行う必要が生じてきており、試験対策は相当程度しにくくなっている印象です。

受験者数、合格率

受験申請者数は年々激増しており、5年で1.5倍に増え、今では年間3.5万人が受験するまでになりました。

合格率については、2013/9以前のデータを見てみても、概ね10〜15%で安定していますが、たまにジェノサイドが発生して合格者200人代・合格率5%未満なんて試験もあります(この時の試験では出題傾向は大幅に変更になり、多くの受験者が応用問題の大問ごと白紙回答をしました)。

何れにしても、FP2級合格者であり実務経験を有しているような人物であっても、8人に1人くらいしか合格していないような試験です。難易度は、かなり高いといえるでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?