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椎名林檎 モルヒネ 歌詞考察


愛する人が居なくなったとき、
本当に悲しくて苦しいはずなのに
なぜかあまり悲しさを感じない。
「家帰ったらあれしなきゃ。」
とかなぜか意外と現実的なことを考えてしまう。

時が経って、自分でも驚くタイミングで
貴方がいなくなったことを思い出して
悲しみが溢れ出す。

それは脳が出すモルヒネの仕業。

歌詞考察はこちら↓

家にはひとりで帰ります
あたしには鳥が4羽ついてるので
→警察に淡々と答えた。
「家には1人で帰ります。
一緒に飼っていた鳥が4羽いますので」

家には納豆が有ります
あたしにはグリコゲンがあるし
→なんらいつもと変わらない日常。
家には今日の納豆があるし、
全然帰れるエネルギーもあるし。

驚きなのは地下鉄のレール
→でもいつもと違ってちょっとびっくりするのは
血が飛散した地下鉄のレール。


素敵な貴方をたたえます
あたしにはとりえなんて無いですので
素敵な赤色のボトムス あたしには少し似合わないし
驚きなのは空色のカーテン
→やっぱり貴方はとても素敵です。
血で染まった赤色のボトムスがよく似合う。
なにこの空色のブルーシート。
いつも地下鉄にはないからびっくり。


あたしの脳のなかで麻薬物質は
とめどなくとめどなく排出されゆき
あたしはひたすら、だ液を吐き捨てる
密やかな密やかな行為に専念していました
→貴方が飛び散ったのに、悲しいと感じない。
家に帰ったら貴方がいそうで、どこからか不意に帰ってきそうで、この血は貴方のものだと思えない。
今は痛みを忘れさせるモルヒネに近い脳内麻薬が
私の脳みそを覆っている。

飛び散った姿を見ているのに
なぜかどうでもいいことを考えそうになったとき、「悲しまなきゃ」と唾液を吐き出すようにその雑念を体の外に出すので精一杯だった。


驚きなのは空色のカーテン
あたしの頬が赤く染まりゆく中で
高らかな高らかな貴方の声を聞き
あたしはひたすら目をつぶって昔の
密やかな密やかな夢を見続け

→場面は飛んで、
あなたがいなくなってから部屋に上がった
男の家のカーテンは空色だった。
男の高い声を聞きながら
行為中にあなたのことを思い出す。


あたしの脳のなかで麻薬物質は
とめどなくとめどなく排出されゆき
あたしはひたすら、だ液を吐き捨てる
密やかな密やかな行為に専念していました

→貴方のことを思いながら絶頂に達する。
貴方へ溢れる思いを精一杯考えないようにして
行為に専念している。

解釈

あまりにショックなことが起きると
人間の脳は麻薬物質を出して
悲しみを麻痺させる。

その脳内麻薬が切れる頃、
とてつもない悲しみがやってくる。

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