駄菓子屋のおばあちゃんが教えてくれたはじまりの1。 8/100
いまでも大好きなもの、駄菓子。
大人のみなさんは、大人買い、一度はしたことあります?ないです?
駄菓子なんてそんな身体に悪いもの、嫌いだっていう、画面の向こうのあなた。
あなたにこそ、読んでほしい!
子どもの頃の私は、お金の価値なんて本当に知らなかったです。
きっと、みんなそうなんだろうと思います。
お父さんや、お母さんや、おじいちゃんや、おばあちゃんのお財布の中から、わいてくるように捉えていたお金。
人によるかもだけど。
駄菓子屋さんはきっと、子どもにお金の価値を教えてくれる、いちばん近所のそこらへんのおばあちゃん、なのです。
おもしろいおばあちゃん、いた気がする。てか、いました。
夏なんて毎日、そこでアイス買ってたと思う。
大人のお財布からお金が出て来て、魔法のように美味しいものが手のひらにある。
当たり前だと思っていました。
ある日、庭先でお金を拾いました。
私はお金の価値を知らないので、
「これがあったら、何を買えるんだろう?」
と空想しました。
のしいかの一個くらい買えると思ってました。
そりゃあもう、スキップしながら、駄菓子屋さんに行きました。
中から出て来たおばあちゃんに、お金を見せて、
「これでなにが買えますか?」
覚えたての敬語を使ってみたりして、大人の仲間入りだとでも思っていたのだろうか(笑)。
駄菓子屋のおばあちゃんは、めんどくさそうな顔でひと言、
「一円じゃ何も買えないよ」
と言って奥に引っ込んでいきました。
しゅるるるる。
何も買えない!
えー!!!
私の手のひらの中にあったのは、一円玉でした。
これが私の一円との出会いなんですが、ショックは大きかったです。
一円玉が10個あったら、当時は飴玉が買えたから、10個集めれば良かったのに。
いまとなって思っても、それは私が大人だから、10個集めると飴玉になることを知っているだけの話です。
のしいかを食べられない、っていう価値もあるのか……。
大きな学びでした。
でも大きくなるにつれて、あといくらあればこれが買えたのに!っていうことも、ちゃんとありました。
一枚、二枚、三枚……一円足りなーい!
皿でも数えてます?(笑)
うわあ、きょう寒いね。雨だね。
あのとき何も買えなかった一円玉は、きょうもお財布のなかで、今か今かと出番を待っていたり、するかもしれないです。
1の倍数、2の倍数、……。
足してもいいかも。
いちたすいちはに。
にたすいちはさん。
一円玉は目に見える日本円のはじまりでした。
あの日、神社で拾った一円玉。
かける2枚(過去記事参照)。
もしかして、もう一度、思い出させてくれたのかもしれないです。
最近めんどくさいし、手数料もかからないから、お金を下ろさずに、カードやキャッシュレスで支払ってばっかりだけど。
たまに現金で買い物してると、あのときのこと、思い出します。
稼いでも、拾っても、一円玉は一円玉のはたらきをする。
それ以上でも以下でもなく。
一から学び直すなんて、思ってもみなかったな。
もう大人だから、一円玉を集める日々を送ろう。
だって誰かの手から生み出されたナニカ、目の前にあるものとか全部、それがなかったら何も出来ないし、生きてない。
あした、ないと生きてない話をしますね。
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