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美しいやまと絵にうっとり... | 歌と物語の絵(泉屋博古館東京)

今回は、6月1日(土)から泉屋博古館東京にて開催中の「企画展 歌と物語の絵ー雅やかなやまと絵の世界」についてご紹介します。

展覧会について

《是害房絵巻》(部分)
南北朝・14世紀 重要文化財 泉屋博古館

古来読み継がれてきた物語は 長きに渡って絵画と深い関係にありました。和歌もまた、三十一文字の世界が絵画化されたり、絵から受けた感興から歌が詠まれたりと、相互の刺激から表現が高められてきました。

《乾坤再明》原田西湖
明治36年(1903) 泉屋博古館東京

物語絵や歌絵の特徴の特徴のひとつは繊細な描写典雅な色彩。宮廷や社寺の一級絵師が貴人の美意識に寄り添い追求した「やまと絵」の様式を継承しています。この展覧会ではそうした近世の人々の気分を映し出す、選りすぐりの作品が館蔵の住友コレクションより紹介されます。雅やかで華麗、そして時にユーモラスな世界を楽しむことのできる貴重な機会です。
※典雅(てんが):整っていて上品なさま。

みどころ 1 - やまと絵を一挙公開

《伊勢物語図屏風》(左隻)
宗達派 桃山~江戸・17世紀 泉屋博古館
《伊勢物語図屏風》(右隻)
宗達派 桃山~江戸・17世紀 泉屋博古館

泉屋博古館が所蔵する住友家歴代収集の日本絵画には、平安時代から培われてきたやまと絵が一気に広がった桃山から江戸時代前期の絵巻・屏風の作品群が含まれます。かつて一部の貴人のためだったやまと絵は、より広い層に向けて一段と親しみやすく視覚効果の高いものへ生まれ変わっていきました。

みどころ 2 - 古典文学に一歩近づく

《竹取物語絵巻》(部分)
江戸・17世紀 泉屋博古館

知っているようで知らない、古典文学。江戸時代の人々もみんなが全編を読破していたとは限りません。屏風や掛軸には特徴的な場面が選ばれ、さらにはその時代ならではの好みや解釈が反映され親しまれました。挿絵入りのダイジェストやパロディ本も人気だったといいます。このようにして古典文学の世界を身近に感じることで、読み継がれてきたのかもしれません。

みどころ 3 - 細部こそ見せ場

《平家物語・大原御幸図屏風》
桃山・16世紀 泉屋博古館

手元でじっくり楽しまれた絵巻、座敷で空間とともに楽しまれた屏風…
ともに間近で鑑賞されたやまと絵は細部な描写こそ本領といえます。今回文化財用高精細スキャナーで撮影した3点の物語絵屏風の拡大画像が展示されます。ガラス越しでは見つけにくい細かな要素も見ることができるため、普段よりもぐっと古典文学の世界に近づけるはずです。

Writer's Messege

泉屋博古館東京さんで開催される展示は毎回テーマがとても面白くて、個人的にすごく好きな美術館です。今回は歌と物語の絵!やまと絵を特集する展示は少なくありませんが、その様式を継承する物語絵、歌絵にフォーカスされ、繊細で美しい絵画が展示されます。さらに気になるのは物語絵屏風の拡大画像展示!屏風って大きい分、展示会場だと意外と細かいところがなかなか見えにくいですよね…痒い所に手が届くような展示方法が嬉しいです。(伊沢菫)

詳細 / アクセス

【展覧会名】
企画展 歌と物語の絵ー雅やかなやまと絵の世界
【美術館名】
泉屋博古館東京
【開催期間】
2024年6月1日(土)~7月21日(日)
【開館時間】
11:00~18:00 (金は19:00まで)
※最終入場は30分前まで
【休館日】
月曜日,7月16日(火)
※ただし7月15日(月)は開館
【入館料】
一般 1000円
高大生 600円
中学生以下無料
【アクセス】
東京メトロ南北線「六本木一丁目駅」徒歩3分
東京メトロ日比谷線「神谷町駅」4b出口 徒歩5分
東京メトロ銀座線/南北線「溜池山王駅」13番出口 徒歩10分

画像提供:泉屋博古館東京

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お楽しみに!

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