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21/22ドイツ・ブンデスリーガ第18節フランクフルト対ドルトムント試合結果

Lemです。年内初戦を劇的勝利で飾り、結果としては好発進でスタートできたということは本当によかったかなと思います。

前半戦の流れを断ち切るような勝利ではあったものの、前半戦の課題は改善されておらず、自分たちから状況を好転させたというよりかは、フランクフルトの重心が下がったことをきっかけにアザールを投入して流れを変えたという風に感じたので、私個人としては、アザールの投入がきっかけではなく、フランクフルトのシステム変更をきっかけとして状況が好転したなと言う風に感じました。

ただ、何よりも勝ち点3を獲得し、バイエルンとの差も6に縮まったということは大きい。日程に余裕があるものの、ブンデスリーガの上位陣との対戦が続くので、こういった劇的な勝ち方はチームのムードを高めるという意味でも本当に価値のある勝利になったなと思いました。

試合内容を振り返りつつ、前半なぜうまくいかなかったのか。そして後半なぜ逆転できたのか私なりに考えていきたいと思います。

では、本編へ

スタメン予想の答え合わせ

前回の投稿でスタメンは以下のように予想しました。

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今節のスタメンは以下のようになりました。左右が逆になっていて申し訳ありません。左がHOME、右がAWAYなので、予想スタメンの方が逆です。

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ホームのフランクフルトは11人中8人、アウェーのドルトムントは11人中11人と全員的中しました。当たったからなんだというわけではありませんが、なんとなくうれしいですね。

フランクフルトはコロナ陽性からの復帰選手は起用せず、ソウ直でコロナ陽性となり離脱してしまっていたため、元々の離脱者も含めてなかなか厳しい状況だったのではないかなと思いました。

一方、ドルトムントはアカンジ、ザガドゥの不在はあるものの、他のポジションでは割と戦力が整っており、ベストメンバーではないものの、一時期の状況から考えるとかなりよくなっているなと感じました。

試合展開

前半入りはドルトムントペース。

前半2分 フンメルスのフィードにムニエが抜け出す。そのままPA内に持ち込みシュートを放つも僅かにトラップが触れ、ポストに当たり、CKに。

ドルトムントがボールを支配し、相手陣内に侵入。特にコスティッチの裏のスペースを利用して得点のチャンスを伺う。一方フランクフルトは自陣深くで奪っても思うようにボールが繋がらず、前線からのプレスも特にゲレイロのサイドで躱され、難しい入りとなった。

しかし、フランクフルトの継続性、連動性のあるハイプレスに対してドルトムントは徐々に苦戦を強いられる。

前半15分 ジャンが自陣右サイドでボールを奪うと、前のブラントへパス。しかし、フランクフルトのフルスティッチに寄せられ、ロスト。前線に残っていたヒンターエッガーにボールが渡るも、ジャンがプレッシャーに行き、ファウルになりFKを獲得。

前半15分 コスティッチのFKからボレが合わせ、コベルが触れるもボールはゴールに。

SGE 1-0 BVB

このゴールを機に流れは完全にフランクフルトへ。

前半19分 コスティッチのシュート。コベルに防がれCKに。

前半24分 ムニエのパスがフルスティッチにカットされ、フランクフルトボールに。フランクフルトが左に展開し、コスティッチがグラウンダーの速いクロス。鎌田が収めるも、ロイスのプレスでロスト。しかし、ボールがボレに流れ、シュートを放たれ、ゴール。

SGE 2-0 BVB

ドルトムントは立て続けに失点し、フランクフルトが試合の主導権握る。

前半34分 ダフードのパスミスから大きなピンチを迎えるもシュートが枠内を捉えず、ゴールキックに。

ドルトムントは前半失点以降流れを持っていかれたが、前半終了間際、CKからチャンスを作る

前半45分+1分 フンメルスがCKに合わせ、ヘディングシュートもトラップに防がれる。しかし、マレンがボールに詰めるも、シュートはポストに。

前半終了。

後半はいきなりフランクフルトが決定的なチャンスを作る。

後半47分 リンドストロムがドリブルで運び、ジャンの股を抜いてPA内に進入。コベルと1対1の決定機をつくるもシュートはコベルの正面へ。

後半50分頃からフランクフルトのハイプレスに連動性と継続性の欠如が見られるようになり、べリンガムが効果的な位置に下りてきて受けるようになったので、中央にパスが通るようになってくる。

ドルトムントは後半62分、63分と立て続けにチャンスを作る

重心が下がったフランクフルトに対して、ドルトムントが動く。

後半65分 ブラントOUT→アザールIN

フランクフルトが5バックのような状態になり、完全に前線からのプレスが機能しなくなると、ドルトムントの最終ラインはゆとりをもってボールを保持できるようになり、さらに中盤でも3対2もしくは4対2の数的優位を作ることができるようになったため、ドルトムントペースとなる。

なんとか修正しようとフランクフルトはローデとリンドストロムを交代するが、前線の選手のプレスに対して中盤の特にフルスティッチのプレスが遅れるなどして、連動性、継続性は取り戻せない。

後半71分 トラップのゴールキックをフンメルスが跳ね返し、前線へ。ヒンターエッガーが返すも、そのボールがロイスに渡り、前線のハーランドへ。ハーランドは裏に抜け出したアザールへ。受けたアザールはそのまま持ち運び、トラップの股を抜くシュート。ゴール!!!

SGE 2-1 BVB

フランクフルトは疲労の見える鎌田に代え長谷部を投入し、わざと重心を下げ、逃げ切りを狙う。

しかし、この采配はドルトムントの状況をより好転させてしまった。

後半87分 セカンドボールを拾ったムニエがクロス。べリンガムがヘディングであわせ、ゴール!!!

SGE 2-2 BVB

後半89分 ハーランドが失ったボールを、拾い、PA外からコントロールシュート。ゴール!!!

SGE 2-3 BVB

試合終了

Lem目線の選手採点

後半戦から最高1.0、最低6.0、平均3.5の方式に変更します。

コベル 3.5
失点シーンは致し方なし。後半47分のリンドストロムとの1対1を防いだシーンは見事。

ムニエ 4.0
軽率なボールロストを連発。相手のハイプレスの餌食となってしまった。一方でアタッキングサードでの働きは評価でき、同点のアシストも見事。

ジャン 5.0
パス成功率92.7%と高いが、明らかに嵌めパスになっていた。対人では強さをみせ、守備に関しては及第点。

フンメルス 2.0 MOM
試合開始早々の正確なフィードは見事であり、いくつかチャンスのキッカケを作った。また、空中戦でも強さをみせ、前半終了間際のヘディングシュートは惜しかった。守備対応もよく、スプリントも悪くなかった。不用意なパスがわずかではあるが見られ、改善の余地あり。

ゲレイロ 2.5
前半失点するまでドルトムントがペースを握ったのはゲレイロのプレーの影響が大きかった。アタッキングサードでの攻撃参加、狭いスペースの動き、パスのタイミング、ボールコントロールは見事。

ダフード 3.0
決勝点により今節のヒーローとなった。攻撃に厚みをもたらしてくれる彼ならではの得点であった。しかし、失点に繋がるパスミスがみられ、前半はまったくいいところがなかった。後半は前への推進力も見られ、フランクフルトの重心が下がったこともあり、見せ場を作った。

べリンガム 2.0
同点となるヘディングは見事。アタッキングサード、特にPA内への侵入、ドリブル突破は脅威であり、相手にとって危険な存在であった。一方で、最終ラインからボールを受ける際のポジショニングには課題があり、不用意なボールロストもあった。

ブラント 5.0 65分OUT
低い位置からのビルドアップに貢献し、コスティッチの裏のスペースへのパスはよかった。しかし、シュート精度が低く、ボールコントロールに苦戦していた印象。あまりよくなかった。

ロイス 3.0 90+2分OUT
攻撃に違いを作り、決定的な仕事はないものの、ドルトムントのビルドアップ、攻撃に貢献。失点に絡んでしまったものの、あそこでプレッシャーに行った結果であり、不運であったに過ぎない。

ハーランド 3.0
前半は思うようにプレーさせてもらえなかった。しかし、反撃となる1点目のアシストを記録するなど、後半は悪くなかった。シュートの精度は彼のクオリティから考えて今日はよくなかった。

マレン 3.5
前半はなかなか見せ場をつくれなかったが、後半見違えるようによくなった。特にドリブル突破はかなりの武器となり、強引さが好転した。

アザール 2.5 65分IN
途中交代で出場し、反撃となる1点を記録。勝利に大きく貢献した。

ヴィツェル 評価なし 90+2分IN
出場時間が短いため評価なし。

今節の注目ポイント

①フランクフルトのハイプレス

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まず、フランクフルトのボール非保持時の整った状態の陣形です。ドルトムントの中盤へのパスコースを遮断し、パスをサイドに誘導。この時リンドストロム、鎌田、ボレは中央でトライアングルを形成。

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次に、サイドに誘導したあとの動きについて。ボールをサイドに誘導すると一気にボールにスライドする形で、プレスをかける。常にボール保持者に対して3-4-3のような陣形を取りながらプレスをかけていた。

このようなプレスの場合、スライドが遅れる選手がいるとパスコースが生まれてしまい、一気に相手のチャンスとなるシーンとなってしまうため、組織として、選手個人としての連続性、継続性のある動きは不可欠となる。

実際に前半のドルトムントペースの時間帯のフランクフルトのハイプレスを見ると、若干ではあるものの、フルスティッチがワンテンポ遅いシーンがあり、なかなか奪いきれず、運動量だけが増えていくシーンが見られた。

しかし、多くの時間で質の高い動きを見せ、創造性のあるゲレイロのサイドではなかなか苦戦していたものの、ムニエのサイドでは威力を発揮していた。

②後半フランクフルトが失速した理由

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後半特に60分以降フランクフルトが失速してしまった原因は、フランクフルトは陣形が間延びし、5-2-3のような形となってしまうことが増えた。サイドに誘導し、ボールに対してプレーすることができなくなり、ボールに対して3-4-3のような形をしっかりと作っていた前半に対して、この時間帯からはゴール正面に対して5-2-3のような陣形になってしまうことが増加。前線からのプレスが単調になり、遅れ、後ろのボールに対するスライドも遅れる。するとドルトムントの最終ラインに対してプレッシャーが弱まり、フランクフルトの重心が下がり、ドルトムントは中央を使えるようになった。

③ドルトムントが行った修正

アザールを投入し、前線の枚数を1枚増やし、トップ下にロイス。4-2-3-1もしくは4-2-1-3のような形となり、厚みと幅をもたらし、空洞化するDFラインとMFのライン間を利用する形をとった。また、最終ラインからのビルドアップの際に、べリンガムのポジショニングもよくなっていたように感じた。

総括

フランクフルトが前半のような戦い方を90分続けることができるのであれば、この試合はフランクフルトが勝利していたと思う。しかし、あれだけの継続性と連動性を保つことは難しい。もしも、相手がドルトムントのような高いクオリティを持つチームではなかったらその僅かな綻びは問題にならなかったのかもしれない。

ドルトムントはビルドアップにはやはり課題があり、そこを修正しない限りり、失点は減らない。安定的な勝利も得られない。なので、強豪チームとの対決が続く1月ではあるものの、日程的に余裕があるので、しっかりと修正してほしいなと思いました。

また、今節のキーポイントとして挙げた、ビルドアップの精度とサイドの攻防に関しては、前半サイドを制したフランクフルトが2-0で折り返し、後半ドルトムントの得点機のキッカケを見るとトラップのゴールキックを跳ね返すところから始まるシーンがいくつかあったので、まあまあキーポイントになったのではないかなと思います。

何はともあれ、劇的な逆転勝利、勝ち点3獲得、バイエルンとの差を縮めることができたということは次節フライブルクとの対戦に向けて本当に大きな収穫になったかなと思います。

ホームで強さをみせて、完勝してほしいです!!!

最後までお読みいただきありがとうございました。

では、また。

Heja BVB!!!





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