見出し画像

「ハブのいない島」は本当か

※記事内にヘビの写真があります。爬虫類が苦手な方はご注意ください。

沖縄県にはハブという猛毒を持つヘビがいます。

 沖縄に生まれたら「草むらとか岩場の隙間には近づかないよ!」とチュンジュク(ものすごく)言われて育つので、進んで草むらに入っていくなんてことはしません。

 一方で伊是名島や宮古島、北大東&南大東島など一部の離島にはいないハブ。そのせいか沖縄本島で一部の離島民と自然の多い場所に行ったりすると、茂みを怖がらなさ過ぎてビックリすることがあります。「ちょっと!危ないって!」と静止して「…?あっ。」となることもしばしば。湿った岩場の隙間と茂みはダメ。絶対。

 またハブがよく棲みつく場所として沖縄特有のお墓「亀甲墓(かめこうばか・きっこうばか)」があります。中は暗くてじめっとした、いかにもヘビ柄好きそうな物件なので、葬儀の後お骨を入れるときには「ハブ(いないか)見てよ〜」と言いながらお墓を開けたりします。
 開ける役目の人は重い扉を持つだけで手一杯なので、周りが注意して見ていないと危険な場面。お墓を開けるなんて滅多にないだけに、いろんな意味でドキドキします。

各市町村が頑張って注意喚起してます

 住宅街ではほとんど目撃情報がなくなったハブですが、沖縄県では毎年50〜60件の被害があるそうで、毎年各市町村で「ハブ咬傷防止運動」や「ハブ咬傷注意報」というものを発令して、ハブが生息しにくい環境づくりを推進しています。内容は草刈り、ネズミの駆除、看板の設置など。ハブの看板がいつでもどこでもあるなと思っていたのは、この運動のおかげだったようです。

沖縄本島の森や公園では絶対ある看板。

 そんなハブの脅威もない伊是名島では、うっかり草むらに入っても逆に「あっ!ハブ!!…いないんだったわ。」ということも。どこでも安全に歩き回れるというストレスフリーな生活ができるので「いやーハブがいないっていいよね〜」という話をしていると、こんな返答を聞いてめちゃくちゃびっくりしました。

ーハブがいないって言っても、ヒメハブはいるんだけどね〜

えっ。ちょっと待って聞いてない。
 いやハブいるじゃん…!ヒメハブはハブじゃないの?ハブってそもそも何種類いるの?という訳で調べてみました。

ハブについておさらい

ハブ(波布、飯匙倩、学名:Protobothrops flavoviridis)は、爬虫綱有鱗目クサリヘビ科ハブ属に分類されるヘビ。別名ホンハブ。ハブ属の模式種。
日本固有種で、南西諸島のうち以下の計22島に生息する。
-中略-
毒性はニホンマムシよりも弱いが、毒牙が1.5センチメートルと大型で毒量が100 - 300ミリグラムと多い。1回の咬傷にあたり平均22.5ミリグラム、最大103ミリグラムの毒液を排出する。

wikipedia

ヒメハブ(姫波布):クサリヘビ科ヤマハブ属に分類されるヘビ。有毒。ハブよりもマムシに近い見た目をしており、奄美大島ではマムシと呼ばれれることもある。
-中略-
本種の毒は非常に弱く、ハブに比べて量も少ないため、咬まれた際の症状も軽い腫れや吐き気、めまいが起こる程度で死亡例も無く、ハブ咬傷のような組織融解による大規模な組織損傷もまず見られない。また動きが非常に鈍いことから、咬傷事故自体がかなり少ない。そのため、実用上必要ではないという見解から、本種の抗毒血清は製造されておらず、分布地の医療機関にも配備されていない。

wikipedia

いや、一応毒持っとるやん…!

ハブとヒメハブの違い

 沖縄在来種のハブは「オキナワハブ」と「ヒメハブ」の2種類で、オキナワハブまたはホンハブのことを主に「ハブ」と呼んでいるらしいです。ちなみに在来種以外では「サキシマハブ」と「タイワンハブ」がいます。
 ハブ(オキナワハブ・ホンハブ)の性格はとてもどう猛で、大きくなるとネズミなどの哺乳類を食べるので、ネズミを追って畑や民家に侵入してくるようです。
 S字になっているのは攻撃の合図でとても危険な状態。大体1.5メートル以上はジャンプできない(個体差による)ので、できるだけ離れれば大丈夫だそう。

 ハブを見つけて捕獲してほしい場合は、各市町村のハブ対策担当課へ連絡して捕獲してもいましょう。(沖縄県HPより)

基本、三角頭には毒蛇が多いそう。

 対してヒメハブは生涯カエルのみを食べるそうで、性格は「ニーブヤー(ねぼすけ)」と呼ばれるくらい動きも鈍い。そのため危険度はとても少ない。ハブに比べてヒメハブの咬傷被害もあまりないため、噛まれたとしてもほぼノーカン扱いのようです。だけど紛れも無い毒蛇であるとも書いてあったので、全く危険がない訳でもない。という微妙なラインです。魚で言うとシガテラ毒っぽい扱いなのかも。

あと、ハブ冬眠しないってよ

 あと沖縄ではハブは冬眠するという都市伝説が囁かれますが、県内に生息するすべてのヘビは冬眠しない。とのことでした。まあ、真冬でも15℃くらいなんだし普通に考えたらそうよね…。

「ハブがいない島」というのはグレー

 沖縄県のサイトで「危険な毒ヘビ」と注意喚起をしているのはハブ、ヒメハブ、サキシマハブ、タイワンハブの4種類。いわゆる「ハブ」の認識は、ほとんどの方が「オキナワハブ」の方だと思うので、伊是名島は「ハブのいない島」と言っても良いのかもしれません。
 それでも「ハブがいない島」というのは「=毒ヘビがいない島」と勘違いしてしまう観光客の方も多いと思うので、判定としてはグレーといったところでしょうか。

いなくても注意は必要

 同じく「ハブのいない島」と言われる宮古島でサキシマハブが発見されたり、粟国島では2017年に初めてハブが発見されてからその後毎年捕獲情報があり、ハブの定着がほぼ確定したようです。
 いないと思っていてもどこからか入ってきてしまう可能性があるので、やっぱり草が茂っている場所などは注意して歩く方が良さそうです。

ハブだけではなく危険生物には気をつけよう

 ハブも怖いけど近年は「ハブクラゲ」の方が悪名高くなっているので、海も山も十分気をつけて遊びに行った方が良さそうです。あと個人的には「タイワンスジオ」の方がもっぱら毒ヘビみたいな見た目と大きさをしていて怖いと思います。気になる人はググってみてね。

ハブクラゲに刺されたら酢をかけます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?