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サウサンプトンFC 23-24シーズンを振り返って

1. はじめに

1-1. 自己紹介

 初めましての方は初めまして。そうでない方はこんにちは。サウサンプトンFCを応援する日本人、れもと申します。普段は大学生をしながらイングランドと日本を中心にさまざまな国のフットボールを見ています。他に野球、交通、音楽などのコンテンツに手を出している所謂「多趣味なオタク」です。初めましての方もそうでない方もよろしくお願いします。

1-2. 今更noteを始める理由

 さて、今更noteを書こうと思った理由は実に単純です。もっとサウサンプトンのサポーターを増やしたい。ただそれだけのことです。というのも、ことの発端は先日サスーンさん(X:@BOINGxxBAGGIES)主催の「EFLチャンピオンシップの昇格プレーオフ決勝観戦会」が高田馬場のブリティッシュパブ、2nd halfさん(X:@2ndhalf321)にて開催され、そこに参加した時のことです。
 当日、対戦相手のリーズのサポーターは10名以上いらっしゃったのに対し、我らがサウサンプトンのサポーターはなんと僅かに2名。圧倒的に不利でした。試合中もリーズサポーターの"Marching On Together"(リーズの有名チャント)が大声量であるのに対して、サウサンプトンのチャントである"Oh When The Saints Go Marching In"(日本でもお馴染みの「聖者の行進」)は来場していた他クラブのサポーターも一緒に歌ってくれてようやく成り立つ程度…。
 試合には勝利し、プレミアリーグへの復帰を勝ち取り、勿論それは今までサウサンプトンを応援していた中で最も嬉しかった瞬間の一つではありました。しかしながら、その日のリーズサポーターの皆さんが羨ましかったのもまた事実。それが引き金となり、日本にもこれくらいの規模のサウサンプトンのコミュニティが欲しいと思い、今更ながらにnoteを始めたわけです。あとはタイミングです。新規を増やすならプレミアリーグに戻ってきた今が絶好の機会だとも感じました。Xに投稿してた選手評価が面倒になっただけなんて口が裂けても言えません
 そんなわけで、これから不定期ではありますがサウサンプトンやその他趣味に関するお話をここに書き溜めていくことにしますので、ぜひお付き合いください。

2. サウサンプトンFC 23-24 振り返り

2-1. 基本情報

【試合データ】
順位:4位
試合:46
勝利:26
敗戦:11
引分:9
勝点:87
得点:87
失点:63
得失差:24

【メンバー】
GK
#1 アレックス・マッカーシー
#13 ジョー・ラムリー
#31 ギャヴィン・バズヌ
DF
#2 カイル・ウォーカー=ピータース
#3 ライアン・マニング
#5 ジャック・スティーヴンス©️
#14 ジェームズ・ブリー
#21 テイラー・ハーウッド=ベリス
#28 フアン・ラリオス
#35 ヤン・ベドナレク
MF
#4 フリン・ダウンズ
#7 ジョー・アリボ
#16 ウィル・スモールボーン
#17 スチュアート・アームストロング
#19 ジョー・ロズウェル
#24 シェイ・チャールズ
FW
#9 アダム・アームストロング
#10 チェ・アダムズ
#11 ロス・スチュワート
#18 セク・マラ
#20 カマルディーン・スレマナ
#23 サミュエル・エドジー
#26 ライアン・フレイザー
#27 サミュエル・アモ=アメヨー
#36 デイビッド・ブルックス
 
※シーズン終了時点

【基本フォーメーション】

※ほぼ毎試合メンバーが変わっているため、出場試合数、G/Aなどを考慮

【移籍】
・IN
ライアン・マニング(スウォンジー)
フリン・ダウンズ(ウェストハム)
メイソン・ホルゲイト(エヴァートン)
ロス・スチュワート(サンダーランド)
ジョー・ラムリー(ミドルズブラ)
ジョー・ロズウェル(ボーンマス)
テイラー・ハーウッド=ベリス(マンチェスター・C)
シェイ・チャールズ(マンチェスター・C)
ライアン・フレイザー(ニューカッスル)
デイビッド・ブルックス(ボーンマス)
ウスマニ・ジャロ(ポルトB)
・OUT
リャンコ・ヴォイノヴィッチ(アル・ガラファ)
ドゥイェ・チャレタ=ツァル(リヨン)
メイソン・ホルゲイト(エヴァートン)※1月にローン移籍終了
ジェームズ・ウォード=プラウズ(ウェストハム)
ミスラフ・オルシッチ(トラブゾンスポル)
ポール・オヌアチュ(トラブゾンスポル)
ロマン・ペロー(ニース)
ティエリー・スモール(チャールトン)
ムサ・ジェネポ(スタンダール・リエージュ)
ティノ・リヴラメント(ニューカッスル)
モハメド・サリス(モナコ)
ネイサン・テラ(バイエル・レバークーゼン)
アルメル・ベラ=コチャプ(PSV)
ロメオ・ラヴィア(チェルシー)

太字はローン移籍

【監督人事】
・IN
ラッセル・マーティン(スウォンジー)
・OUT
ルベン・セレス(レディング)

2-2. 時期ごとに振り返る23-24

※注意※
これより先はかなり個人的な意見や感想が含まれています。それでもいいよという心の優しい方はぜひ読んでいってください。

《開幕前〜シーズン序盤》
 EFLチャンピオンシップへの降格が決定した22-23シーズン終盤、失意のどん底にありました。クラブとしては11年ぶりに、私としては初めて戦うEFLの舞台に不安しかなかったのは公然の秘密。そんな不安は大体当たるもので、これまでクラブの象徴だったウォード=プラウズの退団や、開幕2戦目のカラバオカップでディビジョンとしては2個下にあたる、リーグ2所属のジリンガムにまさかの3-1で敗戦、さらには開幕して1ヶ月ほどの9月には泥沼の4連敗。この時点で、正直なところ「プレミアリーグに一年で復帰するのは無理だな…」とか考えてました。ハーゼンヒュットル時代より受け継がれてきたRB仕込みのゲーゲンプレスとは全く違った新監督ラッセル・マーティンのポゼッションスタイルは、選手たちに浸透するどころか戦術がフィットしないままスタートダッシュに失敗する始末。不安がさらに募るような序盤戦でストレスで体調崩しました。笑えません。

▲「象徴」ジェームズ・ウォード=プラウズ

《シーズン中盤》
 転機となったのは9月末のセントメリーズでのリーズ戦。それまでシーズン僅か1敗のリーズを3-1で破り、チームはここから無敗ロードを快走することになります。リーグ戦においては2月14日、ブリストルに敗戦を喫するまで22試合無敗(16勝6分)、カップ戦を含めた公式戦に関しては25試合無敗(18勝7分)。
A.アームストロングとアダムズを中心とした攻撃陣の爆発と、ようやく身を結んだマーティンのポゼッションスタイルがうまく噛み合うようになって、この頃はフットボール観戦の楽しさを再認識できたような気がします。一方で守備陣に関してはこの中盤戦で失点数が嵩んだのも事実で、リーグ戦に関しては22試合のうちクリーンシートは9試合と半分以下でした。また、先制したにも関わらず追いつかれることが非常に多く、負けないチームにはなったが勝ちきれないチームという印象も同時に植え付けられた中盤戦。気持ち的には追いつかれても負けてないからOKの精神でした(笑)

▲攻撃の核であるチェ・アダムズ(左)とアダム・アームストロング(右)

《シーズン終盤》
 無敗記録が途絶えた直後のWBA戦では0-2と快勝し、嫌な流れを断ち切れたと感じたのも束の間、連敗しては連勝するという不安定な流れに。後半戦は一度負けると嫌な流れを断ち切れずにズルズルと落ちていくような感覚で、降格組が1年でのプレミアリーグ復帰を目指す中、いち早く優勝争い、自動昇格圏争いから脱落してしまったのは素直に悔しかったですね。そして最終盤の4月末にはレスターに0-5で粉砕され、5月頭の最終戦ではリーズに勝利したものの、昇格プレーオフに向けてはとても万全だとは言い難い状態でレギュラーシーズンを終え、モヤッとした感じでした。正直こんな状態でプレーオフ行ってもボコボコにされるとか思ってました

▲レスター戦のウォーカー=ピータース(左)。この試合ではファタウ(右)にハットトリックを献上。


《昇格プレーオフ》
 なんとか4位の椅子にしがみ付き迎えたプレーオフ準決勝。相手はシーズンを5位で終えたWBA。サウサンプトンとしてはシーズンダブルもしていたので好相性でしたね。1stレグは互いに決め手を欠き0-0だったのが、2ndレグではA.アームストロングやユース出身で今季台頭したスモールボーンの活躍で3-1と勝利。ラストプレーのコーナからの失点は今シーズンを象徴するような()失点シーンでしたが無事に決勝に駒を進めることができました。
 そして迎えたプレーオフ決勝。1章で既に書いていますが観戦会に参加し、EFL界隈の皆さんと一緒に観戦させていただきました。試合としては前半の24分にこれまたA.アームストロングが素晴らしいシュートでチャンスをものにして幸先よく先制に成功。その後は幾度かピンチを迎えるもマッカーシーのスーパーセーブもあり、虎の子の1点をがっちりと守り抜いて昇格をもぎ取りました。試合終了のホイッスルがなった瞬間は本当に泣きそうになりました。やっぱフットボールってものは心を動かされますね…!
 そんなわけで来シーズンからは再びプレミアリーグの舞台へと戦いの場を移すことになります。

▲トロフィーリフトの瞬間。掲げているのはキャプテンのジャック・スティーヴンス。

2-3 個人的に送りたい賞

 この章は独断と偏見に基づいて賞を贈りたいと思います。異論があれば私のTwitter XのDMまでどうぞ。

【最優秀選手賞】
#4 フリン・ダウンズ
 まあ間違いなくこの人でしょう。ウォード=プラウズの忘れ形見としてやってきた彼は瞬く間にフィットし中盤を支配。チームの心臓役として攻守に貢献する様はさながらウォード=プラウズのようでした。あと顔もちょっと似てる。

▲フリン・ダウンズ

【最優秀若手選手賞】
#21 テイラー・ハーウッド=ベリス
 
本当は最優秀選手賞をあげたいくらいの貢献度でしたが、私のプライドが邪魔して一人しか選びたくないのでやむなくこっちに。CBの頭数が少ない中でよくやってくれたと思います。さらにはRBもこなしてしまう万能さも披露。マーティンのポゼッションスタイルは彼がいたからこそ成り立つものだったなと思います。

▲テイラー・ハーウッド=ベリス

【年間ベストゴール賞】
2024/2/11 VSハダースフィールド ジョー・ロズウェル 49'

 この日は良くも悪くも今季のサウサンプトンを象徴する試合だったと思います。33分にダウンズがまさかの負傷離脱。そのダウンズに代わって出てきたのが冬に加入して間も無いロズウェル。しかしダウンズがいないと守備がまとまらず、早々に2失点します。そんな中生まれたスーパーゴール。
 2点を追いかける後半の立ち上がりに、サウサンプトンは幸先よくコーナーキックを獲得します。キッカーはS.アームストロング。インスイングで蹴ったボールは弧を描いてゴール前へと沈んで行くものの、相手キーパーのパンチング。弾かれたボールは浮き球でペナルティエリア外のロズウェルの元へ。右足で抑えを効かせたボレーシュートはゴールの左上隅に突き刺さるスーパーショットに。この一撃で息を吹き返し、ハダースフィールドを5-3で破ることに成功します。ロズウェルはなんとこれが加入後初ゴール。その上このゴールの1分後にまた得点を挙げます。まさに強烈なインパクトでした。ロズウェル自身も今までで一番良いゴールと語っていたのでこのゴールで決まりでしょう。
*ゴール映像はコチラから(マッチハイライトにジャンプします)*

▲シュートを打った直後のロズウェル。

【期待外れ賞】
#3 ライアン・マニング
 
スウォンジーからフリー移籍で、新監督マーティンと共にやってきた彼。マーティンの愛弟子という触れ込みだったのでいち早くレギュラーメンバーとして活躍すると思ってました…。
 ところがどっこい、攻撃性能はそこそこだったものの肝心の守備面があまりにも酷すぎました。自陣深くまで相手が攻めてきているのに中継の画面にすら映らない(≒相手陣内から戻ってくるのが遅すぎる)ことは日常茶飯事。1対1でも抜かれまくり、マンマークでも着ききれずに剥がされる始末。流石のマーティンも見限ったのか、後半戦は全く本職でないスティーヴンスにポジションを明け渡し、ベンチを暖める日々。プレーオフではPK獲得など、やはり攻撃面においては活躍もあっただけにザル守備がとてもとても残念。期待がかかっていただけに、ちゃんと最低限の守備はしてほしかったなという気持ちです。

▲ライアン・マニング

【ベストサーポーター賞】
ピーター・ドーソン氏
 
名前は知らずとも、彼のことを知っている方はきっといるでしょう。知らない方はぜひこの機会に覚えていってください。ドーソン氏がスタジアムにいるときは毎試合と言って良いほど中継のカメラに映ります。というのも彼、観客席でめちゃくちゃ踊っているんです。その踊りが面白いとウけ、度々海外を中心に話題になることがあります。"Southampton fan dance"などとyoutubeで検索すると彼の動画がヒットするので見たことない方はぜひ一度見てみても良いかも。サウサンプトンの試合を見る時は彼にも注目です。

3. 終わりに

3-1. 全体としての振り返り

 気がついたら5000文字を超えていたので一旦区切りをつけたいと思います。あまり長々と書きすぎても読む気失せるでしょうし。
 年間を通して振り返ってみて、一言でまとめるならば「浮き沈みの激しいエキサイティングなシーズン」だったと思います。そしてなぜこのアンバランスなチーム構成で昇格まで漕ぎ着けられたのかがいまだによくわかりません(笑)。が、その辺りの管理能力もラッセル・マーティンの手腕なのかな、とか思ったりしてます。
 来季からは再びイングランド、否、世界で最高の舞台であるプレミアリーグでの戦いが幕を開けます。1年でまたEFLに降格しないように、私が応援し始めた頃のあの強かった時期を目指してほしいと思います。

▲本拠地、セント・メリーズ・スタジアム

3-2. あとがき

 実はフットボールの話題でここまで長い文章を書くというのは今回が初めての試みでした。ところどころ読みにくい文章だったり、「何言ってんだコイツ」と思ったりする部分がきっとあったと思いますが最後まで読んでくれた方々には本当に頭が上がりません。ここまで付き合ってくださりありがとうございました。
 さて、上にも書いた通り来季からはプレミアリーグでの戦いとなります。昇格組とあってそれなりに名前を取り上げられる機会も増えるでしょう。そんな時はぜひ私のことを頭の片隅にでも覚えておいてくれたら嬉しいなと思います。そして、最近フットボールを見始めたりなどまだ応援するクラブが決まっていないそこのあなた。ぜひ一緒にサウサンプトンを応援しましょう!待ってます!
WE MARCH ON!!!


written by れも
X:@ragga_remo



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