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「本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ」を読んで
わたしがこの本を手に取ったのは、タイトルにある。(それと装丁のかわいさもある)
「本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人」
とはまさに、このわたしのことである。
ごはん作りをはじめた頃は料理は好きな方だった。でも家族が増えて、子供がふたり。わたしの作るごはんで生きていくのだ。責任重大な上、子どもたちは好き嫌いが激しく、せっかく作ったごはんをひとくちも食べてくれないこともあったり、不味そうな顔で食べていたり…それでも毎日ごはんを作らなければならない。今日は何作ろう?あしたは?あさっては??
ごはん作りって、ただ作るだけじゃない。何を作るか考えて、材料の買い出し、一生懸命作って食べて、そして食器洗いと鍋洗い、シンクの掃除…そんな毎日を繰り返し。そりゃあイヤにもなりますよ。でもお母さんはみんな文句も言わずにやっている。ごはん作りがこんなにイヤなんて、私はお母さん失格だ…と思うしんどい日々でした。
この本を読んで、ごはん作りの苦痛から解放されるかと言われれば答えはNOだけど、心はかなり軽くなった。
日々ごはん作りをする中で生まれる、わたしの心のなかのモヤモヤ。この正体は一体何なのかとずっと疑問だったけど、この本を読んでその答えが少し分かった気がする。
著者のコウケンテツさんは料理家でありながら夫であり、パパである。ちゃんと毎日、子育てと家事に向き合っているんだなと感じた。
ごはんを毎日作り続けなきゃならないって当たり前。だけどすっごく大変なんだよ。私はそれを分かって欲しかったのだと思う。コウケンテツさんは分かってくれた。うん。それだけでわたしのささくれた心が少し軽くなったのです。
わたしの作るごはんを子供達が食べてくれないとき、ため息つきながらいつも思っていた『わたしが料理家だったら、子供達はきっと喜んで食べてくれるんだろうな…』
コウケンテツさんの作る美味しそうなごはんでも、お子さんたちは野菜を食べてくれないこともあると書いてあった。これも心が軽くなったことのひとつ。そうか、料理家の作る料理だって食べてくれない。こどもってそういうものなのだ!
すっかりコウケンテツさんのファンになり、YouTubeを見ながらごはん作りしています。紹介してくれるごはんも簡単でおいしい。毎日しなければならないごはん作り。少しでも楽しくしたいから。
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