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オリンピック反対派、世界体操を見る

  3ヶ月前、オリンピックという言葉が大嫌いだった。国民は県を跨ぐなと言われ修学旅行は中止。営業の自由は奪われた。ライブをしようとすれば袋叩きにされた。なのに・・・という気持ちがどうしても心に巣作る。言葉に出さないモヤモヤ。問題もたくさん起こった。
  それから2ヶ月、コロナが落ち着き、何か新しいことを始めようと思った。そのときに直感で思ったのは、一流のものを見に行きたい、ということ。こんなこというと恥ずかしいから友達は誘わずにひとりで、行こう。そして、世界体操が気づけば当たっていた。
  どの国の、どんな選手も超人である。時々垣間見えるミスは、人間性の現れだ。観客のフェアな拍手はアスリートの超人的なパフォーマンスへの賛辞だ。
  床運動の村上茉愛。完璧な演技に思えたが結果は2位。しかしその後の申し立てで見事1位になる。0コンマの得点差が泣き笑い、天国と地獄の分かれ目だ。清々しい最後の大金星。
  そしてオオトリ。内村航平が出てきた瞬間、会場はドッと湧いた。そして観客の期待に応える完璧な競技。これ、絶対1位だろと思った。ノーミスの競技が終わった後の万雷の拍手。しかし世界の壁は厚く、6位。世代交代というと綺麗な言葉に聞こえるが、時代の移ろいを感じ、少し寂しく感じる。
  歴史の目撃者になった、この感覚が全てを吹き飛ばした。

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