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魚河岸ソーセージのチーズフォンデュ 安定感抜群のピエロパンのソアーヴェの上級キュヴェ(ラ・ロッカ)

ドン・キホーテのチーズフォンデュパックを放置してしまっていたので夕飯に開ける。またしても酔っぱらった帰りに買ってしまったものだ。家族みんなでウィンナー、ブロッコリー、ニンジン、チーズに浸けて食べつつ、父さんは白ワインに合わせるべく丸善の魚河岸ソーセージを開封。

パッケージには『たら、たい、まぐろを使用』、『保存料は使用しておりません』の謳い文句。そんじゃそこらの魚肉ソーセージとは異なりますよとの紳士なアピールが伝わってくる。
少しホットプレートで炙ってからチーズを纏わせる。

1945年創業の丸善。もちろん書店の丸善とは異なる会社で、フィッシュソーセージなどを手掛ける。皆さんご存じのチーかまを1970年に販売開始した会社だ。チーかまはドイツのチーズ入りソーセージに着想を得て開発された。

合わせたのはイタリアワイン2種。トレンティーノ・アルト・アディジェ州(イタリア北西部でオーストリア、スイスと国境を接する)のスパークリングワイン(シャルドネとピノ・ノワール品種のブレンド)とヴェネト州のソアーヴェ(ガルガーネガ品種)。

ソアーヴェは安定感抜群のピエロパンのもの。以前、スタンダードキュヴェのものにイワシの香草焼きが素晴らしい相性だった。今回は同じ造り手のラ・ロッカという銘醸畑で造られたもの(スタンダードキュヴェの約2倍の価格)。

ロータリ ブリュット プラチナ, トレントDOC, 2016, 12.5%, 1,746円
Rotari Brut Platinum

アルプス山脈がそびえるイタリア北部トレンティーノ地方に位置。
自社ブドウ100%にこだわる。ステンレスタンク発酵。シャルドネ 80%、ピノ・ノワール 20%。
はっきりとした色調は7年熟成を思わせる、非常に細やかな泡が緩やかに持続的に立ち上がる。
リンゴのコンポートの厚みのある果実香、海藻のヨード香、微かに干しわら、ヘーゼルナッツが複雑な奥行きを与える。
みずみずしくピュアな果実味に、心地よいシャープな酸味、中盤からヨードのニュアンスに富みややビターな余韻に、鼻腔には微かにブリオッシュ香が抜ける充実の質感。これで2,000円前後とは驚異のコストパフォーマンス。
魚河岸ソーセージのチーズフォンデュに合わせる。様々な魚の旨味にワインの複雑な風味が調和。余韻にほのかに苦味が立ち上がってしまう。料理の食感や風味に対して、ワインがやや複雑過ぎるか。それでもチーズのまったりとした食感に泡の刺激が心地よい。相性: ★★★☆☆

ピエロパン, ソアーヴェ クラッシコ ラ・ロッカ, ヴェネト, イタリア, 2020, 12%, 3,773円
Pieropan, Soave Classico DOC La Rocca

ラ・ロッカは海抜200~300mに位置する南西向きの畑。石灰質と粘土が豊富な土壌。短期間マセラシオンの後、ガラスで内張りしたセメントタンク(2500L)を用いて発酵。2,000Lと500Lの樽に移し替えて澱とともに約12ヶ月間熟成。さらに数ヶ月の瓶内熟成。
ゴールドがかったはっきりとした強い色調。
りんご飴、リンゴのリキュールなどの濃密なリンゴの香りに、バニラ香は炙ったバニラビーンズを鼻の前に置いたよう、複雑なヘーゼルナッツ、明瞭にアカシア、フラワリーな蜂蜜、微かにヨード香や海藻や炙りわかめのニュアンス。
厚みのある凝縮感の強いリッチでまったりとした果実味は陽のニュアンス、塩味やヨードのニュアンスはワインを心地よく引き締めワインを支える陰のニュアンス。陰と陽の両面をバランスよく備える。余韻にも豊かにバニラ香が広がる。
魚河岸ソーセージのチーズフォンデュに。魚肉ソーセージの風味をまとったチーズのコクに重量感のあるワインの風味がバランス。相性: ★★★☆☆

魚肉ソーセージの旨味をまとったチーズのコクと、スパークリングワインの泡の刺激、ソアーヴェの銘醸畑の重量感とのハーモニーを楽しんだ。

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