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まい茸ほたての溢れる旨味 熟成シャンパーニュ

夏休みは一泊二日で軽井沢に。
涼やかな風を浴び、温泉に浸かり、家族でバーベキュー式の夕食とワインを楽しんだ。夕食後、宿泊部屋への戻り道、売店で”まい茸ほたて”という珍味を見つけ、部屋飲みのおつまみに購入。軽井沢は長野県の群馬県境で、群馬産の舞茸を使用している。

今回はシャンパン、ポメリ-・ミレジメ・グラン・クリュ, 2008を自宅セラーから取り出し、旅に連れてきていた。夕食時、スタッフにワイングラスを貸してもらうことにOKを頂いたので、湯呑み茶碗でのシャンパンは避けられた。トラベラーワイングラスを旅に同伴するか悩んだが、スーツケースなしの軽装だったので、旅館でグラスを借りられることを祈り、グラスは留守番としたので助かった。
シャンパンはスタンダード・クラスのものはヴィンテージの記載がない。もともと冷涼で不安定な気候のシャンパーニュ地方では複数年分のワインをブレンドして安定した味わいを生み出すことに特化してきた。一方で、気候に恵まれた年には一定量を単一年で仕上げるロットに回す。今回は2008年に収穫されたブドウのみで造られたもので14年の熟成を経ている。繊細な熟成シャンパーニュを旅に連れ回して少々かわいそうだが、軽井沢の思い出を彩るのにはスペシャルなシャンパンが不可欠だった。

ポメリ-・ミレジメ・グラン・クリュ, 2008, 12,760円
Pommery, Millesime, Grand Cru, 2008
ゴールドがかった濃い色調。きめ細やかな泡が絶え間なく一定のリズムで立ち上がる。
香りにはリンゴのコンポート、焼き栗にシナモン、バニラ、微かにジンジャー、ブリオッシュ、果実香と熟成香の程よいバランスでボリュームは大きい。
風味は落ち着きを伴いつつも果実味はまだまだ力強い。キレのある底力のある酸味、非常に長い余韻。

まい茸ほたてにワインを合わせる。この珍味はお酒が進みそうなやや濃い味付けだ。ホタテ、舞茸の旨味が口内に広がったところに、シャンパンが加わり、旨味のデルタアタックは最高潮に。イノシン酸、グルタミン酸が溢れ出し脳も幸福を感じる。
シャンパンが繊細なので料理の味付けはもう少し穏やかな方が相性は高まりそうだが、それでも旨味溢れる素晴らしい組み合わせだった。
相性: ★★★★☆

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