【第2回】最初に発表者を決める

さて、全員がテーブルに着いたらまずやることは、発表者の決定です。与えられたキーワードをもとに、議論題(政策)と、そのメリットを説明する人を指します。

だいたいは、希望者を挙手で募ります。誰もやりたがらなかったら推薦になりますので、議題は必ず一案は用意しておきましょう。その場で作るとなると焦りますからね。

というわけで、今回は発表者になったつもりで議題の提案をしてみましょう。仮にテーマを「教育」と設定します。発表者が議題を組み立てるのに考えるべきことは以下の通り。

現状ある問題を発見する

例えば近年、教育現場での体罰が問題になっているとしましょう。ここでの現状は「体罰が発生している」です。では、デメリットはなんでしょうか?

ディスカッションにおけるデメリットは大抵二つに集約されてしまいます。一つは「人命が失われること」、もう一つは「精神的苦痛」です。世の中色んなデメリットがあるかと思いますが、だいたいのデメリットはこの精神的苦痛に言い換えます。

精神的苦痛とは、ある人が持つ意思(体罰を受けたくない)に反する現状(体罰が発生している)が存在する交換を証明することで成立します。この二つの状況があるという証拠を集める必要があります。まあ、ニュースやなんやを探せば、簡単に見つかりそうですね。「体罰を受けたくなかったのに体罰をされてしまった」という記事が一本見つかれば事足ります。

一本だけでいいの?……そう、一本でいいんです。ディスカッションでは、救うべき人の数が少なくとも一人いれば議論がスタートします。

政策を考える

現状を確認できたら、それを打ち消すことのできる政策を考えましょう。「体罰をした人間には以下のペナルティを課す」とでもして、いくつか具体例を挙げておきましょう。

ここで注意したいのが、ディベートでもお話しした、プランの実行性実効性です。それが日本政府によって実際に施行できそうか、効果はありそうかを考えます。

デメリットが消えればそれがメリット

です。先に述べたデメリットは、「体罰を受けたくない人が体罰を受けてしまう」でした。つまりこれがなくなって「体罰を受けたくない人が体罰を受けずに済む」こと、つまり意思と状況が一致して、精神的苦痛が消えればそれがメリットです。


これで、発表者のプランが整いました。ではいざ挙手をして、発表者に選んでもらいましょう。あ、ちなみに複数人の候補者がいたときは投票制です。選ばれなくても落ち込まないようにしましょう。

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