【第7回】デメリットを確認する

プランからメリットを導き出せることを確認したら、そこでひとまず「プランをとる」という結論を出す、というところまで前回お話しました。

たいてい、時間がなくなってしまってここで終わっちゃうことが多いのですが、実際にはまだまだ続きます。次は、プランをとることによって発生するデメリットを確認しましょう。そのメリットとデメリットを比較し、メリットの方が大きいとわかって初めて、「ひとまず」ではなく「たしかに」プランをとるという結論を置くことができますね。

まず、プランを発案した人以外の人から、デメリットを募ります。プランの内容によって発生するデメリットは異なってくるので、あらかじめ準備しておくのは難しいでしょう。即興力が求められます。

何人か候補者がいれば、一人ずつ検討します。順番を決めて、デメリットを提示してもらいます。これまでと同じように、手順と定義を説明し、質問と反論を一つずつ受け付けていきます。

デメリットの定義が確認でき、そのデメリットが確実に引き起こされるということが証明できれば(つまり反論をすべて退けられれば)、次に行うのが、「比較」です。

ディベートでもやりましたね。メリット>デメリットとなればプランをとる、メリット<デメリットとなればプランをとらない、という結論になります。比較する要素は、前回お話したものと同じく、
 ・対象者
 ・内容
 ・人数
です。

例えば、対象者が「生徒」と「先生」だった場合、どちらがより救われるべきか、内容が「生命」と「精神的苦痛」だった場合、どちらがより救われるべきか、などを話し合います。

ここは、論理というよりは個人の価値観が大きく影響してくるポイントであり、もっとも白熱する場面です。ここでもしっかりと理由付けをすることで、周囲のメンバーを納得させやすくなります。

主張のみを繰り返すのではなく、十分な理由付けができるよう、練習してみましょう。

デメリットを一つ退けても、次から次へとデメリットが発案されるかもしれません。制限時間いっぱいまでやるか、デメリットが尽きるまで頑張って初めて「プランをとる」という結論を得ることができます。なんて長い道のりだと思われるでしょう。全員が納得するディスカッションをするというのは、本来かなり途方もない作業なのだと思います。

ディベートがトーナメント戦なら、ディスカッションは総当たり戦みたいなイメージですね。膨大な試合数と時間をかけてでも、確実にみんなが満足できる結論を導きたい、というのがディスカッションの考え方だと思います。

さて、比較対象のうち「人数」についてはさきほどあえて触れませんでしたが、ここはディベートとディスカッションでは大きく異なる点ですので、次回、別に説明したいと思います。

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