ディベートは準備が9割

アカデミックディベートは、パーラメンタリーディベートとは違って、準備が9割です、というお話です。

ディベートって、相手の繰り出す反論をいなしたり、それにあった追加の反論をしたりとかなり臨機応変に対応しているようにも見えます。

しかし、ディベートの大会に出てかっこよくふるまうためには、実は鬼のような準備が必要なのです。では、どのような準備を行っているのでしょうか。

論題の理解

まず初めにやることは、論題の理解です。NAFAなどの機関から発表された論題について、単語どのような解釈ができるのか、どのような点が争点になっているのか、現状の課題は何とされているのかを確認します。

ブレインストーミングのように、関連するテーマと結びつけてみるのもよいでしょう。自由な発想が重要です。

リサーチ

一番大変なのがリサーチです。アカデミックディベートは根拠がなければ話になりません。信頼できる根拠を探して、図書館を駆け回ったり(本当に走ってはいけません)、山のような本を読んだり、インターネットで探した記事が信頼に値するのかを考えたり……。

ここで注意してほしいことに、インターネットばかりに頼ってはいけないということです。ネットの情報が信頼性の低いものも多く混ざっており、自分自身だけでなく、審判にとっても判断が難しいからです。特に、誰が書いたわわからない記事は要注意です。

またインターネットの記事は体系だっていないことが多いので、ネットだけに頼っているとすでに世の中で起こっている議論の全体像が見えにくいということもあります。書籍を見れば、目次で議論の全体像を確認したり、参考文献を見て次に読むべき本を見つけることができます。

とはいえ、ネットでは最新の情報を手に入れることができるので、「相手の根拠より新しい情報が必要」なときにはうってつけです。場合によってうまく使い分けていきましょう。

論理の組み立て

さて、ある程度リサーチが済んで、根拠を集めることができれば、次は論旨を組み立てていきます。立論を考え、それに反論するには……、反論を防ぐには……、と自分VS自分を繰り返していきます。

これを行うと、自分のもっている情報の足りないところが見えてきますので、またリサーチの段階に戻って補填をします。

ああでもないこうでもないと言いながら考えているこの時間が、ディベートの真髄といっても過言ではないと私は思っています(楽しい!)

練習試合

さて、自分VS自分だけでは、どうしても考えが煮詰まってきます。そこで、他のディベーターと練習試合を行います。これまで考えてもいなかったような、はっとする意見との出会いが得られます。

試合が終われば、反省会を行い、どこの点が甘かったか、プレゼンはどうだったかなど、審判も交えて話し合いをします。そこで、さらにリサーチや論理の組み立てに戻って考え直す必要があるポイントが見えてきます。


そうしてリサーチ、組み立て、練習試合を繰り返し、ようやく大会へと臨むことができます。ここまで、数か月から半年くらいかかります。

日常生活で、実際にだれかと議論をしようと思ったときも、このことを考えて少し立ち止まって、自分の考えを深めてから相手にお願いするとよいのではないかと思います。



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