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【出産】日本と韓国の価値観の違い


気づけば、子どもが3歳になった。
韓国語が全然わからない状態で迎えた韓国での初産と育児。毎日、泣くほど大変だったが、そんな記憶も、最近少しずつ薄らいできている。
記憶とは、時が経てば経つほど遠のき、場合によっては自分勝手に改ざんまで行われたりするものだ。
なので、まだそんなに時が経っていない今のうちに、韓国での出産を通して感じたことを文章にまとめておきたいと思う。

まず、韓国で出産してみて、出産に対する価値観が日本とは違うことに気づいた。
それは、妊娠~出産における病院の対応にも如実に現れている。いくつか羅列してみた。

【妊娠中】
・体重制限なし
・一般的な妊婦健診の中に胎児ドックが含まれている

【お産】
・無痛分娩が当たり前(保険適用)
・帝王切開も多い
・病院に助産師がいない

【出産後】
・母乳へのこだわりが少ない(ミルクに切り替える人が多い)
・赤ちゃんのうちから、様々な栄養剤を与える

すぐに思いつくだけでも、日本と異なる点がこんなに挙がる。
この中から【お産】について、もう少し詳しくみていこうと思う。

韓国での出産の特徴は、自然分娩を重視しないことだ。
日本の場合、助産師さんがいて、赤ちゃんが産道から出てくるまで何時間も待つ。もちろん、赤ちゃんや母体にリスクがある場合は手術という選択がとられるが、自然分娩が良いという考え方が根強く、基本は自然に産まれるのを待つのが一般的だと思う。
一方、韓国では、半数の人が自然分娩ではなく、帝王切開で出産をしている。なぜ半数もの人が帝王切開なのか?

その理由として、私が病院で見聞きしながら感じた理由は2つだ。

① 価値観の違い

帝王切開に対するイメージが日本ではあまり良くないが、韓国ではそこまで悪くない。事前に産む日を決めて、あえて帝王切開で臨むケースもある。

② 病院に助産師がいない

分娩中に付き添ってくれる助産師さんがいないため、分娩を何時間も待てる体制が病院側にない。韓国人の友人から、「分娩全体の所要時間が6時間を超えたら、切られるよ」と出産前に教えてもらいビックリした。

そもそも韓国では無痛分娩(陣痛が始まり、子宮口が多少開いた時点で麻酔を投入)が一般的なため、完全な自然分娩を経験する人はごくわずかだと思われる。
私自身も無痛分娩+促進剤で息子を出産した。この出産方法だと、日本では自然分娩と呼ばない気がする。でも韓国ではこれも自然分娩の1つだ。

両国を比較してみると、「自然」を重視する日本の価値観が浮き彫りになる。冒頭に書いた通り、韓国は日本よりもミルク育児率が高いが、それも「母乳という自然を大事にする日本」と「自然よりも他のものを大事にする韓国」の価値観の違いが如実に現れた結果のように思う。
どちらが良いとか悪いとかではないけれど、国が変われば、出産に対する価値観もこんなに違うんだということを改めて感じた出産体験だった。

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