全ての謎の結末に、立ち尽くすことしかできない

友人の誘いで、リアル脱出ゲームでお馴染みのSCRAPと直木賞作家の道尾秀介氏がタッグを組んで制作した謎解きキットを遊んだ。

以下ネタバレはないが、簡単な概要とふんだんな感想を記載しているのでまっさらなゼロ知識で挑みたい方は注意して欲しい。

ストーリーは未解決事件の謎を解いて欲しいというある記者からの手紙と、その事件に関する門外不出であるはずの警察資料が送られてくることから始まる。

現場の写真、容疑者の供述書、当時の新聞記事、指紋の情報、被害者が持っていた素性のわからない子供の写真…

すこし面食らってしまうほどの大量の資料を読み解きつつ、依頼者の記者とウェブサイトでやりとりしながら、また一つ一つ真実を明らかにしていく。

この資料がかなりリアルで手書きの手紙や本当に使われてそうな警察の資料、血塗られた不可解な日記などによって、私たちはこの不可解な事件の世界観にどんどん引き込まれていった。

そして複雑に絡まった全ての謎を解いた先には、ただどうしようもない真実が横たわっているだけだった。

謎を解いた達成感、事件への没入感、まさかまさかが重なるストーリーの展開に大満足だった。喪失感もあるけど…

映画を観たり小説を読んだりする体験とはまた一風違った、自分たちで真実に辿り着くという体験は私の心に深く残りがちになる。


小学生の頃レイトン教授シリーズが大好きで、夢中になりすぎて人生初の完徹をしたことがある。
あの体験に少し似ていると思った。

謎を解く手が、ストーリーを進める手が止まらないのだ。

先日友人達と解いたモキュメンタリー型の謎解きサイト、かがみの特殊少年更生施設もそうだった。

少しずつ暴かれていく事実から、何か巨大な背景があるのではないかと想像力を掻き立てられ、気になって仕方ない。


今私の心はしばらく謎に囚われ、しばらくはまた新たな謎を探し彷徨うゾンビになると思う。
そういった機会の際は是非お誘いやお付き合いほどよろしくお願いします。