見出し画像

堀江さんはiPhoneが「フォン」であることが重要だったと言った。ーー平成ネット史(仮)のちょっとした感想。

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

最初のnoteはライトな話題から書いてみます。

先日放送された、NHKの番組「平成ネット史(仮)」はご覧になられましたか?ぼくの青春時代はネットと共にあったので(笑)、録画して鑑賞しました。めちゃ面白かったです。

見逃したーーー!ってかたは1/12に再放送があるので、チェックしてみてください。

昔を回顧するという事にはノスタルジーが含まれますし、あくまでもテレビであるので、色々なトピックのポジティブな部分がフィーチャーされていたのは間違いありません。コメンテーターの方が2chの項目については、流石に「良いものではない」と注釈を入れていて、そこもカットされず採用されていました。

番組自体は、前半と後半に分かれていて前半で、ざっくり書くと、ウィンドウズ95のあたりから、PCでのネットの環境や普及の話、後半ではモバイルでのインターネットのお話(iPhone3Gが登場した)、が語られていました。

番組を通して印象に残ったのは、堀江貴文さんが、iPhoneについて「フォンをつけたのが凄く良かった!」とかなりの時間を割いて説明していたことですね。

つまり、iPhoneというものは、もはや電話ではないわけです。堀江さんの言うように、iPhoneの中で電話をするというのは、たった一つのアプリとしての機能でしかありませんし、スマホそ利用しているひとの大半はその時間を電話以外に使用しているはずです(SNS、写真、ネットサーフィン等が大半でしょうね)。

それにも関わらず、その端末に「フォン」を付けたというのが重要だというのです。それはなぜか。堀江さんは「フォンとついて携帯電話であると認識されることで、おばあちゃんでもかろうじて、理解して使えるようになる」というようなコメントされていました。
そして、「日本企業だと、全く関係ない名前をつけてしまう」と言っていました。

ぼくもこの意見に共感します。同様の例はいくつもあると思っていて。
糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」も同じ考えて、ネットなのに敢えて「新聞」とサイトにつけたことが色々なところで語られています。
ウェブサイトという、いままでに馴染みのないものを、旧来から認知されている概念で表すことで、それが一般的なモノである親和性の高さを印象付けられるからです。実際に、ほぼ日の躍進を見ていれば、それは、正しかったといえるのではないでしょうか。

建築分野を見ていて思い出したのですが、noizの豊田さんたちが進めている「建築情報学会」という名称。これも同様の考えではないでしょうか。
先進的テクノロジーの世界は、建築業界の中で依然として既存の建築学と並列して語られることはなく、アカデミックの外にある特殊なものという風潮があるように感じます。それを、意図的に「学会」という名称をつけることで、既存の枠組みの中に、テクノロジー関連のトピックをアカデミックの訴状に載せようという意思を感じます。

ぼく自身のことを考えてみても、今「編集者」と肩書に書いているのですが、恐らくというか、旧来ながらの編集者の仕事とはかなり異なることを行っているように感じます。それは、自身で本を書いたときに、担当してくださった学芸出版社の岩切さんのお仕事をみていて強く感じました。やっていること全く違うなと。でも「編集者」と名乗ることが重要だったという気がします。そこで新規性の高いネーミングを用いることはアーキテクチャーフォトがメディアであるということの助けにはならなかったように思います。新規性のある肩書であったなら、僕自身のブランディングには役立ったかもしれませんが、「アーキテクチャーフォトが、後藤という編集者によって運営されるメディアである」という認識には寄与しなかったと思います。

このような事例から言えることを抽象化してみると、自身が生み出したアイデアや物体、建築に名前を与える、という事に関し、それを広く認識させようとした場合、既存の既に普及している概念や言葉をまとうことで、その目的が叶いやすくなることもある。と言えるでしょうか。

もちろんですが、ケースバイケースですよ。その名称で新規性をPRしたほうが、そのプロダクトにとって効果的な場合はあり得ます。ただ現在起こっている複数の事象を見ていく中で、そのような方法論が選択肢の一つとしてありえるというお話です。

ざっくりした文章になってしましましたが、お正月にテレビを見ていて、印象に残ったので、皆さんにご紹介できればと思い、綴ってみました。

下記の有料noteも更新していますので、ぜひ購読もよろしくお願いいたします!



皆様に、有益な情報をご紹介できるよう活用します!