写真_2018-05-08_10_37_48

阿佐ヶ谷アートストリート建築展で考えたこと。

こんにちは。アーキテクチャーフォトの後藤です。

先日、杉並区役所の2階市民ギャラリーで行われている「阿佐ヶ谷アートストリート建築展」(18/5/11まで開催)に伺ってきたので、その時の写真をご紹介するのと思ったことを書いてみたいと思います。

会場全体の風景を写すのを忘れてしまったのですが、市役所内のエントランスホールの吹き抜けに面した二階の回廊部分がギャラリーとなっていました。まず、市役所内のこのような良い場所で建築展を行っているということが素晴らしいと思いました。

(実は、この展覧会の開催初日の午前に伺っていたのですが、設営中でして、2回目の訪問でした。しかし、出展者の皆さんが勢ぞろいしていたので、その背景など色々とお話を伺うことができました。)

出展者の一人、香月さんに色々とお話を伺ったのですが、この建築展は、今回で3回目だそうで、今までは、別の場所で行っていたとの事。1回目・2回目と開催する中で、信頼を得て、市役所内のギャラリーでの出展が可能になったそうです。そのプロセスも素晴らしいなと思いました。

ここで、感想を中断して、皆さんの展示をご紹介したいと思います(掲載の確認はとっています)。

**********

永山祐子さんの展示。


香月真大さん、荻原雅史さんの展示。


メタボルテックス / 渡邉詞男さんの展示。


永井拓生さんの展示。


バンバタカユキさんの展示。(左側に吹き抜けと手すりが映っているのがわかるでしょうか。)


久保都島建築設計事務所さんの展示。


officeXAD / 山岸大助・菊地昭人さんの展示。


阿部光葉さんの展示。


パーシモンヒルズさんの展示。

感想の続きを書いていきます。

参加建築家の皆さんの、最新プロジェクトが模型や図面で閲覧できる建築展でした。

会場を何周かしていると市役所に訪れた市民の方が、模型に見入っていたり、展示パネルをじっくり見ている様子がわかり、市役所内で建築展を行うという意義を感じさせてくれる建築展でした。

しかし、この建築展には、もっと可能性があるのでは!とも思いました。

例えば、市役所という建築の専門家ではない方が来られる、杉並区に在住している方が見に来られるという状況を想定して、市民の誰もが知っている場所や街をテーマに、建築家だからこその提案を考え、専門家でない方でも理解しやすい表現で展示をするのも一つのアイデアだと思いました。

今回の展示内容は、ある種のポートフォリオのようなものだったと感じています。もちろん、これ自体が悪いと言っているのではありません。(香月さんいわく、毎年実際の仕事に繋がる事例も何件かあるとか。凄いですね!)

この建築家としてのポートフォリオに加えて、市民向けにカスタマイズした展示をミックスすることで、より親しみやすい、この場所にあった建築展になるかもしれない!と感じました。

とはいえ、建築の専門的な視点で見ていった場合には、色々な空間へのアイデアや、まちづくりとしての実践、各建築家の取り組みが俯瞰できる、建築展であり、非常に良い経験だったと思います。

********

私個人としては、展示設営中に、香月さんたちとお話しさせてもらった内容もとても印象的でした。

私は浜松・磐田という地方都市での活動していてずっと考えていたのは、如何に地域と繋がるか、市民に建築家という仕事を理解してもらうか、というテーマでした。地元の友達のような建築に関わったことのない人たちにも、建築の素晴らしさを理解してもらいたい、知ってもらいたい。という気持ちがずっとありました。私はこれは地方だからこその意識なのかなと思っていました。

しかし、香月さんのお話を伺っていると、東京を拠点としている方々の中に、実は同じことを考えている方もいるのだなという気持ちになりました。
地方から見ていると、「東京」とひとくくりに見てしまうのですが、東京の中のそれぞれのエリアに、そこを自分の地元・地域だと考えていて、そこに存在する社会と繋がりたい、その中で建築家の存在を知ってもらいたいという人たちが沢山いるのだなと感じたのです。

地方で活動していると、メディアの多くが東京に存在していることから、自分たちの環境とは異なると思っているところが私の中にもありました。

しかし、その中に入り込んで見てみると、意外にも多くの共通点も存在しているし、お互いが共感できる部分が多々あるんだなと言うことが今回良く分かりました。

もちろん、違う面も多々あると思います。しかし、共通する志が見えるというのは、同じ建築人として対話が可能であるということでもありますし、同じ意識を持って活動していけるということでもあると思います。
そういった意味で、今回の展覧会や対話は私にとっても非常に意義深い経験となりました。

**********

かなりザックリとした内容になってしまいましたが、今回訪問した建築展ので考えたことを書いてみました。

これからも、内覧会や展覧会の感想を随時UPしていきますのでどうぞよろしくお願いいたします。

■有料マガジンも更新中です!
https://note.mu/remgoto/m/m427f497c0d03

皆様に、有益な情報をご紹介できるよう活用します!