マガジンのカバー画像

#建築 まとめマガジン

466
note上の建築系記事をまとめていきます。 #建築 をつけて投稿しよう!
運営しているクリエイター

#新建築社

地形から見る団地─団地図解 地形・造成・ランドスケープ・住棟・間取りから読み解く設計思考【学芸出版社】

篠沢健太 吉永健一 著 B5変型判/140頁/3,600円+税 団地はどれも同じ…だなんて大間違い。地形を生かしたランドスケープ、コミュニティに配慮しつつ変化に富む住棟配置、快適さを求め考案された間取りの数々。目を凝らせば、造成から植木一本まで連続した設計思考が行き届き、長い年月をかけ育まれた豊かな住空間に気づくはず。あなたも知らない団地の読み解き方、教えます。 建築やランドスケープの設計者である筆者が地形に着目して団地を解説した本書. 多くの団地が建設された高度

アイリーン・グレイ 建築家・デザイナー【みすず書房】

ピーター・アダム 著/小池一子 訳 A5判/320頁/5,400円+税 「家は住むための機械ではない。人間にとっての殻であり、延長であり、解放であり、精神的な発散である。外見上調和がとれているというだけではなく、全体としての構成、個々の作業がひとつにあわさって、もっとも深い意味でその建物を人間的にするのである」(アイリーン・グレイ) 「あなたの家で過ごした二日の間に、その家の内外のすべての構造に指令を出している、類い稀な魂を称賛する機会をもつことができてとてもしあわせで

中山英之 1/1000000000【LIXIL出版】

中山英之 著 A5判/ 160頁/1,800円+税 中山英之は2006年のデビューから現在まで、「世界」とは何かを問うてきました。彼は作品を通して建物の建つ「土地」やあたりまえの「生活」に対する人々の認識を超えて、これまでの世界をつくりかえる新たな空間を提示しています。 本書では、図面上にあらゆる世界を描くことができる「スケール(縮尺)」の考え方を軸に、小さな石から住宅、都市、地球とさまざまな大きさを行き来し、建築が世界を変えうる可能性について説いています。 《円と弧

T_ADS TEXTS 02 もがく建築家,理論を考える【東京大学出版会】

東京大学建築学専攻 Advanced Design Studies 編 新書判/304頁/1,500円+税 ふたつの東京オリンピックのはざまで,時代の大きなうねりのなか形作られた現代日本建築の多様性を「理論」「技術」「都市」「人間」という四相から見直すシリーズの第1弾,「理論編」.日本を代表する建築家自身による作品解説とインタビューによる現代日本建築入門. 本書では6名の建築家(磯崎新,香山壽夫,藤森照信,大野秀敏,妹島和世,隈研吾)の代表作に訪れて行なわれたインタビ

人間の叡智に連なる何かを未来へ投げかける思考─『新建築』2018年10月号月評

「月評」は『新建築』の掲載プロジェクト・論文(時には編集のあり方)をさまざまな評者がさまざまな視点から批評する名物企画です.「月評出張版」では,本誌記事をnoteをご覧の皆様にお届けします! (本記事の写真は特記なき場合は「新建築社写真部」によるものです) 評者:中山英之 最近,1969年発行の,日本全国の手漉き和紙を綴じた重厚な紙見本帳を見る機会がありました. 装丁は日本のグラフィックデザイン界の草分け的存在であった原弘さん.そこに寄せられていた原さんの文章には,当時

建築と建築家の関係(漸進,多人格性,都市的な同時存在性...)─『新建築』2018年8月号月評

「月評」は『新建築』の掲載プロジェクト・論文(時には編集のあり方)をさまざまな評者がさまざまな視点から批評する名物企画です.「月評出張版」では,本誌記事をnoteをご覧の皆様にお届けします! (本記事の写真は特記なき場合は「新建築社写真部」によるものです) 評者:中山英之 漸進的に思考し続ける建築─ミナガワビレッジまず惹かれたのはミナガワビレッジの記事でした. 巻末データシートで再生建築に関連する法整備に対する所見に触れるなど,隅々にまで建築家の思想や意思が行き渡っていて

さまざまな住居への格闘の痕跡─『新建築』2018年8月号月評

「月評」は『新建築』の掲載プロジェクト・論文(時には編集のあり方)をさまざまな評者がさまざまな視点から批評する名物企画です.「月評出張版」では,本誌記事をnoteをご覧の皆様にお届けします! (本記事の写真は特記なき場合は「新建築社写真部」によるものです) 評者:連勇太朗×山田紗子 究極的な環境(外部)依存型の建築─アパートメントハウス連  住まいを語るための根源的な言葉,そしてそれを実現する制度と空間を真面目に改革しないと,この国は本当にダメになってしまうんじゃないかと

「選択可能性」の重要性─『新建築』2018年6月号月評

「月評」は『新建築』の掲載プロジェクト・論文(時には編集のあり方)をさまざまな評者がさまざまな視点から批評する名物企画です.「月評出張版」では,本誌記事をnoteをご覧の皆様にお届けします! (本記事の写真は特記なき場合は「新建築社写真部」によるものです) 評者:連勇太朗×松島潤平 目次 ●「選択可能性」の重要性 ●「説明可能性」を担保した児童施設 ●未来に対して,何を価値として投影するのか 「選択可能性」の重要性連  6月号の特集対談では,保育施設に求められる役割が社

生命の讃歌 建築家 梵寿綱+羽深隆雄【美術出版社】

梵寿綱 羽深隆雄 著 A4変型判/260頁/5,800円+税 早稲田大学そばにある奇怪な建物「和世陀」を1983年に設計した建築家・梵寿綱(ぼん・じゅこう)と、旅館「仙寿庵」、鮨屋「銀座久兵衛・別館」などを手がけた建築家・羽深隆雄の2名を紹介する異色の建築作品集。 「和世陀」(『住宅特集』1987年6月号掲載)などの作品で知られ,経済性に支配されない表現的な建築を模索する梵寿綱と,「仙寿庵」(『新建築』1997年8月号掲載)など,多くの和モダン建築を手がける羽深隆雄の

時間のデザイン,その必要性─『新建築』2018年4月号月評

「月評」は『新建築』の掲載プロジェクト・論文(時には編集のあり方)をさまざまな評者がさまざまな視点から批評する名物企画です.「月評出張版」では,本誌記事をnoteをご覧の皆様にお届けします!(本記事の写真は特記なき場合は「新建築社写真部」によるものです) 評者:連勇太朗×石榑督和 目次 ●建築とは記憶の装置である ●「歴史的にも建築的にも価値がない」とされる建物が積み重ねてきた時間 ●時間のデザインと,その教育の必要性 建築とは「記憶の装置」である連  4月号の特集:ア

ユートピア都市の書法 クロード=ニコラ・ルドゥの建築思想【法政大学出版局】

小澤京子 著 A5判/286頁/4,000円+税 ルドゥの建築と都市をめぐる構想は、「文字」と「言語」、「語り」についての方法論の模索でもあった。 幻視的や奇矯といった形容とともに《呪われた建築家》とされてきた従来の像を刷新し、その特異性の本質を明らかにする。建築の起源としての幾何学性志向、都市構想と性愛、性的建築と身体管理、書物の構造が出来させる仮構的な都市空間──。 新たな言語創造者による「都市の書法」の追究とともに、時代の認識と欲望のあり方を炙り出す。 フランス

ウォークス 歩くことの精神史【左右社】

レベッカ・ソルニット 著 東辻賢治郎 訳 四六判/520頁/4,500円+税 歴史上の出来事に、科学や文学などの文化に、なによりもわたしたち自身の自己認識に、歩くことがどのように影を落しているのか、自在な語り口でソルニットは語る。人類学、宗教、哲学、文学、芸術、政治、社会、レジャー、エコロジー、フェミニズム、アメリカ、都市へ。歩くことがもたらしたものを語った歴史的傑作。 歩くこと,それは呼吸をすることと同じくらい人間にとって当たり前のこと. だからこそ,歩くことは人間

少しでもベターな場所を,ベターなやり方で─『新建築』2018年10月号月評

「月評」は『新建築』の掲載プロジェクト・論文(時には編集のあり方)をさまざまな評者がさまざまな視点から批評する名物企画です.「月評出張版」では,本誌記事をnoteをご覧の皆様にお届けします!(本記事の写真は特記なき場合は「新建築社写真部」によるものです) 評者:饗庭伸 目次 ●建築をつくり出す制度とそれを制限する法 ●ハレ(殊)とケ(常) ●「上がってる」感 ●「多くの制度とごくわずかの法を持つ政体」 ●少しでもベターな場所を,ベターなやり方で 木造って,気分が上がりま

営繕論 希望の建設・地獄の営繕【NTT出版】

四六判/256頁/2,600円+税 リノベーションはなぜ困難なのか? 「営繕」とは、もともと「営造」の「営」と「修繕」の「繕」からなる熟語で、千数百年に及ぶ歴史を持つ専門用語であったが、近代社会における建築の工業化において、その意味するところから「建設」が除かれ「修繕」に限定されたうえ、退屈で創造性が欠如したものとして捉えられるようになった。 しかし昨今、リノベーションという言葉に象徴されるように、新築するよりも、古いものを修復・修繕して再利用するという流れが生ま