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【記録】ワクチン打ってきた。あの裏技で

勢いで新型コロナウィルスのワクチンを打ってきた。

もともと早く打ちたかった。タイムラインで国内外から「打った」報告が相次ぐのを見ていると、何となく気がはやる。まだまだ叶わぬ夢だけど、早くワクチン打って海外旅行に行きたいなあ、早く日常を取り戻したいなあ、という思いは募る。

64歳以下の接種はまだまだ先かと思っていたら、徐々に基礎疾患持ちの人の接種が終わっているようで、打った人の話がぽつぽつと伝わってきた。

一気に進んだ印象があるのが、6月17日。ガラ空きだった自衛隊の大規模接種センターが、64歳以下の予約を受け付けた途端に満杯に。こうなるといよいよ、早い者勝ち(=強い者勝ち)の様相を呈してきた。

センターの予約には自治体発行の接種券が必要。しかし私の住む自治体は、ホームページに6月30日発送、予約は7月下旬からと書いてある。待っていたら打ち終わるのは8月を過ぎるだろう。職域接種にも期待したが、勤め先はワクチン納入量が少ないのと医師が確保できないとかで、回ってくるのは自治体と同じか遅くなりそうな気配だ。

一体、接種券はいつ届くんだと、自治体のホームページをのぞくと、自衛隊の大規模接種を希望する人向けに、区役所ロビーで接種券の発行を始めていることが書かれてあった。同様の話は他の自治体でも聞くから横並びの対応なのだろう。毎回、午前中の早い時間で交付は締め切られてしまうようだ。しかし、早く打ちたいならこの方法が最短だ。

幸いにも在宅勤務で時間の融通は利く。週末は混みそうだから、週明けに始めてみようと意を固めた。

役所で接種券を受け取る

6月21日月曜日、珍しく早起きして、電車に乗って午前8時20分すぎに区役所到着。1階に十数人の列が出来ていたので拍子抜けしたが、列は2階から始まっていて最後尾は地下1階だった。階段を降りてもらった整理券番号は149。

「おひとり様ですか」と聞かれ、妻の分ももらえばよかった、命に関わることなのにひとり抜けがけするのかと後悔したが、家を出る前に話した妻は「区の券を待てばいいじゃない」「不測の事態を避けるためには家族別々に受けた方がいい」という意見だったので、さほど急いでないだろうと思うことにした。前後の人は結構、家族の分も一緒に申請している人がいた。

列についてほどなく8時半になり、受付が始まり列が動き始める。今日は500人分発行らしいが、職員の説明によれば「十分余裕がある」とのこと。

並んでいる間にバインダーを渡され申請書を書く。「ワクチンの種類が違うので、区の接種を受けられる場合は今日並ばない方がいいです」と説明している職員がいた。区民への周知も混乱している様子。そもそもホームページを見て来た人しか知らないわけだから。

列は徐々に進んで9:05ごろ手続き。ここでもらった引換券は「116」。やれやれ、やっとトイレに行ける。会場で「1時間くらいかかっております」と職員に説明されたが、呼び出しは順調に進んでいる。9:23には接種券を受け取り、帰宅して在宅勤務を始めた。

しかしここからが長かった。

予約できない予約サイト

接種券をもらっただけでひと仕事終えたような気になったが、接種を受けるには大規模接種センターの予約サイトに接種券の番号と自治体コードを打ち込み、予約を取る必要がある。枠は17日の時点で既に埋まっており、予約を取るにはキャンセルが出た分をゲットするしかない。

キャンセルは「都度予約枠が解放されます」とあり、×が並んだ予約カレンダーをリロードすると、ときどき△に変わり、予約ページに飛べるようになる。しかしこの時点で次のページに進んでも、既に枠が埋まっている。

鉄板にスポイトで水をたらすような状態か。予約ページからひたすらキーボードのF5ボタンを連打するが、たまに枠が1個空いても1秒もたたずに埋まってしまう。

仕事の合間に、F5連打でどれだけの時間を費やしたことか。午前中は多少、空きが出ていた枠も、午後はほとんど動きがなく、空に向かって鉄砲を撃ち続ける状態。午後5時を過ぎ、夜になるとまた再びキャンセルが出始めたが、やはりあっという間になくなってしまう。今まで何度か挑んだ人気アーティストのコンサートチケット予約より、遥かに難易度が高い。

画面の向こうで自分みたいにF5を連打しているライバルは、きっと数十人なんて単位ではないだろう。生死に関わることなのに、早い者勝ちの高嶺の花なのか、なんて国民の命を軽んじる国なんだ…単調な動作を繰り返して失敗し続けると、だんだん焦って頭に血が上る。もはや他のことが手につかない。いかん、こんな状態を続けていたら仕事も生活も回らなくなる。

やっとあきらめがついて仕事のファイルに向かえたのは0時を回っていた。仕事を一区切りつけ、風呂に入ったら、4時を過ぎていた。

何か裏技でもないものかとTwitterで「大規模接種センター 予約」と検索すると、同じように悪戦苦闘している人たちの恨み節が並ぶ。その中で、一つだけ異色のツイートが目についた。

え、つまり、整理すると

・予約なしでも打てる「当日受付」がある(非公表)

・朝から並んで先着順

マジっすか!

てか、始発まであと何時間? うわ、もうすぐやん!

というわけでそのまま家を出て、最寄り駅に向かうことにした。

武道館の入場待ちみたいに並ぶ

6月22日、始発に乗り、大規模接種センターへの最寄り駅を降りると、何人かが走り出していた。なんて気の早い…と思いながら、こちらも速足になる。

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大規模接種センターに着くと、既に長い長い列ができていた。5時24分、最後尾に並ぶ。カウントしている警備員に聞いたら190人目だという。

その後も列はどんどん長くなり、合同庁舎をぐるりと取り囲むように伸びていった。まるで武道館の入場待ちだ。やがて5時45分、気づけばもう誰も走ってこなくなった(この日は5時41分に締め切ったらしかった。日に日に早くなっていく)。まさかの6時前締切か。

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用意のいい人はシートや椅子を持参している。座るところもない。本ぐらい持ってくれば良かった。眠気覚ましと暇つぶしにスマホゲームをやっていたら、スマホの電源を食ってしまった。

2時間待つ。眠い。列はピクリとも動かない。日差しが照りつける。刺すように暑い。トイレは列の後ろの人に了解を取れば公衆トイレに行っていいというルールらしく、私の前の人は列を一時離脱して、また戻ってきた。

7時13分、「まもなく受付開始」とメガホンで警備員が案内を始める。接種券の現物と身分証を用意するよう言われる。

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7時半、列が動き出す。ちょっとずつ動き、30分くらいで受付にたどり着いた。接種券を確認した後、担当オペレーターのパソコン操作ですぐに接種予約が入った。昨日の苦労はなんだったんだ、うおー

黄色いファイルに接種券や予診票を入れられ、同じ黄色組の人たち7人ぐらいと、赤や青、黄色に色分けされた待機スペースを2回素通りして、エレベーターで建物の4階へ。医師の短い問診を2回受け、8:20ごろ接種。ちくっとするだけで、あっという間に終わる。会社の健康診断で何度も体験したねっとり、ねっとりした採血よりよっぽど楽だ。

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次回の予約をして、経過観察のため椅子に座って15分ほど休憩した後、8時38分に退出。建物の外に出たところで「本日の当日予約は終了しました」というプラカードを持った人が立っていた。ここでスマホの電源が切れた。

庁舎内を移動しながらすれ違った制服姿の自衛隊員たちは、みんなにこやかで愛想がよくて挨拶もハキハキして、心の中で「自衛隊に入ろう」を熱唱しながらその崇高な任務を称えた。

2日連続で早駆けしたが、気がつけば年老いた両親よりも早く接種したことになる。

帰宅後、腕が痛い

帰宅して在宅勤務をしながら上司に接種の報告をしたところ、特別休暇を取るよう言われる。そんなこと言っても仕事は山ほどあるのになあ、と思いつつ、代わりに明日休むことにした。

モデルナワクチンは打った直後は指先や左腕がちょっとピリピリする感じかな、気のせいかな、と思うくらい。

徹夜明けなので帰宅して寝て、14時ごろ起きてみたら腕が痛い。肩より上に上がらない。この痛みは時間が経つほど増してきて、夜にはだんだん腕が重くなってきた。首から肩、脇にかけてしびれが出る。左腕を使うことは、パソコンも皿洗いも入浴もしたくないので、このブログもスマホで書いている。頭がボーッとして注意力散漫になっているのは、徹夜明けだからだろうか。

入浴も歯磨きもせずに寝た。

翌朝、やっぱり腕が痛くて重い。重いものを持つことは出来るが、肩を動かすと痛みが走る。実は私、もともと左利きなので、箸とペン、スマホ以外のほとんどのことを左でやっている。右腕に打っておけばよかったと後悔した。シャワーは軽く浴びるだけにする。

という感じで仕事もせずに漫画を読んだり、漫画を読んだり、漫画を読んだりしてダラダラ過ごす。夜になると多少、収まって来て、3日目の朝になると気だるさも腕の痛みもかなり軽減され、日常生活にほぼ支障なくなるレベルになる(まだ多少、残っている)。夜になってやっと、腕の痛みが気にならなくなってきた。

というわけで次に報告するのは2回目の接種後かなあ。

過熱する一方の当日枠。そして…

ちなみにこの当日枠、公式なアナウンスは一切ないにも関わらず、口コミかネットで存在を知った人がどんどん詰めかけて、締め切り時間が早まる一方だった。

そして6月24日、予約サイトにこんな文言が追加された。

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1日300人の予約枠が増えるそうなので、恐らく当日枠の分が充当されるのだろう。早く打って良かったのか、予約枠が増えるのを待っておけばよかったのか。

月日は流れ、順調に2回目

7月21日、午前10時40分ごろに2回目を接種。ワクチン不足説もあって心配していたが、前日に予約サイトで確認したら予約は取り消されていなかった。やや遅れて現地に到着したが、前後30分の幅で受け付けているようだ。

前回同様、予診票を書き、問診を受けて、注射を打ち、終了。東京駅までシャトルバスに乗り、丸善で本をチェックするなどして、自宅に戻る。

本当は特別休暇で休みたかったが、4連休前でいろいろ仕事は終わらず、なんだかんだで夕方まで在宅勤務する。

夕食前ごろから熱っぽくなってきた。この時点で38.3度。布団にこもってクーラーをつけるが寒気が押し寄せ、長袖に着替えて布団を被る。まるでインフルエンザのようだ。ときおり咳と、軽い頭痛。夜10時すぎに野菜炒めの夕食を食べるが、猛烈に吐き気を催した(吐いてはいない)。

2日目

翌22日、熱は最高で39.3度で、39~38度台を行き来する。食欲がない。ひたすらスポーツドリンクとウィダーインゼリーでしのぐ。きっと高熱で胃腸がやられてしまったのだろう。相変わらず長袖を着ていても暑く感じない。軽い頭痛が慢性的に続く。脳がやられてしまいそうだったので、保冷剤をずっと頭に載せる。恐るべし自分の体の抵抗力。頭痛はずっと続いているが、本を読もうと思えば読めるので、積ん読本に手を伸ばしてパラパラと読み始めた。連休で世の中もオリンピック一色で浮世離れしているし、こういうときは時流と関係ない本を読むのにいい。

3日目

23日早朝、まだ38度台の熱がある。午前中に現場立ち会いの仕事があったが休ませてもらうことに。正午すぎから熱は37度台まで下がってきた。夜にキウイを食べて体の中に風が吹いたような、生き返ったような気分になる。軽い頭痛はまだ収まらないが、本を読む気力はあり、夜はほぼ、本を読むのに熱中してしまった。

https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20210726b.html

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