すい

「さよなら」は悲しい響きだけど 君とならば 愛のことば

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最近の記事

また泣けるかもと思って

先日、初めてのひとり旅で熱海に行った。 久しぶりに見た海は、それはそれは美しくて キラキラの波、ゆらゆらの水面、 柔らかい風と、青空に太陽。 目で、耳で、鼻で、触って、海を感じていると、 ふいに涙が出そうになったことに驚く。 もう一生分の涙を流したと思っていたし、 家族や大切な人が死んだ時以外は泣けないと思っていた。 ここ最近は心が柔らかくなる出逢いがたくさんあって、 私はまた少しずつ人間として生きる時間を 取り戻せているのかもしれないなと思う。 泣いて、泣いて、泣い

    • 沖縄生活①珈琲

      沖縄でのホームステイも10日が過ぎた。 何年も仕事と家の往復で過ごした日々から 何をするか、どこへ行くか、全部自分次第の毎日になった。 環境で人は変わると聞いたが、 ストレスが全くないというのはこういう感覚なのか。 恐るべし、自然のチカラ。 いわゆるリゾート地や都心の栄えた場所ではなく、 住宅が多い静かなエリアでひっそりとしている。 この時期の沖縄は、 ヒートテックに薄い長袖でちょうどよい気候で過ごしやすい。 朝は眩しい太陽の光に起こされ、 柔らかい風と遠くに見える海を

      • 抜け感

        服装、 まとう雰囲気、 動き、発する言葉、 身に付けるもの。 「抜け感」が、最近の私を捉えて離さない。 隙があるとほっとする。 目の前の人が完璧見えれば見えるほど、 抜け感や隙を見た時にほっとする。 ああ、この人も私と同じ人間なんだ、って。 自己評価が低いのは小さい頃からだった。 周りがずっとずっと自分よりすごい人たちだと思えて、 そう思い込んでいて、 自分なんか足元にも及ばない、 だから努力しなきゃ、かんばらなきゃ。 それがモチベーションの根本だった。 弱さを見せ

        • 「怒り」の持ち玉がなくなった

          みさとはさ、怒ることあるの? イライラしたり、怒りが爆発することないの? 元々怒りっぽく、時には声を荒げて威嚇したりしていたタイプだった。 カッとなって頭に血が上る、というよりは、 相手が自分の思い通りに動かないことに対するイライラだったのかもしれない。 他人に厳しい分、自分に対してもすごく厳しくしていた時期が長かった。 誰かが決めた「こうであるべき」にいつしか囚われていた。 例えば一生のうちで「怒る」という持ち玉が100だとしたら、 たぶんすでに人生の前半で100を使

        また泣けるかもと思って

          どこへ行こうか

          環境をガラっと変えた方が、 気分転換になってリフレッシュできますよ。 行きたいところがあれば、行ってみてもいいかもしれませんね。 休職中の過ごし方を確認した時に、 そんなことを言われた。 これまでもたくさんの休職者に対応してきたというその女性は 私の話を優しくにこにこ聞いてくれる。 1日のほとんどを仕事に費やし、 土日は家で死んだようになっていた私にとって、 どこに行って、何をすれば良いのか分からなかった。 きのうまでは。 と、いうことで。 空いている飛行機を予約した。

          どこへ行こうか

          人生の夏休み2回目

          来週から休職することになった。 新卒で今の会社に入り、 背伸びした目標に向かって1日のほとんどを仕事に費やしてきた。 好きな仕事。 楽しくて、おもしろくて、第一志望の会社。 期待されていると勝手に思い込んで、 それに応えたいと勝手に思って、 がんばればできると過信して、 がんばって、がんばって、がんばったら、 何もできなくなった。 2回目の人生の夏休み。 なにしようかな、どうしようかな。 みさと

          人生の夏休み2回目

          おばあちゃんのはなし

          「正論は、時に人の心を傷付ける」 そう感じる場面が何度かあった。 白か黒か、 0か100か、 そんな風に分けられないのが、人の気持ちで。 おばあちゃんが老人ホームに入所した。 認知症の進行が早く、ひとりで家に置いておけないという理由で、 入所して4ヶ月ほどが経過した。 それまで毎日おばあちゃんの家に通っていた母が、 精神的にも楽になったのは目に見えて分かった。 実家から離れて暮らす私に、 母が毎日LINEを送ってくる時は何か心配事がある時と、 私は理解している。

          おばあちゃんのはなし

          心の声に耳をすませて

          この土日は1歩も家から出なかった。 冷蔵庫にある物を食べ、飲み物を口に入れ、 トイレに行く以外はずっとベッドの上で 床と並行になっていた。 スケジュールの詰まり具合が充実感と比例すると思っていたタイプだった。 パンパンのスケジュールをこなすために必要な、時間。 時間を捻出するためには、睡眠を削り、 効率を重視した生き方をしてきた。 むしろ、それしかできなかった。 周りの声に耳を傾けず、 ただ、自分の信じた【理想】に突き進んでいた。 いまは。 もう死んだと同じだと思い

          心の声に耳をすませて

          人間の価値とは

          人間の価値は、いつ決まるんだろう。 冷たく強い風の中、背中を丸めて帰る道で思ったこと。 今年は父親が亡くなって3回目のお正月だった。 余命半年の末期ガンが見つかってから、 3年と少しだったと思う。 父親はカメラが趣味だった。 大学生の頃に初めてカメラと出逢い、最後までカメラと写真の虜だった。 数々の賞も受賞し、 コンテストの評価員もしていたと聞いた。 家の中は父が撮影した写真が飾られ、 私と妹の写真は他の風景写真よりも大きく現像され 額に入れられていた。 長期休暇で

          人間の価値とは